作者近況 3月 2月 1月 12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月以前

4/29 一日中一歩も外に出る事無くWebのページを作り続ける。朝早くから始め、何度もやり直す内に気付けば夜になっていた。ちょっとした記述でも妙に気になる事があったりすると長い時間調べていて捗らない。逆に言えば知らなかった事が結構ある。

メーカーから推賞されている処方なども久し振り調べてみると幾らか違う物になっていたりする。勘違いだったのかと思いながら資料を調べていると、やはり変わってしまった物もあるようなので常に確認する事を怠ってはいけないと思う。

アーカイバルな処理に関しては日々、その方法が書き換えられているので、新しい知識を吸収する事がとても重要だ。新しい知識に就いて色々検索するのだがMacのブラウザでは開かないページが多く苦労する。それが理由でPCも使うようになったのだが、Web環境においてはMacユーザーはどんどん取り残されて行く感じもする。

多くのブラウザに対応する事は本当に大変だが、素人だから諦めると言う事ではなくできるだけ自分なりに対応を工夫しているつもりである。まだまだ先は遠くて気分が滅入って来る。


4/28 妙に朝早くから目が覚めて、8時前から作業を開始する。昨日よりぐっと体調は良くなリ、自分では温泉の効果で回復力が強くなったように思う。昨日撮影した資料をもとに少しづつページを作る。

2時からの打ち合わせに四ッ谷に出掛け、かなり注意していたにも関わらず帰りの電車を反対方向に乗ってしまい、秋葉原迄まったく気が付かずむしろのどかな外の風景を楽しんでいた。四ッ谷の駅は私には鬼門のようで、2回に一回の割り合いで何かのトラブルがある。快速に乗ってしまったり、乗り過ごしたり、、、、、

秋葉原で気が付いたついでに電車を下りて買い物。地下鉄で帰る事にしたのだが電機街も平日の為人が少なく閑散とした感じ。USB接続のメモリーを一つと、仕事用のサンダルを買う。NYから展覧会終了のメールが届く。


4/27 webの資料用に多くの写真を撮影する。テクニックに関する事で要望の多かったフィニッシュに関する部分や、水洗から乾燥迄のファイナルプロセスを少しづつ作り始めた。

サイトで公表する物はできるだけ自分のオリジナルの処理でありたいと思うのだが、極当たり前のプロセスも一応掲載し、できるだけ写真を使って解り易く解説したい。今日の撮影の中では特にドライダウンの表現が難しかった。少しづつ解り易い方法を模索している。

ドライダウンと言うのはとても厄介な現象で、どんなにデータ上に記録を取っても実際に試してみると、僅かの参考にしかならない。いわゆる勘に頼る部分が多いのだが、自分なりに少しでもそのギャップを縮めようと色々な方法を試して来た。決定的な解決策がある訳ではないのだが、、、、逆に言えばあまりに多くの事例を知っている故に、一概にこうだと言う結論は下せない。紙によって、イメージによってまったく違う現れ方をするのだから、、、、

フラットニングに関する資料もやっと撮影した。乾燥や水洗の管理など、当たり前の部分も取りあえず表現に加えて行かなければならない。連休中にはそこそこの形迄仕上げたいと先を急ぐのだが、昨日からの熱が下がらず捗らない。厄介な風邪を惹いてしまったようだ。


4/26 温泉は不思議な旅だった。最後に泊った万座温泉はとても霊力の強い所で幾つもの夢を見た。現在はほとんど残っていないがこの温泉に程近い小串鉱山や吾妻鉱山、その他にも以前は多くの鉱山の廃虚が在り、そこに泊まり込んで何日も撮影を続けた事が在る。

20年程前の事になるが、当時、そこで見た夢も妙に印象的な物が多く今でも記憶に残っている。何度も思い出すせいか、極最近見た夢のようにリアルな印象だ、、、、、今回見た夢は何かを諭されるような感覚の物。常に問いかけられる感覚だった。色々な価値観、宗教、言語、、、そんな物が入り交じった感じ。

カメラも持たず、撮る事のプレッシャーから離れ長い時間窓の外の風景を見た。宿の窓から見える風景や、車の外。何かを見る度にそれが自分の被写体なのかを考える。何時になくリラックスしている自分を不思議に感じた。

写真を撮る機会はとても少なくなった。時間がなかった過去の方が何時も被写体と向かい合いその中に自分の心を写す物を探し求めていた。何かふっと、扉が開き新しい一枚を撮る。そんなきっかけで新しいシリーズが生まれて行く。それは何かを生み出すと言うよりは、何かの呪縛から解き放たれる感じ、学び過ぎた脳の中から原初な感覚を取り戻す過程のようだ、、、、どこかに戻らなければならない。それは原点ではなく中に浮いた曖昧な物、、、

以前、大型のカメラに抵抗に感じていた頃、35ミリのカメラで撮った物を、後日同じようにフォーマットの大きなカメラで撮る事を繰り返した事が在る。一眼レフのように画面を覗きながら決める事が出来ない大きなカメラは、そのビューポイントが曖昧でかえって、自由な構成を掴みにくい。本来であれば、アオリも使える訳だし画面構成そのものの自由度は高いのだが、その構造上の平行感覚や遠近感、構成などがバラバラになってピントグラスから視覚に入って来て上手く行かない。抽象的な被写体ならば簡単なのだが、建築物や、既存の見なれた造形では特に難しい。

私に限った事かも知れないが35ミリの一眼レフはもっと直感的に画面を把握できる。カメラの構造上の心理的なギャップで見えるはずの物をゆがめていたのだろうか。大きなフォーマットを自由に扱う、そんな感覚を自分に取り込み始めたのは、この信州の高原で何日も、何度も、同じ被写体と向かい合った事がきっかけになったように感じている。

最近、銀塩を扱う事の中で、同じようなもどかしさを感じている。デジタルの画面にのみ存在する何か自由な、解き放たれた感覚。見落としていた何かを銀塩にフィードバック出来ないのだろうか。カメラを持たない今回の旅でそんな事を感じる。


4/22 午前中スタジオに出掛け、昼過ぎに自宅に戻ったところへ丁度良いタイミングで先日通販に頼んであった、デジカメの周辺機器やソフトなどが届いた。以外と早く色々な物が揃い始めている。来週はメディアなども新しい物を揃え、その他のシステムを少しづつ入れ替えて行く。このソフトの性能にかなり大きな期待が在る。

午後からはWeb用の素材を撮影し、いろいろと資料をチェックする。車の中を片付けて切れていたルームランプを付け直す。今日の夜から車で遠出して、山奥の湯治場に行く。久しぶりに温泉につかり東京に戻った頃にはNYの展覧会も無事終わっている事だろう。一つの区切りを少し違う空間で迎え、これからの事を考えたい。やっと良い年があける、そんな大晦日のような気分だ。


4/21 昨日届いたデジカメのテストの為午前中からスタジオで色々な物を撮影する。キャプチャーソフトの到着が来週なので未だ本格的な評価は下せないのだが、カメラのレベルの高さに反して画像そのものの密度はかなり低いレベルの印象を受ける。

先月K社のデジカメをテストした時と同じ条件で撮影してみたのだが、色々調整してみてもデータそのものクォリティーはかなり低く、比べる事が難しい。これはカメラの性能と言う事では無く私の用途にどちらが適合しているかと言う部分でも在る。私の撮影で必要なハイライトの自然なつながりはK社やC社の物が得意とする分野なのかも知れない。

フルサイズのCCDにローパスフィルターのない画像と比べる事は間違いだと思うのだが、価格的には海外ではK社のカメラの方が遥かに安い値段で売られている。多様な条件ではどちらに軍配が上がるかはまったくわからない。では、このカメラが間違った選択だったかと言えばそうでは無い。カメラの操作性はとても優れており、何の違和感も無くすぐに使う事ができる。何よりファインダーは、フィルムカメラには到底及ばないのだが、情報量やコントロールという意味では十分な領域に達したのではないだろうか。

全てに於いて過渡期的な印象を受けたカメラだが、価格に於いてはそこそこのもの。追加する事になるデータの転送システムなどを加えて行くと100万近い出費となる。早くソフトをマスターし自分なりに使いこなして行きたいと思う。

夜になって最近新しくデザイン事務所を開業した友人に食事に誘われお寿司を御馳走になる。画像処理が簡単な作業だと思われがちな現在だが、その奥義は以外と奥が深い。それを知る人は、写真そのものを知っているのだと思うととても嬉しく思う。


4/20 昨日購入した鉄板を使ってクーリングウェイトを作る。今迄使っていた大理石よりもかなり使い勝手の良い物が出来そうだ。昨日購入した鉄板は丁度良い大きさで4ミリの物を2枚張り合わせてプレートを作る事にした。それより厚い鉄板は一般的には売られていない。

まずは表面の錆や汚れをきれいにする作業。2枚であるから手間は倍になる。一枚の重さがかなりな物なのでケガをしないようにとても慎重に作業を進める。それから2枚を張り合わせ取っ手を取り付ければて一応完成となる。

ほとんど丸一日かかった作業だが、途中雨の中新しいデジカメを青山迄受け取りに出掛けた。専用のソフトやバッテリーなどのアクセサリーは来週以降に揃うのだが、取りあえずできるだけ早くテストをしなければならない。今日はさすがに手を付けられないのだが、、、来週以降になりそうだ。


4/19 幾つか必要な物が在り、10時の開店を待って渋谷の東急ハンズへ。食事を済ませた後昼前には自宅に戻りWeb用の資料を作り始めた所で、知り合いから郊外に在るDIYの大型店鋪へ行かないかと言う誘いが在り、喜んで便乗する事にした。

日本最大と言われるDIYのショッピングセンターに行く事になったのだが、もちろん初めてで、近々暗室をリフォームする予定も在るのでどうしても行って見たかった所へ調度良い誘いである。

ほとんど家を建てる為の物なら何でも揃うと言われている大形店鋪だけあって考えられる全ての物が揃っている。ここで見ている限りでは来るべき暗室の改築も、なんだか自分でも出来そうなな気持ちになって来る。全ての材料を寸法道理に加工してボルトオンで組み付けるのならそれほど手間では無いように感じる。電動の新しい工具を使えば素人の私にもそこそこの作業はできるかも知れない。難しいのは水周りなどと考えながら、閉店迄をあっという間に過ごしてしまった。

幾つかの簡単な工具と素材を購入。板材の安さには感動したので次回はもっと大きな買い物になりそうだ。


4/18 かなり朝早くからWebのページを作りはじめる。コンテンツを追加する作業は新しく作る事より大変で、今迄の全てのページのリンクを一つづつ書き換えると言う、気の遠くなるような作業を何度も繰り返す。

おおまかなサイトの模式図のような物は何度も作っているのだが、ページを作るうちに新しいコンテンツの分類が思いつき、結局は始めからやり直す事になる。目に見える所以外でサイトの構築はとても大変な手間を含んでいるのである。他人に任せているのなら気軽に変更を口にしてしまいそうだが、それがどのくらいの甘えを含んでいるのかを、作った事の無い人は永遠にわからない。

新しくfinal process と言うカテゴリーを追加してプリントに関する定着から水洗、乾燥の手順を記述する事にした。最初は考えていなかったのだが、プリントのケミカルを書いていると、資料と言う物はたとえオリジナルでは無くても、関連上具体的に記述しなければならない部分も在るのだと感じるようになり、簡単ではあっても全てを記載する事にした。

サイトの更新を促すメールが特に多いのはフィルムの現像に関する事、マスキングプロセス、意外なのがドライマウントなどのフィニッシュに関する物だ。まずはフィニッシュを終わらせて次はマスキングの実際を具体的に作品に合わせて解説したい。

僅かしか結果を生まない一日だったが、やっと悩んでいたデジカメを注文した。コストパフォーマンスで取りあえずニコンを買う事になったのだが、デモ機を借りてテストをしなかったのでかなり不安な部分も在る。それに加えてソフトが別売なのでそちらも注文しなければならない。

撮影の無い時間をどう過ごすか時々不安になる事が在る。スタジオで人と過ごしている時は何も感じないのだが、暇な時程自分が試されているようで落ち着かない。


4/17 午後から昨日の続きでいろいろと資料を調べる。ケミカルについての資料だが、新しい物で気になる物もある。最近NYの写真家から頂いた情報で新しいClayton のアーカイバル フィクサー (Archival Fixer )に関する物があった。最近聞くようになった言葉だが、以前からB&Hで扱っていた Photographer's Formulary にも近い記述のTFー4と言う物がある。

定着液に関しては海外ではいろいろと新しい物が出回っているのだが、Archival Fixerと言われている物はまったく別の物のようだ。気になって資料を調べているのだが、少し時間が掛かりそうだ。


4/16 昨日に引き続きケミカルに就いていろいろ調べる。現在はネットが普及していて便利に、、、などと思ったが、写真の化学に関する事など専門的な事になると、専門的な書籍が役にたつ。

もちろん最新の情報は載って無いが、私のやっている事など古典に近い物なので古い資料が役にたつのもうなずける。当時の書籍を見ていて驚くのは、その値段の高さだ。一枚の写真も載っていない専門書が1万円近くもしている。現在でも専門書は高いのだろうが、当時の私の生活費からすれば1ヶ月分の食費に相当する。

逆に今なら買わないとも思えるのだが、当時は本を買うのがもっとも手っ取り早い知識の窓口だったのだから仕方が無い。今迄役にたってやっと元が取れた。

書籍を調べているとあまりにも知らない事が多くてびっくりする。実用的な知識では無いが多くの選択肢がある事に驚く。なかなか先に進めない。


4/15 渋谷で買い物を済ませた後帰宅し、午後からはずっとサイトのページを作り続ける。一般的なケミカルの部分なので受け売り的な感じがしてあまり気が進まないが、プリントのケミカルには、わたし独自のやり方と言う物はあまり無いので仕方が無い。

幾つかの資料を調べ、処方に誤りが無い事を確かめながらテーブルで表を組んで行く。HPそのものは全てテーブルで組んであるのだが、表を作る事が今迄はあまり無かったので、かなり色々なトラブルがあった。IEでチェックしている場合は問題ないのだが、NSではところどころセルの幅が指定できないのである。

無視してしまいたかったのだが、先日渡米した折に意外と海外でもマックユーザーはNSを使っている事を知った事もあり、かなり長い時間いろいろ試してみたのだが結局テーブルで組む事を断念。部分的に画像データを使う事にした。

昔の資料を調べていると色々な発見がある。それが引き金となり、いろいろ調べているとなかなか捗らない。


4/14 NYの展覧会が始まってから英語でのメールのやり取りが多くなった。通販などの事務的な物や技術的な問い合わせ。逆に展覧会を見てくれた人からメールをもらう事も増えた。どんなに時間がかかっても必ず返事を書くようにしているのだが、先日バージョンアップした翻訳のソフトはとても使い易い。

色々な道具を使う事で、技術と言う事では無く言語に対するストレスが軽くなり、重い腰が動くと言った感覚だ。WEbサイトに関する問い合わせも多くなった。今は空いている時間はサイトの製作に使えるのでできるだけ多くのコンテンツを完成させて行きたい。

昨日頼んであった新しいデジカメの見積もりはニコンよりもキャノンの方が割安な感じがする。ニコンのD2Xは安く無ければあまり触手が動かない。つなぎとしての手軽なギアと言った感じなのか。海外での値段の高さからすると、国内ではお買得なのだが、私の用途からすると妙に力不足に感じる。それだけデジタルのカメラへの思い入れは大きい。

昨日撮影したデータは意外と処理が簡単で20カット以上をほとんど午前中で処理してしまった。午後の空いた時間に色々な物を洗濯した。久しぶりに天気が良い。部屋中のマットやラグ。シーツなど大きな物ばかり。今日は乾かなくても明日も天気が良さそうだ。

しばらくぶりに点検に出した車は意外な所が壊れていた。オイル漏れなどシリアスな部分は自分で点検するののだがウィンカーの球切れなどは盲点だった。たまには人に見てもらうのが良いのだろう。もう少し価格が安くても良いのだが、、、、点検の仕上がった車を受け取ってそのまま納品に廻り、8時頃帰宅。


4/13 午前中からデジタルで児童書の為の沢山の物撮をする。現在のカメラに不満は感じていてもデジタルである事の便利さには変えられない。途中電話でカメラの見積もりを頼む。

今回はクローズアップの撮影が多く。得にCCDの小さいカメラは非常にシャープで都合が良い。RAWとJpgをそれぞれ違うメディアに記憶しながら、ポラ代わりにコンパクトなプリンターで出力をすると言うやり方にもだいぶ慣れて来た。

終了した後ディーラーへ車の定期点検。近くの店に寄って知人の近況などを聞きながら少し飲み、深夜に帰宅した後データのバックアップを取る。インデックスを出力していたらまたプリンターの調子が悪く今日はイエローが出ない。


4/12 午後2時過ぎには自宅に戻りWebの作業を進める。ケミカルに就いて書かなければならないのだが、ペーパーに関する物はあまり無い。むしろフラッシングやマスキング、そんな部分が今の技術をささえているように感じる。

現在のように印画紙の銀量が減ってしまっては、ケミカルで対応できる事など極僅かだと何時の間にか悟ってしまったのだろうか。しかし自分の中でブームが去っているだけで決して無駄な知識では無いと思う。しかしあまりに古臭く自分で試した時の記憶が釈然としない物はサイトで紹介するには忍びない。

逆に言えば今でももっと多くを試すべきなのかも知れない.


4/11 久し振りの雨。外に出てみても思った程寒く無い。もう春だ。午前中は預かっていた物撮を少し。午後からは本番の仕上りを待って納品。相変わらず休み明けは現像の仕上りに時間がかかる。

昼食は渋谷で讃岐うどん。久しぶりだった事もありとても美味しく思った。中目黒にあった店は相次いで潰れてしまったが、ここの店程美味しくは無かった。普段スコッチしか飲まないのだが、バーボンを2本衝動買いして自宅に戻る。値段がとても安かったから、、、、、

夕方早めの時間に帰宅しWebの新しいページを作りはじめる。これから少し暇になり、連休ぐらい迄にはプリントに関するスタンダードな部分を完成させたい。最近の私のプリントは、ケミカルに頼る部分が少ない。以前は色々な処方を試していたのだが、今日調べていると最近のデータは推賞されている処理の作品がほとんどだ。ネガの作り方が完成された事、マルチグレードペーパーの使用などがプリントのケミカルを簡素化して来たと考えられる。

紙質の汚染なども含めて現在のペーパーで2欲の現像など、普通には薦められた物では無い。以前は再現性のない技術に抵抗を感じていた事もあり、プリントの作業をできるだけ機械的に処理する事に関心があった。その成果として、現在のネガ作りや、マスキングに因るプリントがあるのだが、もし1点しか作らなくて良いならば、これが最良の方法かどうかは自分にも解らない。

あまりに覆い焼きの行程や現像処理が複雑になると集中力の持続に限界があり、同じ物が二度と出来なくなってしまう事がとても嫌だった訳だが、機械的に処理した物には何か別の感覚的な手抜きがある。ある意味上手く仕上がればばここ迄できれば良いと言う心理的な逃げ場が出来てしまうのか、、、

あく迄私自身のテクニックを記録しデータベース化する事が目的なので、処方の羅列になっては意味が無いと思うのだが、取りあえず現在は作例のない過去の方法もプリントに関しては紹介した方が良いのではと思い始めて来た。多くの選択肢の中で学ぶ事は意外と多いと思う。私自身も今が最良では無いのだから。


4/9.10 2日続けて自宅に人を招き酒を飲む。9日は朝明るくなる迄飲み続け、10日は程よく12時ぐらい迄。外は花見客で身動きが出来ないし、暗くなってからは自宅で飲むのが丁度良い。この部屋からも遠くに代官山の桜が見える。3年越しの大島でもらった椿の苗もきれいな花を一つだけ付けている。

4/8 午前中から児童書の表紙を2本。1本目はセットが複雑で時間もかかったのだが、3時過ぎから取り掛かった2本目は簡単で夕方には終了。小道具の返却や現像のテスト出しなどを終えて珍しく9時前に帰宅。花見客はピークに達しているようだがまだ時間が早く、静かでマナーが良い感じ。

ポストに入っていた住宅取得税の請求書で一気に憂鬱になったが、封をきらず姑くは忘れる事にする。NYの展覧会も半分を過ぎた所だが、あまりに距離があり実感が湧いてこない。逆に言えば会期中にもかかわらず何もする事が出来ないのは空虚な虚脱感のような物を引き起こす。

とても長い時間をかけて育てた物が自分の手許から離れたところにあり何も出来ないと言う感覚は、受け入れるべき物なのか、それとも拒絶すべき物なのか?次から次に新しい物を生み出して行く感覚は、この喪失感とも言えるもやもやした感覚の向こうににある物なのか?

自分に出来る事は限られている。成すべき事で無く、出来る事をするのが最良だと思うが、未だ会期中だと思うと次の一歩を踏み出す気持ちにはなれないのかも知れない。空虚に見守っている今迄に無い複雑な感覚だ。

珍しく数日酒を飲まなかったので、色々と考えていたのだが、今日はビールとウィスキー。ローストビーフでキムチで巻いて食べてみたら意外と美味しい。気持ちが明るくなり、何人かに長い電話をする。


4/7 9時過ぎにスタジオに入り荷物の到着を待つ。午後2時ぐらい迄はメインカット、食事を済ませてからはデジタルでサブのカットを撮る。思った程時間はかからず、夜10時前にはデータの処理も終了。

風が強いせいか昨日より花見客は少ない。一昨日、石が倒れて来て傷を負った右足もだいぶ痛みが無くなった。

先日テストをして購入を考えているK社のデジカメだがアメリカでの価格は下がりつつあり、メーカーから1000ドルのリベートが付いている。つまり国内との価格差が2000ドル以上もあり、なんだか国内で買うのは時期が悪そうだ。早急に必要なのだが、通販で買うには金額がが高すぎる。それとも機種を変更して取りあえず安いニコンでも買うべきか、、、?ニコンのカメラはアメリカで異様に高く日本で買うと逆にお得な感じすらする。

カメラに関してはその仕事の仕上りと手間が機種によって大きく左右される。つまりその人の仕事によって最良のカメラはまちまちである。私の求めるポイントは画質に於いてはナチュラルな色再現、ハイライト側のフィルムに似たグラデーションと言った所。自然光や長時間露光もできれば重視したい。書き込み速度などは普通であれば良い。

今使っているカメラはとにかくハイライト側が弱い。常に画像を調整し、エリアを選択して彩度などを調整しなければならない。シャドーのノイズやトーンジャンプなども常に気を使う。できれば今度はニコンにはしたく無い。


4/6 ここしばらく探してた去年の写真のデータを使っていなかったノートパソコンの中からやっと見つけだした。何台もPCを使っているとどこかにあるだろうと思って消去してしまう事もあり得るのでひとまず安心する。昨年2月頃、東北で撮影したデジカメのカラーデータである。

久しぶりに幾つものハードディスクを検索したら随分無駄なデータも残っているようだ。

遅れていた経理を済ませ、明後日の撮影で必要となったベースボードを東急ハンズ迄買いに行く。夕方の人通りの多い時間帯で帰りは1メートル四方の厚いボードを運ぶのはかなり無謀だったと後悔する。

そんな事でかなり疲れて帰宅したのだが家の周りが花見客だらけで、なんだかイライラした気持ちになる。疲れている時の感覚は複雑な物だ。子供の頃はとにかく祭りとか人の集まる所が好きだった。普通の子供なら皆そうなのかも知れないが、10代になって写真を撮るようになっても地方の祭りなどはよく撮りに出掛けた。

当時の私の家族には出歩く事を極端に嫌う風潮があり、それだけで私は蔑まれていたのだが、外からは何も学べないと言う母と姉の感覚からだったのか、、、出歩くよりも本を読めと言うような台詞を毎日のように聞かされた。普通の家族のように家族単位で食事に行く事などまったくなかった事を考えるととても寂しい物だ。

それとは関係ないのだがこの花見の人通りも自宅の前だと少し煩わしい事もある。まず車を駐車場から出す事も、入れる事も姑くは出来ない。別に通行止めでは無いのだが道中に椅子を出して酒を飲んでいる人達を退かす事は忍びない。以前夜中にやっと帰宅したら座り込んだ花見客が車に椅子をぶつけて来た事がある。自転車のカゴにゲロ、と言うのも記憶に鮮烈だし、屋上や廊下も同じような被害を受ける。

週末には気持ちが落ち着いて花見気分も味わえると思えるのだが、本当に美しいのは夜では無くて朝だ。


4/5 とても暖かく気のゆるむ一日。自宅の前の目黒川も桜が咲き始め花見の人達が多くなって来た。去年は忙しかったこの季節だが今年は大きな仕事の動きは無く、細かな用事をだらだらと進めている感じである。

撮影が無かったのでスタジオの片付けがてら、暗室で使うドライマウントのクーリングウェイトに丁度良い大理石盤を探していたのだが、(スタジオには宝石や貴金属の物撮りの為のベースに使う色々なサーフェイスがストックされている)何気なく探していた大きな石盤の手前に立て掛けられていた石盤が3枚、私の足に倒れてきて思わぬ怪我をしてしまった。

何とも間抜けな話だが足にぶつかる迄まったく気が付かなかったので、3枚の衝撃を一枚ずつ向こうずねで受け止める事となった。逆に一度に倒れていれば骨折したかも知れない。厚いGパン越しに打撲を負い、動かすのに支障は無いが、この場所はとにかくぶつけると痛い所である。

その後はまったく仕事もする気にならず、よろよろとスタジオでネットの検索などで気を紛らわす事になった。先日NYでB&Hの店鋪にも出掛けたのだが、それぞれ日本より高いもの、安いものと、値段の格差が面白かった。通販を常用している人には数字として理解できていると思うのだが、現場で見てみると、これだけの需要があってこのアイテムが安いのだと、その底辺にある文化の違いを含めて理解する事ができる。

とにかくアイテムが多く価格が安いのは写真のフィニッシュに関する用具。オーバーマットやマウント用具、カッターやレタッチ用品からフレームと言った所。これは常に写真を飾る事が文化の一部であり、写真イコール飾る、と言う需要に因る所が多いのだと思う。

逆に高いのは精密な光学機器などの日本製品。ニコンの引伸しレンズやピークのスコープなどはかなり高価だ。ドル安の影響もあるのだが需要的に安い物でも事が足りるのであく迄高級品と言った所かも知れない。カメラでは無く、写真に関わる物がこの地では需要があるようだ。店頭に並んでいる物を見る事で現状を把握できる事は他にもある。たとえば印画紙、色々な物が販売されているように思っていたのだが、実際にストックされている物は極僅かである。価格は日本よりも少し安い。

もちろん通販の需要が殆どだと言う事は解るのだが、このマーケットが確実に減少している事も事実だろう。意外な事にインクジェット関連の物も想像していたよりは少ないように感じる。あく迄主観だが、、、、、

資料の書籍などは結構充実しているように感じる。ケミカルのジャンルで写真を学ぶには日本には良いテキストが一つも無いように感じる。それは技術から、ハードから学ぼうとする国民性が作り上げた物なのだろうか?もちろんそこにはレベルの違いもある。そのレベルとは技術でも、ハードでも無い。

私自身が感じる事は写真を飾る事、鑑賞する事の文化のレベルだろうか。歴史的な基盤と言う物はとても大きな影響力を持っている。この地にはそれらの全てが備わっている。日本でも写真を楽しむと言う環境がやっと細分化し色々なジャンル別に学ぶべき場所も出来はじめたように感じている。これからと言う時にもう少し銀塩が持続してくれれば良いのだが、、、、、


4/4 昨日の国際写真サロンに関する結論は出ないのだが気持ちは幾らか楽になった。それぞれに真剣に取り組んでいる物を秘宝館と揶揄するのもどうかと思い反省した。色々な写真を見る中で迫り来る壁のような物を感じてつい、本音が出てしまったと言う感じである。

何かを目指す感覚は皆真剣な物である。問題はそれを統括する側にある。本来ならば私もその側にいるべき人間かも知れない。何も出来ない心の痛みが自分を混乱させているのだろうか。

NYの展覧会も2週目が終わり3週目に入る、そろそろ見ていただいた方の情報も伝わり良い結果を期待できるのではないだろうか。検索にかかるコラムやブログも好意的でとても嬉しく思っている。気候もだいぶ暖かくなったようだ。

先週末B&Hに注文したTP4415の4x5フィルムが今朝UPSで自宅に届いた。あまりに早くとても嬉しかった。スタジオの冷凍庫に運ぶ為に自宅から段ボールごと抱えて運んだのだが、道すがら、町並みのガラスに写る私の顔は何時になく嬉しそうで更に幸福な気持ちになった。写真家の幸福などささやかな物だ。


4/3 新宿に出掛けたついでに幾つかの展覧会を見る。気になったと言うか考えさせられる事になったのは「国際写真サロン」この催しが現在迄続いていた事を私は全然知らなかった。ジャンルが細分化された現在の写真界にあって勝手な想像で、とうに消滅していると思い込んでいたのである。

60年代や70年代には色々な意味で上質な写真を掲示する役割を持ってたのかも知れないが今となっては妙に艶かしく、逆に何かを見せつけられているように感じる。

どんなに現代の写真家が頑張っても、それを見る一般の人にとって「写真とはこういう物なんですよ」と教えられているようで頭の中が混乱して来る。私の作品もこの中の作品と同じ要素を持っているように感じてみたり、あるいはそう受け止められても仕方がないように諭されているような、、、、、

もちろんいつも感じる事なのだが、アマチュアの作品の一部はある上質な物へ、緩やかに流れて行っている。しかしその上質さを百貨店のようにまとめて全ジャンル見せられると私の感覚は混乱し何かを失いそうだ。

ふらふらした感覚で会場を後にする。この写真の秘宝館は私に何を見せつけるのか?結局ここが人間の本質なのか、、、、?


4/2 先日から気になっていた電子辞書を購入。3万円程の出費だが、何とか音声に対応しているものを手に入れた。渡米前に購入した物と比べると随分大きいが、音声対応である事を考えれば仕方がない。家で使うには丁度良い大きさでキーを押すミスが前の物より少なくなった。

現在の電子辞書はとても細分化されていて、英語に関する物だけでも同じメーカー、同じ価格帯で数多くの違った辞書バージョンが多数存在する。私が選んだのは結局その中でもっともレベルの低い高校生用の物なのだが、それでも必要にして十分すぎる物である。できればバックライトの照明を付けて暗い機内などでも使えるようにしてほしいのだが、、、立続けの出費で辛いのだが、必要な時に買わないといつまでも手に入れる機会を逃してしまいそうだ。

続けて、英語つながりだが、翻訳ソフトの新しいバージョンを通販で注文した。これは今迄使っていた物がOSに対応していなくて、昨日ついに使えなくなってしまった事に起因する。昨日迄は何とか使えていたのだが、98時代の物なので動作はかなり限られていた。新しくなったソフトにかなり期待している。在庫切れで届く迄に少し時間は掛かりそうだが、、、、、、


4/1 やっと撮影の無い一日。10時前にスタジオに出掛け納品の準備。昨夜、夢の中でマネージャーやジャーナリストとのミーティングで私のプロフィールに写真が必要なので、こんな写真を用意するように、と言ってサンプルの変な写真を見せられ、不思議に思っている所で目が覚めたのだが、そんな話をポジを取りに来たクライアントに話していたら、彼女は大津波に襲われる夢を見てとてもも恐かったと言う話をした。

不思議な事に彼女が帰って、メールをチェックしていたらNYのギャラリーから「雑誌の取材があり至急私の写真を送るように」と言う連絡があった。あまりのシンクロにシティーに唖然としたのだが、これもたまたま客人に話をしたから現実として認識できたのだが、誰にも夢の話をしていなければ、きっと私は夢の事は何かの勘違いだと思って忘れしまった事だろう。似たような事が最近他にもあったような気がする。

とにかく自分が写っている写真は少ないので何とか選んで送る事にしたのだが、どう言うイメージを人は私に対して抱いているのだろうかと考えていると、なかなか決められなくなってしまった。

たとえば繊細なイメージ、それとも精力的に作品を創り続けるエネルギッシュな感じ、、、、、写真を探しているとその一枚で私はそれぞれ違う人間に見えている事に気が付いた。パワフルな時も畏縮している時もそれぞれ人にはある訳だから仕方がない。逆に言えば写真そのものよりも、私がどれを選んで提示するかに意味がある事になる。最近気になっていたテーマなのでちょっと納得する。

もう一つ進展した事がある。ここ姑くB&Hでout of order になっていたTP4415の4x5フィルムがなぜか入荷すると言うメールが届いた。このフィルムは随分前に製造中止になっているのでもう手に入らないと思っていたのだが、少しづつ在庫の供給が続いているのだろうか。早速ネットでオーダーを入れたのだが、日本に届いてみなければ安心は出来ない。

海外通販にしては高額な買い物だったので、すぐにカード会社から携帯電話に確認の連絡があった。偽造カードに因る被害が海外で多発しているトの事。確認されて安心はしたのだが、かえって不安にもなる現状である。


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