乾燥処理

乾燥は基本的に自然乾燥です。ラックやブロッターペーパーなどは使用せず写真のように角2点で吊るし、下側の2点には場合によって適度な重りを取り付けます。
極端に湿度の低い環境や、なんらかの理由で紙質の反りが考えられる場合は下のクリップに適度な重りを追加します。
また、乾燥の進行具合を見て途中でプリントの上下を入れ替えてやると、乾燥した時の反りが少なくフラットニング作業が楽になります。
最近私の使用しているペーパーに関しては乾燥中に極端な歪みが生じると言う事はありませんが、印画紙の種類によっては、乾燥時に大きな力がかかると、歪んでしまう事がありますので、状態を常に観察し、入れ替えや重しを加えるなどの対応に注意した方がよいでしょう
写真に写っている上の方の2本のバーは間隔を自由に変えられるので、紙の大きさによって幅を調整し、それぞれの印画紙に対して程よいテンションを保つ様にします

乾燥前の処理ですがこちらの方が以外と重要です。きれいな状態に保ったアクリル板を使い、プリントを乗せた状態で裏表の水分を何度も写真用のスポンジでを拭き取ります。
ガラス板を使う事が色々な資料で紹介されていますが、濡れた状態の大きなガラスは非常に危険ですので、汚染への配慮はありますがきれいな状態のアクリルで代用しています。
このアクリル板はこの用途専用の物で、汚染や汚れが判るように透明の物を使用しています。また拭き取りに使用するスポンジも常にきれいな状態に保ちこの用途にのみ使用します。
この作業を完全にする事によって、乾燥後のプリントの状態がかなり良くなります。プリントを裏返す時にはきれいなスポンジでアクリル上の水滴も全て除去し、印画紙を乾燥に移す前には表面の水滴が完全に無くなっている事が必要です。

作業に使うアクリル板はそれぞれの用途別に用意されています。最後の乾燥に使用する物はやや厚手の物、5ミリぐらいあればかなりの大きさでも大丈夫です。汚れの目立つクリアーの物が良いと思います。
大きさ別に材質を変えて2ミリから5ミリの物を用途によって使い分けます。20x24インチのバットには45x60cmの市販のサイズが丁度良く、バットの中に余裕を持って沈める事も出来ます。16x20インチのプリントを作業するのには、このサイズであれば十分な大きさです。

この作業の続きは finish work のフラットニング処理に続きます。

5/03.05