ベースボードへのタッキング

まず、前のページの行程でティシューを張り付けた印画紙を慎重に扱いながら、ベースボードに位置決め用のマークを付けます。
このマークは後で消せるように鉛筆で薄く、私は写真の数ミリ外側に付けますが、中に隠れるように内側につける人もいます。
位置が決まったら角の部分を1ケ所ずつ固定して行きますがこの場合も印画紙に行った時と同様、最低限の作業にとどめます。
印画紙が動かないように左手で固定しながら角の部分だけを少し持ち上げ、下にあるティシューをベースボードにタッキングします。
ティシューのカールの向きを印画紙と離れるようにセットしたのはこの作業の為で、丁度印画紙をわずかに持ち上げると
ティシューがベースボードに張り付いてタッキングの作業を容易にしてくれます。
この時に少しでもズレてしまうととやり直す事は出来ませんので慎重に作業して下さい。
この作業を全ての角に行えばタッキングは終了です。

これは4隅のタッキングが完了した状態です。
全ての角が歪む事無くベースボードのマークに一致している事や内部にゴミが侵入していないかなどを確認し、次のプレス作業に移ります。
タッキング時のズレについては最大の注意を払いますが、角に付けたタッキングの後もプレス後にプリント面で目立つ事がありますので、仮止めのつもりで極僅かだけにとどめなければなりません。
これらの作業を上手く行う為に自作したタッキングアイロンを紹介します

タッキングアイロン

タッキングアイロンは、Seal 社からも市販されていますが、先のアイロン部分がかなり大きくて細かい作業には向いていません。面でタッキングする場合は良いのですが、プリントをベースボードに固定する作業の場合、厚みがあり過ぎで、結果的に位置がずれてしまう事があります。
これは電機用のハンダごてを改造した物で、40Wの極一般的な物です。

改造と言っても先端を曲げてやすりで削り、細かいペーパーでかなり滑らかに仕上げたぐらいで他の部分はそのままです。
表面が滑らかで、ある程度の平面が必要ですので、使用しながら丁度良い形を作り上げ、後は角を削り取って、磨きあげれば出来上がりです。

重要なのは温度管理の部分で、市販のコテようのコントローラーだとあまり低い温度はコントロールできないので、照明用のコントローラーを流用しています。
当初は正確なトランスを取り付けようと思ったのですがこの照明用の部品はとても性能が良く丁度良い温度が微妙に調整出来ます。
実際の使用方法ですが、使用するティシューに合わせてテストを行い、ティシューが解けるもっとも低い温度に設定します。
このように実際に溶解させる方法は最も実用的で正確な物で、本来マウントプレス機も溶解温度で調整すればもっとも効果的なプレスが可能です。
そして丁度良い温度の大体の目安を目盛りに記録しておけば、次回からの調整はかなり楽になります。

次のページでは実際のプレス作業を解説します。


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