ドライマウントプレス

前のページのタッキング作業ができていれば、プレス作業そのものは意外と簡単です。
フラットニングの場合の作業と大きな違いは無く、2プライ程度のボードに印画紙がタッキングされたベースボードを挟み
印画紙面を保護する為にカバーシートをかけます。これはリリースペーパーでも良いですが私はピュアガードを使っています。
閉じるように上下をペーパーで挟み込み、余熱されたプレス機で60秒程プレスすれば終了です。
カラーマウントティシューは接着力が良好で、160F+の温度で十分です。逆に高温では付きが悪くなります。
ベースボードや写真自体が水蒸気を多く含んでいる場合も付きが悪く、そのような場合は時間を延長して行います。
一般的に、より強い接着力を求める場合は、クーリングウェイトを使って圧力をかけながら温度を下げます。
理想的にはもう1台の冷たい状態のプレス機を使えば良いのですが、そこ迄の環境はなかなか望めません。
殆どの場合、このクーリングウェイトで効果は十分で、少し柔らかい物の上で処理した方が効果があります。
全ての作業を通して注意しなければならない事は、使用する紙の全てが折れ目なく、異物を挟んでいない事。
化学的な汚染等も最小限にとどめなければなりません。

最後の仕上げとして、写真の周りに残っている、位置決め用のマークを消しゴムできれいに落とします。
あまりカスが細かくならないプラスティック消しゴムであればきれいな作業が出来ます。

現在のプリントコレクターの好みとして、美しくマウントされたプリントよりも保存性を重視した物に移項する傾向が見受けられますが、現在でもドライマウントはゼラチンプリントを一番美しく見せる方法だと思います。

5/05 .05