2012年09月
作者近況2013 2012年11月 2012年07月 2012年05月

02/01朝 穏やかな日が続いている。自宅にいるのは今日迄で明日は横浜のギャラリーに出向かなければならない、そしてその翌日にはギャラリーを撤収。会期の1週間は、なんとも短い。1点でも販売したいところ、、、

昨日に引き続き小銭の為の雑用に追われている。僅かでも収入を得なければ動きがとれない。昨日LA から届いたフィルムと現像液は、外箱に大きな穴が空いていて、かなり不安にさせられたが、開封してみると中身は無事だった。現像に取り掛かるのは生活費のメドがたってから、、、、、、、そう言えば、新らしい現像液の貯蔵ビンを用意しなければならない。これは買わなければダメだ、、、出費がかさむ。

昨日ひさしぶりに買い物をして、夜はマーボ豆腐を作ろうとしたのだが、解凍した自家製のマーボのタレが、調理直前にアラビアータのソースである事が判明。すでに、豆腐の水切りや、その他の薬味を用意したあとだったので、アラビアータマーボ豆腐を作ることになる、、、

ごま油や、薬味のネギなどで、それ風に仕上がったが、、アラビアータのキモにあたるパンチェッタの風味がなんだか悲しい後味。しかし、、そんな事を考えなければ、けっしてまずくは無い、、、どちらかと言うと、エビちりの風味。

豆腐と言う食材の、懐の広さに感心。


01/31朝 横浜の展示終了後すぐに帰宅、そう考えていたが、結局1週間の滞在。昨日は疲れで何もできなかった。今日は予定を進める。良い天気。穏やかで、春の気配を感じる。そう思っていたら昨日、初めてツバメを見た。、、、この時期に??窓の外には小さい虫や、蠅のような物も、、、

まだ、寒い日はやってくると思うが、日中、10℃を超えはじめれば、ぐっと過ごしやすくなる。

帰宅を遅らせた理由は、いろいろあり、出版社の飲み会などもあったが(これはひさそぶりに良い物を御馳走になれる機会と言う事で、外せなかった)、、もう一つ。東京駅のステーションギャラリーの展覧会。

東京駅のの再生に絡んだ大きなプロジェクトとして広告や、Web サイト、色々なメディアで、「何が行われているのか」と言う話は聞いていて少なからず、イベントそのものへの期待も膨らむところ。

各アーティストのコンセプトやモチーフは。Webサイトで詳しく紹介されているし、ゼネコンの広告にも蘇った東京駅の美術館と言う事で、言葉のイメージが先行するのだが、実際に見てみると、ずいぶんと希薄なイメージ。

なんと表現して良いかわからないが、、アーティストがさじを投げてしまった感じ。企画書を言葉の上でなぞって完成させているが、まったく、こころが伝わってこない。それぞれのアーティストはすばらしいコンセプトを持っているのだが、、、この箱の壁に張り付けるとWeb サイトよりもペラペラ。

何故そう感じるのか?おそらく、それぞれの作品を、それぞれに完成された空間で見られれば、最高に楽しい、、この美術館には、アートを愛する人がいないのか?全てが中途半端な感覚はどこからやってくるのか?

何故?この箱には魂が無い。あまりにも悲しい。

ここまで書いたところでLAからEMS で荷物が届いた。仕事を始めよう。現像にはまだしばらく取りかかれない。


01/24朝 これから電車でスタジオン出かける。先日やっと仕上がった横浜の展示作品も手持ちで持参。天候が少し気になるが、、まあ大丈夫かな。

いくつかの撮影と27日の横浜の搬入のスケジュール。今回は少しゆったりしている。搬入後、そのまま千葉迄戻れれば良いな、と考えている。

今回の展示作品は、アンティークホワイトのマットをかけた。始めての試みだが、小さな画廊にはしっくり来るのでは、、、と言う大雑把な感覚と、4点のうち2点がビンテージペーパーなので、やさしい白が、マットの色に押されないように、と言う考えだが、結果は展示してみて。

他のメンバーの作品も楽しみだ。やっとWeb を更新して、展覧会の告知を乗せた。


01/20朝 昨日はひさしぶりに休んだ。4日間のスタジオの仕事もかなりハードだったので、1日ゆっくり休むのも、良いかと。

天気がよく、風の強い1日だった。以前から、風で飛ばされてバラバラになった洗濯機のフタを強力な接着剤で再生したり、、、先日洗濯した、セーターなどの防寒着の類いを片付けたり、もちろん洗濯も。休日の感覚。本当に久しぶり。

先日PGIから持ち帰ったマットボードをこれからカットする。そして額装。16X20のフレームを使用するが10年以上使ってないので、ガラスの清掃に時間がかかりそうだ。そして、、今回始めて、アンティークホワイトのオーバーマット。

使っているのを見た事がない。一度は試してみたかった。4点だから、ちょうど良い機会。いろいろ準備の必要な作業なので明日迄かかりそうだ。今日は銀行や、買い物にも出かけなければならない。


01/16朝 これから車でスタジオに向う。週末迄かかりそうだ。ある意味これが仕事始めでもある。

01/14 今月の展示の為の作品をセレクト中。

3ー4点、と言う事だが、小さなイメージを縦位置に展示するので、予備を含めて5点の候補を選んでいる。フレームは16x20。4点でおさまれば良いバランスだ。

連絡をもらった時から考えていたのだが、プリントは2011年の個展の時に展示用のプリントと同時に製作したポートフォリオのコレクションボックスから選んでいる。

bauhaus gallery で展示したプリント何が違うのかと言うと、、、プリントの余白。トーンが露光されていて、一見、8x10のコンタクトプリンとかな、と言った感じだが、良く見るとその部分がグラデーションのあるグレー。

これはプリント時、各イメージに合わせたグラデーションを焼きつけてあり、マットのかかって無い状態で、プリントを見ても、紙の余白の白さに、画面の中のハイライトが影響されない事を考えて、、、、、。

結果どうかと言う事になるが、絵柄のイメージによって、また、印画紙の種類によって印象が大きく違ってくる。ビンテージの印画紙には、その階調の豊かさで不思議な効果があるが、現代的な印画紙で、ローキーなイメージだとかえって絵柄が見えにくい。

とにかく、実験的に、全てのイメージをプリントしてあったので、その中で、これもありかな、、、と言う感じの物を、展示する予定。余計な小細工と言う人もいると思うが、私としては、銀塩の印画紙ならではの、物質的な感覚を高める効果に期待している、、、、そう言えば、マットをかけて額に入れるわけだから、少し濃度のあるマットボードを選びたいところ。スタジオに出向く途中、PGIでボードをを選ばなければ、、、それからカット。。また時間と金がかかる。。。5組か、、、

先月からテストを始めたPMKの現像液や、パッケージングがころころと変わってなかなか手に入りにくくなったオルソフィルムを海外に発注しなければならない。ずいぶん前に調べた時にはローライのオルソフィルムは海外でもほとんど取扱いが無く、大手のBHはたしか、もともと扱いが無い。

これはその品質の悪さからだと思うが、、、、春頃に調べた段階で、Freestyle でさえ、Maco のパッケージの物しか取扱いが無く、これの品質が悪い事はわかっているので、何とか他の物を探していたのだが、、、、昨日、調べてみると品番が変わって10枚入りの新しい物がある。これを頼む事にした。

今回は実験的にサンプル程度、そしてPMKの現像液ぐらいだが、、少しでも送料の安いところを探したいところ(PMKも手間を承知で重さの軽いパウダーを選んだが)。。。結局、今回は始めてFreestyle に発注する事にしたが80ドルの送料はきついと思う。そう言えば、フィルムを選択すると船便は選べないようだが、、印画紙もそうなのか?試してみなければ、、、

昨年あたりの感じでは、印画紙の値上げが先行してユーロ圏やアメリカ相次いだようで、国内とあまり価格が変わらないように感じる。。。

おそらく、、今年あたりは、日本でもかなりの値上げがありそうに思う。あるいは私が知らないだけでもう値上がりしているのか、、、5月の展示では大きなサイズを仕上げたいのだが、、、

嵐のせいで、今日は何回も停電する。ネットの通販には昨日頼んで良かった。朝から、、、おそらく10回近くの停電。。。始めての経験。


01/12 ほぼ一ヶ月の撮影旅行から戻り、長く過ごした車内の片付けを終えた。下回りの洗車は特に入念に。そして細かい装備の修理など。。。機材のチェックや整理はまだこれから。

14日の深夜にフェリーで苫小牧に向い、戻りは、函館から大間へ。その後、東北でも少し撮影し、一般道をだらだらと走って10日の夜に自宅に到着。ほぼ30日間の車中泊、6000キロ以上走った。今年は雪が多く、道内はドライの路面はほとんど見る事がなかった。

特に、車の運転に気を使い、悪天候を避ける為に長い距離を走ったり、つねに除雪のある道の駅に泊まるなど、結果的に走行距離はとても多くなった。国道以外の道は、この車ではムリがある。新しい車の運転に慣れてきた最後の方に、少し峠を走ったが、かなり危険な思いをして、、少なくともタイヤを変える迄は、峠をこえる事は考えないようにしよう。。国道以外の道も、除雪直後でないと走れない。

車両の性能に、、と言う事だけではなく、私自身が運転に慣れるのに、まだかなりの時間がかかりそうだ。。通常走行時にはFF車である事を忘れてはいけない、、、30万円で入手し、少なからずお金をかけて最低限の整備をしたが、この先どこに手を入れるかと言うチェックを、今回の旅で認識できたと思う。、、、しかし、、15万キロを超え、エンジンそのものも、、、いつ迄持つのか、、、と言う不安は、、目を瞑るしかない。

二十歳の頃、雑誌で読んだブレット.ウェストンのインタビューで、(1970年代なのでかなり若い頃だと思うが)彼が、ワーゲンのバスで撮影旅行にでている事、、、。その話の中には、、、アンセル.アダムスは運転手つきのキャデラックで撮影している、、、と、皮肉っぽく話す場面もあった。。。インタビューの中には、、彼の指が真っ黒な事や、、パイプのけむり、、そして勿論、、60歳になったら、、全てのネガを燃やしてしまう、、と言う話も。

エドワードには無いリズミカルな構成力、強い黒に支配された画面。彼の人柄が、、写真からも伝わってくる。エドワードとは別の。すばらしさ!

そんな話を思い出したりしながら、、とにかくミニマムに、できるだけ、ストイックに。。。いつもの事だが、、、撮れない日の方が多い。それは天候で、と言う事では無く、私自身の問題だと思う。

言葉で現すのは難しいが、被写体は、写真になって始めて認知される。つまり、写真で見た事が無い物は、、、なかなか被写体として認知されにくいのである。「そんな事は無い」、、と思いながら新しいモチーフを試そうとするが、、、サブジェクトは、既知のイメージの中から選んでしまっている、、、そこを破壊しながら、、何かが見えてくるのを待つ、、、そんな事をしている、、、、、、、私自身の目で、物を見る、、、そんな事を考えるが、まったくもって、普通の見方しかできない。

とにかく撮影は一区切りなので、、、これからは、、現像や、その他の仕上げに取り掛からなければならない。新しい処方も試して行く。頼り無いが、、、これが、始まり。

今月の横浜の展示会に出す作品も、セレクトしなければならない。この展覧会は、とても良いメンバーに恵まれている。作家の傾向が、みな、違っていて、それぞれがすばらしい。私は、、、できれば、、、アブストラクト、、自然物で、、、そんなイメージを選びたい。



旅の中で、気付いた事だが、、カメラを持って写真を撮りにやってくる人達が増えた。。。人達、、、つまり、グループでやってくる、、、たとえば、北海道の野付半島なら、ワゴンに便乗した数人のグループが、望遠レンズ付きの大きな機材をそれぞれ持って、オオワシやシカなどの野生動物の撮影をみんなで楽しんでいる。大きな集団だと10人ぐらいで、なんだかガイドのような人が、案内しているように見受けられる、、、

二十年以上前から、毎年のように撮影する東北の仙人峠のダムは、昔は、まったく人が訪れる事は無かったが、ここ数年は、、ほぼ、毎日、だれかしら写真を撮りにやってくる。数年前に、出会ったアマチュアの人に聞いた事があるが、確かに地元では人気の撮影スポット、コンテストに出して入賞した人がいて、一気にブームになったと、、話していた。

そんな物だから、今年は数人でやってくる人がいて、やはり、、あれがどうだ、とか、こっちはおれが撮るんだから、、など、話声が聞こえてきて部活のようなにぎわいぶり。。。私は人がいると撮れない性分なので、沢を登って林の中を散策する。。。

確かに、天候が荒れている時や、夜明け前に人がくる事はめったに無いが、、こんな山奥にわざわざ写真を撮りにやってくるのは、、、本当に写真はブームになっているのだな、、、と感じる。

たくさんの人達が、高性能なカメラで写真を撮るようになり、おそらく、、多くの被写体や撮影地が、ネット上には紹介されているのだと思う。そして、同じ場所に向い、それぞれに力作にチャレンジする、、、、そんな中から、本当の芸術に目覚める人が、、、きっといると思うんだが、、そう、満足出来なくて、、、

ある意味、これは写真を誰でも撮れるようになった、1920年頃や1960年代の繰り返しで、同じような大衆的な試行錯誤を繰り返している。ここ迄くると敢て芸術論を持ち出す人はいないと思うが、、、、、

スティーグリッツのようなリーダーがいれば、新しい物の見方を切り開けると、思うのだが、、日本には、そう言う資質はまだ無いのだろうか?

私自身は、人と同じ物を撮る事に、何の抵抗も無いが、、、ある意味、コンセプトやモチーフにこだわる日本の雑誌文化からすれば、写真の芸術性なんて物はあっという間に出尽くして、もう新しい物は無いから写真は終わりです。なんて話になって、「写真は死んだ」なんて言い出す人もいるのではないかと、、、

美術、音楽、、、あるいは、写真、、、芸術とは、時間(これは時代だが)を超越した、独立した存在だと感じる。現在の意味を剥ぎ取られて始めて真の輝きを発する。現実と、時代の中にあっては、、真の芸術は理解される事は無い。移り行く時間の中で真の芸術のみは静止し、移り行く時代からはドップラー効果で歪んだ物にしか見る事はできないから、、、、

同じサブジェクトであっても、見る人によってまったく別の存在となり、普遍性に辿り着き、やがて生理的に共有できるのだと。。。アメリカの写真のおおらかさは、そう言う魂に根付いていると思う。同じ風景を撮り、、ある意味、みな同じであり、また、僅かな違いに感性が輝く。



12/14〜01/10 撮影、備忘録

12/14 全ての仕事を終え、深夜の大洗港へ。予約は無かったが、フェリーはガラガラな感じ。かなりムリをして出発したが、フェリーに乗ってしまえば、ゆっくり休める。エコノミールームの無い船で、代金は30000円にJAF の10%割り引きで27000円程。年末だと一気に高くなるのでこの時期に、旅立つのはいろいろリーズナブル。

12/15 苫小牧は夜の到着なので1日船内でゆっくり過ごす。ネットにつながるのは、入港直前の1時間ぐらい。船室はエコノミーで無く、カジュアルクラスと言う設定で、4人部屋だが、空いているので私一人。コンセントもあり、窓際で携帯も使えた。慌ただしく出発準備をした、フィルムテストをチェックして、トーンカーブから、露光の早見表を作った。紙だと無くすので、クリアファイルを切ってテープで張り付ける。

簡単な一覧表だがだが、どのフィルムにどの現像液、ハイライト濃度はいくつに設定、、どこで感度を取るか、、BTZSのパワーダイヤルみたいに優れものでは無いが、条件の厳しい撮影時、、、表現の可能性を教えてくれると思う。港に着くギリギリに完成。大洗から100キロ程走った豊浦の道の駅に泊まる。

12/16 天候と相談しながら日本海側を少し走ってみる事にする。瀬棚を目指して出発。ひどい吹雪にはあわず走りやすい圧雪路とアイスバーン、ゆっくりと海岸線のドライブと言った感じ。撮影できる所は見つけられない。今日は車の様子を見ている。どの程度の雪を走り抜けるのか、?タイヤは、氷にはそこそこグリップするが、雪には厳しい。昨年の撮影地をいくつか廻ったがカメラは出さず、余市に到着。

12/17 石狩の浜を通過して稚内を目指す。路面は全てアイスバーン。いつもの年と変わらない。ガソリンは150円前後。サロベツ周辺は激しく吹雪く。今日から稚内に泊まって撮影を本格的に開始する。

トイレのある宿泊地を探していたが、新しく道の駅ができたらしく、看板を発見。行ってみると、道の駅とはまったくの名ばかりで、稚内駅の駐車場だった。しかし、ネットにつながって。気象情報も得られるので、宿泊地に決める。駐車場は除雪されておらず、止められる所は限られる。そして、、出れなくなるので、入り口の近く。。

12/18 それなりに雪の降った朝。

とりあえずサロベツ平原を目指して走る.途中、まったく前の見えない地吹雪に何度か出会い、あきらめて引き返そうとするが、、少し戻ると嘘のように晴れてくる。何とか漁港に辿り着き、海岸線に出る。かなり歩いたが、まったく見えてこない。

12/19 今日もサロベツへ。途中激しい吹雪であきらめて、稚内に引き返す。。ところが、、、又しても稚内は晴れている。そして再びサロベツに引き返す。何とかワカサキナイの港に辿り着き、夕方迄海岸を歩く。。。何度かカメラを出すが、まったく撮れない。

12/20 朝からサロベツへ。サロベツの道は国道では無いので、除雪車が通るのは夜が開けてから。つまり、夜明け前に行く事はできない。撮影できる時間は少し少なくなる。そして今日も、、、激しい地吹雪で、途中で引き返す事になる。。。そしてルートを変え、手塩に近い所に時間をかけて向う。こちら側はいくらか天候がやさしい。。。かなりの時間をかけて駐車帯から海岸迄歩き、繰り返す吹雪の中頑張ったが、、、一枚も撮る事は出なかった。。。

日没前に切り上げて、稚内をあとにする。あまりに激しい天候の変化。昼間でも-10℃近い気温。晴れ間と吹雪の変化の激しさ、、、海岸でも、吹雪くと、自分がどちらから来たのかパニックでわからなくなる。この時期でこの雪の量は珍しい。

車の運転も、あまりにも厳しい。あっという間にできる吹きだまりは、車を対抗車線迄はじきとばしてしまう。事故をおこさないのは運が良いと言う感じ。

この3日間、、あるいは旅にでてからまったく一枚も撮れない。少しナーバスになるが、、いつも、、その為に時間を作り、少しでも早く旅立ち、長い時間を撮影に当てるのだと、何か、、言い訳のような、慰めのような、、あきらめのような、、、しかたがない。

何故撮れないのか?もちろん、求めている条件が揃わない、と言う事もある。それは天候や、撮影地の状態だったりもするが、、、自分の気持ちが入らない、、そんな感じ。自分が、何を撮りたいと言うビジョンは持っていないのだが、、少なくとも、、映画のワンシーンや、小説の挿し絵のような、、、美しいイメージでは無いと思う。

12/21 昨夜は稚内から少し離れた猿仏の道の駅に泊まった。ここは良い温泉があり、350円。他とくらべると安い。夜の雪はそれほど積もらなかったが、オホーツク海側で、この時期全てが圧雪と言うのは、今迄体験した事が無い。野付半島を目指すが、雪道なので道のりは果てしなく遠く感じる。

網走をこえる頃から、路面がちらほら見え始め、太平洋側になって少し走りやすくなる。標津迄の道中、一度も雪が降らなかったのは幸いだが。その場合、ずっと、正面に太陽を見ながら走る事になる。。これもなかなか辛い。夕方に標津へ。明日は半島を歩く。

12/22 夜明けから野付半島を歩く。午前中は遊歩道を、午後からはナラワラの林の中。

いつもより雪が多く、気温が低くて氷の上が歩きやすい。好きな条件だ。午後から少し吹雪き、吹雪の中で始めてのカット。やっと撮れた。しばらくはここで仕事をしたい。

12/23 今日も原野を歩く。

スッキリとした青空が広がっている。薄曇りより、青空の方が撮りやすい。とにかく、1日努めて仕事をしたと言う感じ。あまり手応えのあるカットは撮れなかったが、少しづ目を慣らしている。

車に戻る途中色々な事を考えた。日本の写真とは何なのか?私にとって写真とはアメリカの写真であり、レンズを通してしか見る事のできない、真実の世界、物語を受け付けない強い存在感。

12/24  同じエリアを歩いている。今日はもう撮れないのか、、、そう思った時に、林の中から逆光の太陽に気付き、撮影。

12/25 まったく同じ条件が続き。雪が降らずに足跡が消えない、変化の無い被写体に少し飽きてきた。近くの根室迄足を伸ばし、風蓮湖なども見て廻る。根室と標津ではまったく気候が違っていて、気温が高く雨が降っている。条件としてはまったく良く無い。根室の街で食料を補充。

ちょうどコマイ漁のシーズンでスーパーで80円で2尾のコマイを買う。とても新鮮だ。得意のホイル焼きにしたが、あまりにも淡白だ。ひさしぶりの新鮮な食材で十分に満足。ムニエルならよい味だと思う。軽く干した物も売られていたが、それもうまいだろう。

12/26 天気予報では6メートルの風。半島に出ると10メートル以上の風が吹いている。時折吹雪くが林に入る。昨年撮った大きな木が倒れていた。吹雪の中で良いカット。適度に吹雪くのが良いな。その後晴れたが、夕方には恐ろしい強風。やっと戻った車内は、なんだか魚系の居酒屋の匂い。昨日のコマイだ。

12/27 ほぼ快晴。違うエリアを歩いているがカットが進まない。パイロのソラリゼーション用に、逆光の太陽を露出を変えて撮影。うまく行くだろうか?

12/28 大潮でかなり遠く迄歩ける。ここは入り江状の半島なので潮の干満、そして風向きでも潮位が変わる。潮がひけば雪が溶けた氷の上を歩いてどこ迄も行けるが、満ちてくると、氷が溶けて泥の海底を歩く事になる(と言うか歩けないので大変)。気温はー10℃ぐらいなので、海水が来なければどこ迄も歩いていける。始めての林を超え、遠く迄歩く。林の向こうは真っ白な世界だった。今日はあまり撮れない。昨日に続けて逆光の太陽を撮影。パイロ?

やはり、飽きてきたので、撮影後釧路を超えて白糠迄走る。白糠の道の駅泊。

12/29 白糠の近くの庶炉の鉱山の廃坑へ。今迄何度も来るが良いカットの撮れない所。あるいは、仕上げてみるとつまらなく感じたり、、

雪が古くコンディションは良く無いが、つららを1カット。ここは雪が深く、カンジキで歩くが、階段から滑り落ちて、膝を傷めてしまった。かなり上からさかさまに(頭から)落ちたのだが、機材も体も比較的大丈夫。滑ったようだが、何故落ちたのかがわからずしばらく呆然とした。無事で良かった。白糠周辺は雪が古くコンディションがいまいちなので、撮影後厚岸迄戻る。厚岸のスーパーで、少し食料を補充。一枚60円でお惣菜の天婦羅を買ったので明日の朝は天婦羅うどん。

12/30 厚岸をでてキリタップ周辺を歩く。落石の岬周辺もかなり歩いたが、雨がひどくなってカメラは出せない。結局気象情報の受信しやすい標津に戻り、条件を見て野付を撮る事にする。

12/31 野付は、一晩中雨が降った。雪は溶けてしまい。姑くは撮影出来ない。駐車していた公園も雪が溶けて。水没したように水がたまってしまった。天気の良い十勝平野に戻る。このような移動ですっかりくたびれるが、、雨の中でジッとしている事でできない性格。浦幌迄長い道のりを走る。途中、十勝川周辺の海岸で撮影。良い条件だった。移動は正解だった。浦幌は小さな街で道の駅もほとんど車が止まっていない。

01/01 まったく車が止まっていなかった浦幌の道の駅だが、夜明け前にやたらと車がやってくる。暗いうちに昨日の海岸に向うが、その理由は海岸に近付いて納得。おそらく、このあたりは有名な初日の出スポットで、行き止まりの農道に、観光バスや乗用車がびっしりと陣取って、ものすごいにぎわい。私は、その下の海岸を歩くわけだが、高さ50メートル以上の丘陵は全て人。

天候は良好なので、みな、初日の出を待って盛り上がっている、、、、すっかり気分が萎えてしまったので、朝日の登る頃に襟裳に向けて移動する。途中美しい雲を撮影。そしてまた、白糠迄戻った。300キロ以上走った。明日は白糠から昨日の海岸を目指す。。2日には誰もいないだろう。天気情報をチェックするが晴天の予報。

01/02 天候は大きくくずれ十勝に近付くにつれて雪が激しくなる。除雪前の新雪で10cm程だが、タイヤがすり減っていてうまく進めない。海岸線で何度かカメラを出すが、ダメージが大きそうだ。再び天気情報をチェックして阿寒を超え、雪が降ったと言う標津を目指す。野付半島も雪が降れば表情が変わる。まだ撮りたい。弟子屈の道の駅泊。足湯だけだが温泉に満足。

01/03 夜明け前から野付に向けて走る、途中天気予報をチェックすると雪の予報は消えて晴れになっている。一時雪、と言う部分に期待して眩しい太陽に向けて走るが、着いた時には快晴。

気温は低くそこそこ条件は良かった。快晴だが、、、午後になって天気は急変し、凄まじい吹雪になる。ここで、今迄体験した事のない強風と積もった雪が叩き付けてくる。撮影と言うか、遭難の危険があるので、倒木の根の影にうずくまって風が止むのを1時間くらい待った。予報で見た限りでは、長く続かないかと、、、途中、牡鹿が2尾ゆっくりと通って行った。ここは少し風の影になり、動物も避難してくるようだ。

結局、吹雪がおさまる事は無く、長い時間をかけて這うように少しづつ移動し、何とか車に戻った。10メートル先に目標を決め、そこ迄歩いては、様子を見る、その繰り返し。山で遭難する人の気持ちが少しだけわかったかも。車に戻ってからも、野付半島の道が凄まじい吹きだまりができていて、吹雪の強さに妙に納得。とにかく疲れた1日だ。

01/04 気温が下がり、快晴になった。昨日の吹雪で着氷したテトラポットを撮影すべく、野付半島沿いの道を歩くが、光が順光で輝きが無い。昼近く迄粘ったがキリタップへ。ここも条件が今一つ、カメラは何度も出したが一枚も撮れない1日。

01/05 昨日に引き続き晴れの予報で気温も低い。先日悪天候で撮れなかった十勝の海岸に向う。海岸を歩き、黄金の滝と言う期待させる場所も見たが、、まったく撮れず、昼過ぎから峠を超えて夕張へ向けて移動する。特に何を撮る、、と言うあては無いのだが、一度はこの車でも訪れてみたかった。私にとっては北海道の原点がここにある。

日高の峠、そして、夕張に抜ける道は、条件は悪く無いのだが、私の車には厳しく、下りでスリップしはじめると、3、4回立て直してもまた滑ると言う有り様。姑くは走りたく無い。

清水沢駅の駐車場に泊まったが、除雪されてない。明日はシャベルが必要かもしれない。雪が降り始めた。

01/06 朝早く起きて除雪を待つが駅前なのになかなかやってこない。8時頃にやっと片側。夕張の暮らしは大変だ。いろいろ廻ろうかと思っていたが、雪道への不安から、移動を決める。函館からフェリーに乗ろう。

一般道を走って函館はけっこう遠い。まずは長万部が目標。そこでやっと先が見えて、何時のフェリーに間に合うのか?などと考えはじめる。結局、3時に到着し、まったくガラガラの大間行きに乗船。2時間後の大間からさらに2時間走って、下北駅の駐車場に泊まる。ひさしぶりに夜が遅い。明日はどうしようか?

01/07 下北の廃虚も気になるが、今回はパスして、野付に向い太平洋側の海岸線を走る。八戸を超え、久慈や宮古などなじみの街を通って行く。もちろん、昔から何度も訪れた田老や山田、、、記憶の中に、、ここの信号で道が大きく曲がってタクシー会社があって、、、などと記憶している部分は、街では無くなっていた。何もかも無くなったのだと思う。気持ちを整理しながら、、、、釜石を超え仙人峠へ。ここ迄くると暗くなり、遠野の道の駅に7時頃の到着。明日は仙人峠で撮影。

01/08 天気予報は曇だったが、スッキリと晴れた。氷の状態は普通。いつもの事だが、ここで撮るのは難しい。夕方やっと1カット。珍しくは無いが、ひとり撮影にやってきた人がいて普通は2時間もすれば帰って行くのだが、珍しく半日氷を撮りながら頑張っていた。ここはメジャーな場所だと須年前に訪れるカメラマンから話を聞いたが、、人がいるとなんだか気が散ってイメージが決まりにくい。明日に期待。

01/09 同じく曇の予報。少し雪が降っている。風が少なく、昨日もそうだったが珍しく穏やかな気候。やはり難しいが、少しづつイメージを絞り込んで行く。やっと一枚を納めている途中に、騒がしい3人組の撮影者がやってきた。さすがに、、集中出来ないので、沢を登って林の中を歩く。結局早めに切り上げたが、、そこそこの収穫だと思う。なかなか撮れない場所だ。

2時を過ぎた頃に遠野を出て福島迄一般道を走った。ここ迄来れば、明日は帰れる。

01/10 安達の道の駅に泊まったが体調はあまり良く無い。いつもの事だが、仙台を一般道で走ると排気ガスで咽を傷めてしまう。人の中の暮らしに慣れるには少し時間がかかりそうだ。郡山で太平洋側へ、日立を経由して国道はバイパスになり、少しづつ走りやすくなって行く。

東北の被災地の事を思い出す。ゆっくり気持ちを整理しよう。自宅は少し寒い。暗室は4℃。少しづつあたためる。いつもの事だが、戻った日は、軽いふとんで眠れない。




12/13 撮影に出かける準備に追われている。このまま準備を続け明日の明け方にはスタジオに入る。。その後、午前午後と2件の撮影を終えて夕方には打ち合わせ、、翌朝迄にデータ処理を終え、そのまま旅立つ。。。

車には、継ぎはぎだらけの断熱材を貼った。。。。食費はまったく予算がないので、、ほとんどの食材を持って行く。と言っても1食30円のインスタントラーメンだが、、、、、昨年急に乗り馴れた車を廃車にした事はとても残念で、痛手が大きかった。。。今度の車は四輪駆動とは名ばかりで、、、おそらく、、新雪の上は走れないだろう。。。15万キロ走った中古だから、、ある意味どこが壊れてもおかしくはない、、、、、、

ムリをしない為にはとにかく早く旅立つ事。。。時間に余裕があれば、、大雪警報の中を無理に、、峠をこえる事もない。。。せめて、、、スタッドレスタイヤは、、、もう少し新しい中古に変えたいのだが、、、、、すり減っていて、、北海道でなくても安全とは言い難い、、、、、

フィルムに関してはかなり慎重に準備を進めてきた。。。新しく、、PMKの現像液のトーンカーブを5種類。この現像液は、、思ったよりも使えそうだ。。。ただ、実写のテストが不十分、、、4回程テストをしたが、、もう少し強い光線、、、自分の求める条件にはもう一歩、、、、、、カメラを空に向けて!!!そう!!気持ちの中に何かが見えているような気がする!!!!

200枚のフィルムをホルダーに装填しているが、、、オルソに関しては、エマルジョンの状態が今一つだった。。。このフィルムは、、保存中の劣化がひどく、ホルダーに装填する前に、、未露光のフィルムを1割程度抜き取って、乳剤面をチェックする。。。場合によっては(汚染がひどい場合は)全て廃棄しなければならない。。。

汚染の状態は、、始まって、少し進んだ感じ、、、小さな、、ピンホールが、、やや大きな、、くもり状のムラに変化しはじめている、、、、それ以外にも今回気になったのは、10枚検査したうちの2枚にラインが入っている、、、乳剤面にうっすらとスジが入る。。。これは画像に出るのかどうか???。。。。とにかく、、、撮ってみなければ、、わからない、、、もちろん、、お金に余裕があれば、、、絶対に使いたくないのだが、、、

被写体、、写真家が求めるサブジェクトは人によってまちまちだ。光に溢れる美しい風景に引き付けられる人もいれば、、夜の繁華街の雑踏、、、私にとっては、、暗闇から降り注ぐ光、、、それは、廃虚であったり、、まったく人のいない原野だったり、、、どこ、、、と言うくくりはなく、言葉にならない感性の、おもむくまま、、、私の目と、このレンズが写し出す最も美しいもの、、、信仰のようにそれに引き寄せられている。。。そこに行けば夢がかなう、、、、、、

どうしても、撮りたい、、、、何かが見えるような気がする、、、、、、、


12/06朝 早朝から雲のかかった太陽を撮影してPMKのテストをしている。逆光の太陽はどうしても再現したい被写体の一つ。。。目まぐるしく雲が動き、、撮影中さっと雨が降ってきたりする、、、、、、今日、、さらにテスト撮影し、現像の予定。。。もう少し安定した光線が欲しい、、、、、

昨日、始めてPMKの現像液をテストした。4回程ベランダで撮影、現像を繰り返す。簡単な実写から判断するかぎり、これと言った特長はなく、フィルムの持ったカーブを再現している。。。ただ、、、ハイライト側はとても繊細な描写を持っている、、、この感覚、、、シートフィルムには適しているが、、ロールだと敢てパイロは使わないかもしれない、、、思った以上に微粒子なので、もちろん、、、ロールでも良い結果はあると思うが、、、ロールには他にも優れた現像液がある、、、、

まだ特長は掴めていない、、、、できれば今日中に、、トーンカーブの為のネガを作りたい、、、その後もう一度実写する、、、、

先日、、、もう3日程前になるが都内のギャラリーをいくつか周り、、多くの作品をコレクションしている荒井さんのお宅も訪ねた。西村陽一郎さんの展覧会を自宅で開催していて、、すばらしいコレクションだったが、偶然色々な人に会えた事も、、大きな収穫。。。美しい世界には美しい人が集まる、、、

その前日には、エーモン、ギャラリーの辺見さんの展覧会。とても好きな風景の展開だったがこちらはフルデジタル。。。デジタルのカメラを日常的に使っていても、、なかなか作品には使わないのだが、、、この展覧会を見ると、その魅力と、、、難しさの、、両方の断面が見える。。。それは感覚的にも、、技術的にも、、、私がフルデジタルを使いこなすには、、、超えなければならない問題点がいくつかある、、、、、、、、



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