2月
作者近況 1月 12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月以前

3/31 昨日迄の疲れが在るのだが、ここ数日の習慣なのか遅く迄は寝ていられない。掃除や洗濯などの家事を済ませながら、再配達の宅急便を待ち、テストを出しに現像所に向ったのは10時頃、テストの仕上がりをチェックして本番の指示を出したのは1時過ぎ、そして全ての本番が仕上がって来たのは5時を過ぎた頃である。

今日のスタジオでの撮影は書籍の表紙用の立体イラストが4カット、それほど時間のかかる事もなく、今日の自分にはこのぐらいの仕事が限界なのではと密かに考える。夕方に仕上がって来た昨日のロケのフィルムはそこそこ満足の行くもので、初めて仕事に区切りが付いて行くのを感じる。他の人の事は判らないが、自分自身は撮り終わった時よりも、フィルムが仕上がって来た時に達成感を感じてしまうのには幾らかの必然性も在るのではと、感じている。

明後日の予定だった、ロケのリテイクは、天候の都合から明日決行する事となった。今日仕上がって来たほかのフィルムが満足の行くものだったので、明日の残りのカットに関しても何とか良い結果を残して終わりたい。

今日の撮影のあと、仕事で一緒だったイラストレーターと、彼女の親友の絵本作家を交えて自宅で夕食を取る。気を使う事無くお互いの話の出来る人間はかなり少ないと思うのだが、今日は全員の波長が何だか調子よく噛み合っているように感じる。

明日は再びロケである。予算の事も在り、ロケバスでなくうちのワゴンで出掛けるのだが、明日こそは全てを良い結果のうちに終わらせてみたいものである。昨日のロケバスの話では距離は400キロを猶に超え、ここ姑くの間にその場所に向うのは既に4回目になってしまった。私自身にとって、この行為が苦痛ではない事を、不思議な目をして観察しているもう一人の自分の存在を微妙な気持ちで感じている。


3/30 AM5:30 機材をロケバスに積み込んでアシスタントと供にスタジオを出る。6時には表参道で他のスタッフと合流し総勢十名をこえる為、ロケバスも物撮りにしては珍しく20人乗りのものを手配している。

今回のロケは海外のアウトドアブランドのイメージカットの撮影で、撮影直前迄に2回のロケハンを行った。その中で私の考えているイメージは、1つはノルウェーのような北ヨーロッパの湖畔の林を考えており、もう1つはアイスランドのような赤と黒の世界の火山に近い荒涼とした大地を考えている。

それらのイメージに合い、予算内にロケの可能な所と言う事で、群馬、新潟、長野の県境に近いこの2ケ所を選んだのだが、都心からは4時間近くかかり無理矢理日帰りと言う過酷なスケジュールになってしまったのである。

ただ1つ不安の材料だった天候は当初考えられないような好天ですっかり不安を忘れ去った頃に、大粒の雨の降り出す最悪の状況へと変わり、2時を過ぎてからは、雨よけの中で撮影を続けるものの、とても私の考えているメインのイメージカットを撮れない状況のまま6時の日没を迎える事になってしまった。

最後迄天候の好転を待ち続けたのだが期待は裏切られ、最終的な判断で後日仕切り直し、残りのカットを取り直すと言う悲しい結果で終わる事となってしまった。今回のイメージに関しては予算が私の取り仕切る部分である事も在り、利益を除外しすればこのようなリテイクも可能では在るのだが、好意的なスタッフや、クライアントの意向に今回は感謝させられる所も非常に多い。

先日からの過酷なロケハンの結果を少しでも良いものにしたいと言う私のわがままも在る訳なのだが、結果をあげる事に今は集中しあまり余計な事は考えたくない。


3/29 納品の為のデータを朝から作り、請求書の発送などを済ませているとあっという間に午後になってしまう。午後からは今日の夜からのロケに関する打ち合わせや、納品などに廻らなければならない。午後2時になってやっと明日の撮影のゴーサインが出てペンディングになっていたロケバスや、アシスタントなどのスタッフ、ロケ場所の使用許可や機材のレンタルなど、具体的な連絡が一気に進められるようになった。

場所に関しても2転、3転してしまったのだが、早朝のカットを撮らなくて良くなった為、出発は午前5時半と普通のロケのレベルとなり、今日の夜から出発する必要が無くなりスケジュールや予算的には楽になった。

昨日からの疲れはさすがに少しもとれる気配がなく、今夜少しでも眠れる事は本当に助かった感じである。機材の準備にけっこうな時間が掛ったのだが、少しは自宅で眠る事が出来る。


3/28 4時前に起きて五十里湖に戻り夜明け前に湖面の状態をチェックする。最近は5時には明るくなり始め、6時には完全に夜が明ける。気温は氷点三度、条件が悪く流れ込む川に水蒸気など上がる気配はない。現場に着いてみて驚いたのだが、先週のロケハンの時よりも水位が2メートル近く上昇しており中州そのものが全て消滅していて完全にロケができない状態になっている。

これにはさすがにがっかりさせられたのだが、直前にロケハンに来た事がせめてもの幸いと考えるほかはないようだ。照明の機材や電源なども全てここに合わせて考えていただけに、失望は隠せないのだが、火曜日の本番前に気付いた事がせめてもの気休めと行った所なのかも知れない。

このメインのカットの為に私が考えていたもう1つの場所は、草津周辺の河川敷なので、急遽そちらの確認の為に車で移動しなければならない。新しく可能性の在る場所を探りながら、やっとロケ場所の状態を確認し草津を経由して帰路に着いたのは5時を過ぎた頃。ここに来て今日の関越道の渋滞は本当に恨めしく思われ、しかも深夜に自宅に着いた時には目黒川の夜桜の花見客で車を駐車場に入れる事ができなくて長い時間待たされる事となり疲れた体にはけっこうな仕打ちを食らった感じである。

30時間近い今回の旅で走った距離は1000キロ近く部屋に戻ってからも目眩で立っていられない。明日の出発の前にあまりにもやらなければならない事が多く気が遠くなりそうで在る。


3/27 午前中は昨日迄の片付けや昨日のデータのバックアップに追われ、最近連絡のあったINPMの為の写真をセレクトしやっとメールで発送する。三時過ぎになってやっとロケハンに出る事が出来、渡良瀬川周辺のロケ場所には何とか明るい内に辿り着き、長靴をはいて現場付近の水深を調べ機材やセッティングの可能性を調べる。川の流れの中からの撮影になる可能性が大きいので、先日から水深の事は気になっていたのだが、先日の雨でかなり水量が増えて私が用意した長靴では完全に水が入って来てしまう。

水深に関して更に気になっているは、今回最も重要なイメージに使うダムの中州でロケなのだが、水位が上がっていない事を願いつつ福島迄車を進め、会津に泊まり夜明けを待つ。


3/26 午前のスタートがややゆっくりなので家を出る時間には余裕が在る。雨が上がり、機材の運び出しも比較的楽で撮影そのものも思っていたよりは難易度が低く予定していた6時前に、レンタルのスタジオを出る事が出来た。

スタジオに機材を戻した後、渋谷の現像所に出掛け、8時過ぎにはテストの仕上がりをチェックして本番の指示を出す。今週は殆ど毎日が撮影でそれ以外の時間も打ち合わせや納品に終われていた為、金曜日ともなるとさすがに体が動かない。先日迄の仕上がりの発送に梱包の材料を探していたのだが、要領の悪さに自分の疲れを再認識させられてしまう。

昨夜ほとんど眠れなかった事も在り、夜遅くなってからは仕事の効率はますます悪くなり、焦りばかりのしかかって来るのだが、これを打ち砕くには明日から再びロケハンに出て一歩でも仕事を先取りする事だけが、自分にできる事のような気がする。

撮影は場所と経験が非常に大きな要素を占めている。先日事情を飲み込めない知人から、ロケ場所などは専門の会社にでも探させれば良いではないかと言われたのだが、情報としての必要性は認めるのだが、自分で見てもない場所で、どんな写真がとれる物なのか問いつめてみたい気持ちである。私にとって撮るのは一瞬であっても常にそれは無限の時間の詰み重ねの上に在る。


3/25 午前中は銀行に出掛け、込み合う前に全ての入金を済ませる。とにかく雑用の多い一日で食事を取るのもついつい忘れてしまう。明日の小道具の引き取りや、夜になっても昨日迄ののデジタルのデータ処理なども在り、一日中仕事に縛られているような強迫観念が付きまとう。

来週のロケのスケジュールが決まった事に伴い、ロケバスや機材のレンタル、アシスタントやスタッフの手配などをやっと終わらせたのだが、全てが終わった夜になってクライアントからスケジュール変更の可能性を知らされて、かなり脱力してしまったのは隠せない。特にロケバスは、三月の期末期に当たり込み合っているのを無理を言って手配を済ませただけに、私の信用はがた落ちである。

イライラした状況には、ゆったりした食事や、旨い酒でも在れば気分が持ち直すのかも知れないが、今日一日にそれを望む訳にも行かず、次の旅にでも期待を繋げるしかないのが現状。


3/24 カタログ用の商品の撮影で午前中からスタジオに入る。カット数は少ないのだが試行錯誤でけっこうな時間が過ぎて行く。朝は幾らか日のさしていた天候も昼食に出掛けた辺りから陰り始め、かなり本格的な雨の降る一日になってしまった。

寒さのせいで肩の凝る一日。風邪ぎみなのか、くすりを呑んでやっと仕事に集中する事が出来る。昨日のフィルムが午後になって現像所から仕上がって来たのだが、満足の行く物でホット肩をなで下ろす。色々な形でテストをチェックしていても、本番が仕上がる迄は気が抜けないのは皆同じなのではないだろうか。

夜になってからは2件の打ち合わせと、納品に青山に出掛け、現像所に寄って帰宅する。来週のロケのスケジュールがやっと決定し、明日はロケバスの手配など準備に追われる一日になりそうだ。目黒川の桜が寒さの中でやっと咲き始めている。


3/23 昨日雨の中で機材を運び込んだ為スタジオの中を片付けなければ今日の撮影の準備が進められない。朝早くからスタジオに出向いたのだが現像所とのやり取りや打ち合わせの電話が多くなかなか片付けが進められない。そんな焦りの中で始まった一日だったのだが、実際にはスケジュールに遅れが在り丁度良いスタートとなって自分なりの時間の流れの中で一日の撮影をこなす事が出来た。

今日は知り合いのガラス工芸の作家の作品を、展覧会のカタログ用に撮影する。この仕事はここ最近私が考えているアーティストをサポートするプロジェクトの足掛かりを兼ねて引き受けた物なのだが、内容としてはかなり充実した物になったのではないかとの手応えが在る。作家の作品を展覧会のDMや、カタログなど色々な機会ごとに撮影して行く。そんなアート作品の為の写真館のような場所を作って行きたいと言う私の考えが、いつかはビジネスとして展開できるのではないかと言う試行錯誤の部分が含まれているのである。

今回のガラス工芸の作家の作品は展覧会のカタログ用のものだったのだが、おおまかな所三点からなるシークェンスのイメージを一枚の写真で何処迄表現できるかが最も大きな問題点である。誕生をあらわす生の部分、成長の表現の壮の部分、そして熟成を経た形態の極みの老の部分がそれぞれ1つの造形の中で表現されているので在るが、写真の中では最もエネルギーをあらわさなければならない中間の壮の部分がどうしてもスタティックに見えてしまうのである。これは彼女の作品に問題が在る訳ではなく、写真独自の特性による物だと思うのだが、ダイナミックにエネルギーが表面に溢れている物程、凝固して完成された形に写ってしまう事に起因しているのだと思う。

結局、そのバランスを逆に表現する事、つまり、生と死の中に、エネルギーの根源が在るような表現に近付けてしまったのだが、その真意は今現在、自分の中では曖昧である。


3/22 雨の中、機材を運び出し宝飾品の撮影に向う。高額な装飾品の為全ての機材を搬入し、店鋪の地下で撮影する。一点数千万円のアクセサリーは最近ではめったに撮影する事は無くなったのだが、久しぶりに見てみるとやはり価格の高い物はそれなりに美しい。今回の撮影では比較的デザイン性の高い物が目に着くようだ。

10数カットの撮影は8時過ぎに終了し、搬出に時間が掛った為スタジオに戻ったのは10時頃、雑用を終えて自宅に戻ったのは12時近い時間である。久しぶりの冷たい雨で、機材の積み下ろしにけっこうな労力を使い遅い時間だったのだが、ビールにウィスキーと色々な酒を呑まないと疲れが取れない感じがする。

明日の撮影の打ち合わせを電話で済ませ、今日一日の仕事の進め具合に就いて少し考える。宝石類は比較的好きなジャンルなので仕事中にプレッシャーは感じないのだが、もう少し自分の世界に引き寄せても良かったのではとの思いが脳裏を過る。


3/21 朝10時頃、玄関のチャイムがなるが、煩わしいので無視する。電話がなっても出る事も無く、1日中柔らかい時間の中で過ごし、何度か料理を作る。夜になって明日の撮影の機材をスタジオでチェック。全てが旨く行くのではと、考える程にリフレッシュしている自分を感じる。先日のように憎悪を感じる事が無いのはなぜか?

3/20 深夜、寺山修司の『書を捨てよ、町へ出よ』を、久しぶりに見始めたのだが、三時を過ぎた頃意識がもうろうとし始めて、終了少し前の所で断念する。以前何度か見た映画なのだが、印象に残っている脚本に加えて、映像にもかなり気になる部分を発見して興味深く感じる。

3/19 10時からの撮影は昼食を挟んで三時を過ぎた頃には全て終了する。月曜日の機材をかなりの時間を掛けて用意して、昨日手に入らなかったガラス板を買いに出掛け食材を買って8時頃帰宅。

自宅の前の目黒川の桜は今の所咲く気配は無く、まだ春は遠いように感じる。明日は祭日で現像所も休み。久しぶりにゆっくりする予定。


3/18 午前中からスタジオで商品撮影。機械的な作業なのでクライアントから預かった物も含め夕方前に全て終了し、現像所にフィルムを出しに渋谷に出掛け、東急ハンズに寄って帰宅する。

月曜日の撮影に使うガラス板を買いにビックカメラに行ったのだが生憎品切れで、明日撮影が終わってから、新宿迄出掛けなければならない。月曜からはけっこう忙しい。レンタルスタジオの手配やスタイリストとの打ち合わせなど電話での応対も多くなった。写真集の件がしばらく遠ざかっていているのだが、気持ちだけは次の一歩を探し続けているようなチグハグな感じ。

デパートの地下で安くなっていた螢イカを買って、黒糖焼酎の肴にする。洋酒党の私が唯一呑み始めた焼酎なのだが、まだ肴の選択肢が定まっていない。酒そのものもまだ旨味の部分に、自分の舌が届いていないようなもどかしさを感じて呑み方を探っている状態だ。


3/17 しばらく自宅で落ち着いて時間を過ごす事がなかった為、洗濯などの家事がけっこう溜っている。打ち合わせや撮影の準備の合間に自宅に戻り洗濯や、掃除などあらゆる雑用を時間を調整しながら済ませて行く。自宅と仕事場が近い事は本当に今の自分にとっては効率が良い。

昨日迄のロケハンの緊張感は少し落ち着いて、夕食は酒を呑みながら茸のチャーハンを作る。ベランダの掃除や家中の片付けで、何時に無く体中の筋肉を使ったようでかなりの疲れを感じるのだが、今迄の毎日からすると、何もしなかったような罪悪感が心のどこかに在るのは、私の魂そのものが異常なのだろうか?


3/16 昨日迄のロケハンの写真をセレクトしプレゼン用の資料を作る。午後からの打ち合わせに間に合わせなければならないのであまり細かい所は気にしていられない。結局10ケ所程の候補地にそれぞれ10枚程度の写真を出力し簡単なインデックスを作る。

場所に関してはプロダクションのスタッフの反応はまずまずである。私の気に入っている場所を使ってもらえそうなので取りあえず安心である。クライアントの反応に関してはまだ姑くは判らない。

三日間のロケハンで約1500キロを車で走った事になる。何処迄自分の世界に引き寄せられるのかは判らないが、ここからが仕事のはじまりである。


3/15 午前中に西湖、精進湖、本栖湖を撮影し今回の予定を終える。相模湖を経由して20号線を戻り、夕方前に武蔵小金井で友人の展覧会の最終日に何とか滑り込み、撤収を手伝ってから帰宅。

友人の展覧会は静かな住宅街のギャラリーで開かれており、抽象的な絵画と同じくオブジェを使った抽象的な写真との両方のコンビネーションで構成されていた。絵画はともかく、写真に関しては、なにか繊細さの重要な要素が1つ欠落してしまっているような気がしてならないのだが、絵画と比べて見るせいなのだろうか?その要素が何であるのかはすぐには思いつかなかったのだが、、、、、


3/14 吾妻川周辺を遡ったが良い場所に巡り合えない。野反湖方面に上がり尻焼温泉周辺でやっと少し面白い場所見つけしばらく撮影する。その後は草津を超えて、北軽の照月湖などを廻り八ヶ岳周辺の松原湖に寄ったのだが完全に凍っている。日曜の渋滞の中、何とか富士五湖迄辿り着き河口湖の道の駅で泊まる。すっかり忘れていたのだが以前に来た事の在る道の駅でとても懐かしい気持ちになる。

明日は周辺の湖を廻った後東京に戻る予定。


3/13 昨日着いた時間が遅かったせいで夜明け前からのロケハンはさすがにできなかった。使えそうな場所を2ケ所程撮影し、日光を超えて栗山村のダムを撮影した後福島へ、五十里湖の周辺を撮影してから檜枝岐へ向う。ここから先は雪も深く撮影は困難と考え、来た道を大間々迄戻り信州へ向い渋川の先の子持村の道の駅で宿泊する。

3/12 午前中は昨日迄の仕上がりを納品の為に出力する。フィルム現像の本番の仕上がりを待って午後からは三ケ所に納品に廻る。全て表参道周辺だったので少しずつ時間を繰り上げて、税務署の閉まる5時ギリギリに何とか確定申告の書類を提出する。

7時過ぎ迄は電話の応対なども在り、東京を発ったのは8時頃。渡良瀬川周辺から見て廻る予定なので今日は足尾銅山の近くで車内泊。


3/11 9時半からのシューティング。カット数は多いのだが、昼過ぎには全て終了し、現像所などに寄ってスタジオへ戻る。機材を片付けた後、自宅に戻りデータの処理を進め今日のデジカメの分もバックアップを取る。

途中何度か電話が在り本番の合間を縫ってスケジュール調整をしたのだが、夜になってまたしても変更の連絡が在り全ては無に戻ってしまった感じである。私を弄んでいる物はいったい何なのだろう?何が本当の仕事なのか時々判らなくなる。

明日の予定では先方の都合があわなくなった物が在り、なんとか夜の内に東京を離れる事が出来そうだ。ロケハンのメドをたてている所は色々あるのだが、そのうちの幾つかはネットで調べている内に候補から消えてしまった。かなり期待していた場所が、まだ湖が凍っている事と、企業の私有地になって立ち入りができなくなっている事が判り少しがっかりだ。とにかく東京を離れて場所を探したい。

仕事中自宅ののマンションの管理人から電話が在り、宅急便の荷物を受け取りに自宅迄戻らなければならなかったのだが、それは20年間足を踏み入れた事のない、郷里から送られて来たみかんだった。それを食べる体力は私の心には無い。


3/10 朝から一日中児童向けの月刊誌の撮影。技術的な難易度はそれほど高くは無いのだが、対象が児童なので細かい所に気を使う。表紙と中面の見開きに細かいカットを加えて10カットで終了したのは6時頃。終わってからも遅く迄明日の撮影の準備をする。明日は他のスタジオで料理の撮影。

自宅に戻り今日のデジカメのデータの処理を済ませた後、昨日から気になっているロケ場所の資料を探し始める。地理的な状況では関東以北の高原が良いのだが今の時期には未だ殆どの所は雪が積もっている。かと言って、九州や伊豆大島では植物の具合がクライアントの一向と噛み合わない。

来週には関東近辺でなんとか良い場所を探し出したいのだが、、、、今年は雪が少なかったので少しの期待は持っている。その事ばかりを考えているのだが、さしあたって、関東の今年の状況が判っていないので、週末にかなりの広範囲を廻らなければならない。


3/9 昨日に引き続きスタジオで経理の処理、午前中から何度か明日の撮影の小道具が届く。夕方前に青山迄2件の打ち合わせに出る。夜になってスタジオに戻り、打ち合わせで話の出た、ロケ場所の資料を探すのだが、中々思い当たる場所が無い。週末に時間を作って探しに出掛けるつもりだが、具体的な場所については未だ手がかりが掴めない。

確定申告はこの週末に提出できる所迄漕ぎ着けたので、それほどストレスにはならなくなった。毎年の事なのかも知れないが、三月は予算の締に当たるのでスケジュールが異様に詰まって来る。できれば写真集も今期末迄に形を出したかったのだが、やはり今の段階では無理そうで在る。


3/8 やっと帳簿が完成し去年の経理の全貌が明らかになる。売り上げ的には2割減、赤字の月が殆どだが、何とか貯えで、切り抜けている。売り上げはともかく、かなりの仕事を整理した事が自分の生活には大きくプラスになっている部分もあり、一概には言えないのだが、他の収入源を確保しなければ今年も同じようにと言う訳には行かないだろう。

自分自身への失望は集中力の低下である。モノクロのプリント作業に関しては何一つ良い結果を生んだ物は無い。去年撮った分もも含めてプリントを仕上げなければならない作品は貯まっていく一方である。実際に作業を進めていないとダークルームテクニックに就いても書き進める気になれないので、5月迄には写真集と個展の制作費のメドをたてて一気にすすめるつもりである。金の事ばかり考えていると限り無くナーバスになって来るのだが、実際個展の為の制作費のメドは無い。

時間に追われている時は資金不足を気にする事は無いのだが、なまじ自由になる時間が在ると、出来る事の選択肢が多すぎてつい、金の事ばかり考えてしまう。


3/7 昨日撮影した写真集のサンプルをプリントアウトしてサンプルの写真と供に資料のセットを作成する。サンプルは何部か造り、急ぐ物は今日のうちに郵便で発送する。写真の枚数が12点とやや少ない感じもするのだが、全てを見せない事が想像力を掻き立ててくれる事に期待する。

思ったより時間の掛る作業と、途中渋谷迄インクや封筒を買いに出掛けた為、全てが終わったのは夜で、今日は帳簿の作業は手をつけられない。


3/6 朝スタジオに出掛け写真集のサンプルそのものを撮影する。雰囲気を伝える為には全体像の判る写真も必要かと思い、急遽写真のサンプルと一緒に見本に加える事を思いついた。主要な写真10枚と供に組み合わせたデモンストレーション用ののサンプルセットを明日迄に何部か作らなくてはならない。

すっかり忘れてしまっていたのだが今日はIPPF(プロ向けの写真機材ショー)の最終日で、一度は出向かなければならないと思っていたので、あまり込み合わない午前中を目指し、慌ただしく池袋迄出掛ける事になる。必要だった資料を手に入れさっさと帰ろうと思ったのだが一様会場を一回りして目新しい物が無いかをチェックし、三菱のモニターや武雄のインクジェット用の紙などの説明を聞く。

会場は所どころに人だかりは出来ている物のそれほど込み合っている印象は感じない。やはり人気は新しいデジカメだと思うのだが、去年のコダックのようなとび抜けたモデルは見当たらない。フジのブースにも人だかりが出来ていたのだが、良く判らないまま会場を後にする事となったので、何時か詳しい人に聞いてみようと思う。

来週の撮影で使うバックペーパーを新宿で買い求め長さに気を付けながら電車でスタジオに戻る。未だ2時過ぎ、今日は長い一日である。深夜迄帳簿の整理を進め、記帳は全て終了し後は全ての計算をチェックしなければならない。


3/5 帳簿の整理は2日目となり幾らかペースは上がって来たのだが、未だやっと半分と言った所。スタジオにずっと詰めているとけっこう電話が掛って来て中断する度に何処迄やったか判らなくなる。

夕方からは知り合いのデザイン事務所で某代理店の人を紹介していただき、今回の写真集へのアドバイスを聞く。幅広い人脈は心強い味方である。久しぶりに代官山のイタリアンを御馳走になり、食の中で信頼関係は増幅する物だと妙に感心する。

プレゼンを開始してからほぼ三週間。この企画は色々な所の宙を舞っている。いつかはこの世界を理解し完成に導いてくれる誰かのもとにたどり着けるのだろうか?多くの人達に支えられてモチベーションを維持する事が私自身の活力の支えでも在る。いつも全てを自分だけでやってしまう私にとって、パートナー探しと言う物はまどろっこしく、つい弱気になってしまいそうなのだが、今回だけは乗り切ってみたい。


3/4 午前中から本格的に帳簿の整理を始め、1日掛かりで1/4を終らせる。明日からは幾らかペースアップするとしても週明けまでは掛りそうで在る。毎年の事だが、この時期になってから慌てたところで中々出来る物では無い。

夜になって渋谷まで、クラフトワークのライブに出掛ける。最近興味を持っていた所に、偶然チケットが手に入る話が在り、ものは試しで来て見たのだが、正直今こそこれを聞くべきだと、感動させられた感じである。私自身はテクノそのものにそれほど興味を持っていた訳では無かったので知らない曲が多かったのだが、感情の入り込む余地のない無機質ななサウンドが目まぐるしい日常を一掃してくれた感が在る。

ステージはミニマムの一言につきる感じで、背景のマルチプロジェクションが唯一の演出と言った感じなのだが、今の時代にあってはかえって新鮮で、下手に意匠をこらした映像で無い部分が彼等の存在を際立たせている。

テクノに限った事では無いのだが、時代の中に存在する音楽のあり方をいとも呆気無く見せつけられてあっぱれと言う感じの感動と供に会場を後にした。

三軒茶屋の知り合いの店で2時過ぎ迄呑み、久しぶりに近所のネコを見に寄ってから帰宅。ネコは寝ていた。


3/3 納品や片付けを終えた午後からは確定申告の為の帳簿の整理を始める。領収証のままで放置されている物が殆どなので帳簿を完成させるだけで猶に4,5日は掛ってしまいそうだ。売り上げの総額を計算していたらやはり今までで最低の結果となり、今年の方向性を早い時期に考え直さなければならない。

今日1日の仕事量は、普通のサラリーマンの暇な1日ぐらいだと思うのだが、緊張の無い1日はとても穏やかで優しい気持ちになって来る。もちろん最近のサラリーマンはもっと緊張しているのかも知れないが、、、明日からは本格的に計算作業に入る為こんな事は言っていられない。


3/2 昨日のフィルムを朝早く現像所に持って行く。今手掛けているのは月刊の5月号。入稿が遅れている為全てのスケジュールが詰まっている。来週には6月号、再来週には7月号と、4月に立ち上がる書籍はこの時期に一気に遅れを取りもどし、撮影も立て込んでいる。

フィルムの本番が仕上がったのは3時頃、渋谷の現像所に出向くと、どう言う訳か営業部長が対応してくれてフィルムにトラブルが合った事を知らされる。10数枚のフィルムのうち半数程に指紋や傷が付いた事の謝罪のようなのだが、かろうじて画面の中心からは逸れていたので、なんとか救済できる範囲で取りあえずほっとしたのだが、全てやり直しになりかねない恐ろしい事故である。1枚ならともかくも半数程にダメージが在ると言うのは、信用するなと言っているような物で呆れてしまうしか対応が思いつかなかった。

シートフィルムで撮影するものは、今となっては、本当に画面全体ののクォリティーが必要な物に限られている為撮影には最善の注意を払っている。そんな事は現像する側には分からない事なのかも知れないが、もう少し注意を払ってもらっても良いように感じるのは私だけだろうか?

確かに現像料と言うのは以外と安い物では在るのだが、、、、、

夕方時間が空いたので先輩のカメラマンの事務所を訪ねる事にした。あまり景気の良い話は無いのだが。ギャラの話になった時、安い仕事だと機材や気持ちの上でも、値段に見合った対応をついしてしまうと言う事で私も共感したのだが、フィルムの現像もグレードがあって1枚ごとに、値段が違っていたら私はグレードの高い処理を選ぶのだろうかと考えてしまった。1カットを撮影する為の経費はすぐに100万円を超えてしまう。そのフィルムが数百円の処理では心もとないのかも知れないが、近い将来フィルムの処理がさらに激減する訳だからシートフィルムなど、数1000円掛る様になって不思議は無いのかも知れない。

価格では無く良識や誠実さの在る対応、それを考える時には、基準と言う物が問題になって来る。カメラマンの値段に対する良識的な対応は何処迄必要なのだろうか?現像所の良識はいつ迄維持されるのだろうか、、、、、

先輩のカメラマンの事務所には、何人かの写真学校の学生が機材の相談にやって来ていたのだが、そんな場所で景気の良く無い仕事の話をしているわれわれ先輩と言うのはなんともカッコウが悪い。いったい彼等は我々先輩から何を学んで行くのだろうか?何かを伝えなければならないのだが、彼等の方が輝いて見えてまたしても落ち着かない気持ちになって来る。


3/1 月刊誌の撮影で都内のキッチンスタジオに出向く。スタイリストのチームは3人掛かりで朝早くから準備を進めており、夕方前に最初のカットが撮れてからはそれほど時間が掛る事も無く、9時を過ぎた頃全てのカットを終了する。

最近また、料理の撮影が多くなった。事、料理に関しては、撮影する側は幾らか傍役に回れる部分も在り、客観的に良い仕事ができる。スタイリングの結果に締る割合が多いだけにスタイリストとの信頼関係は特に重要である。

機材をスタジオに戻し、デジカメのデータをチェックしていると何故だか数が1カット少ない。サブのカットに漏れている物が在るようで、明日には調整が必要である。


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