作者近況2012 2012年03月 2012年01月
2011年11月
201109月

05/29夜 先週伊豆から戻り、見る事、創る事、、、見る側にいる人間、創る側にいる人間など、疎外感について、、、、いろいろな事を考えていたのだが、そんな時偶然、FBの書き込みに、ガンジーの写真を見つけ、、、映像的関連以外はまったく無いのだが、、、田中一村の事を思い出した、、、、、

彼は、都内を離れてからしばらく千葉に暮らし、、、その後点々と、南に向い、、奄美に住む事になる。3年前に千葉で行われた展覧会で、その作品を広範囲に観察する中で、私は、千葉が、、千葉の時代が、、彼の作品を、単調なパラドックスに追い込んだのではないかと、、考えた。千葉が彼をダメにしたと、、、ここは感覚的に不毛の土地だと、、、、、

その結論は今も得られないが、、彼が当時描いた平凡な田園風景以外にも、、機会さえあれば、、、血気溢れる、海女の生活など、、、きっと、、、、、、美しい作品を(千葉でも)生み出していたのではないかと、、御宿の酒蔵に展示されていた写真を観て、(最近)すこし思った、、、、と、言うのは、、ここ最近の話で、今回の話とは関係ないが、、、一村に関して、、、作品を受け止める環境に関して、、、考え始めた事がある、、、、

独自の世界、、日本画に於いては特に、、特殊な表現、、、、そして、、決して、時代は旧くない、、解釈によっては、古臭いと思う人さえいるかもしれない、、これは、、、完成してみれば新しいわけだが、、、ジャンルが確定しなければ、いくつも行われて来た試行錯誤に紛れ込んでしまいかねない、、、、

一村は世界を超絶して美しい、、、これを理解する人が奄美に存在したのか?そう思う中で、、、いろいろ考えあわせれば、、、、彼の作品を理解する人は、、奄美大島に存在したと思う、、、これはもちろん事実で、、それだから、彼の存在を、、私も知る事となるわけだが、、、、

彼の側からはどうなのか???彼の求める、解釈、、、理解、、、評価、、、あきらかに、、違ったものだと、、私は思う、、、、受け止め方は違っても、作品は、、この世界の中を自由に泳ぎはじめる、、、画廊などなくても、、、芸術はどこ迄も伝わっていくのである、、、、そして新しい子供達がそこから生れていく、、、、

彼の望む理解は得られない、、、それは、、、当然の事だが、、、、、、しかし、、、彼は、取りあげられ、、すこしづつその存在は注目を浴びる、、、その後の事は、別に、どうでも良い、、、、、すぐに、他界してしまったわけだし、、、

10年近く前、その作品に触れる為、奄美を訪れ、観光バスが列を列ねる一村美術館に行った、、、、そこで見た作品は、質の悪い複製がほとんどだった、、、それは、、、首都圏の美術館に、展覧会の為に持ち出されていた為だが、、、、、、首都圏で、、複製による展覧会をやるわけには行かないのだが、、、、奄美迄来て複製では、、、

美術品に関して、そう言う感覚は、本来、ないものだと思う。。。それは、、、その、、奄美ならでは、、、べつに、、その土地が他より文化レベルが低いという意味ではないが、、、地域にとって、、、、、、芸術とは、、、そう言うレベルの存在なのだと思う、、、、生み出される土地、、、それは宗教においても思想においても、、、、、そう言うものだから、、、永遠に輝く、、、、


05/29朝 昨夜、電車で帰宅。先週伊豆から戻り、すぐスタジオに出向いてしまったので、随分長く家を空けていたような感覚。スタジオではハードに仕事をこなしていたので、かなり疲れている。朝早く洗濯は済ませたが、今日はゆっくり過ごした方が良さそうだ。

長い1週間、前半はアーティストの取材があり、銀座に出向いたが、珍しく、下調べをしなかったら、、、昔憧れていたフルート奏者で、かなりのサプライズ、、、グラーフだった!

なぜか、、、最近、フルートに引き寄せられている。管楽器はあまり得意ではなく、、、、はっきり言って苦手、、、ただ、、、フルートやオーボエ、ルネッサンスの古楽器だけは聞くのだが、、今年になって著名な奏者3人を撮影している、、、、そして、、グラーフだとは、、、彼は特別な存在。

モノクロームのデータチェックに丸一日。80代とは思えない、、、不思議に思うのは、、撮影中の本人より、、写真の方が、ふけて見える、、写真なら80代と言われても納得するが、本人を前にしていると、年令を超越したオーラを感じて、歳が判らない、、


05/24、25、26、3日間はWebページのでザインに集中。1日16時間はPCに向う。その中で、最近主流のワードプレスについてかなり調べた。サーバー内にプログラムを置くこのシステムは確かに優れている、、、、、現代のように、メディアが多様化すると、、、確かに便利。サーバー内にパーテーションを組んで一部だけなんとか組めないか???などと、調べてみたが、最安値のサーバーを借りているので、、、今回は見送った。そして、、、、全てHTMLのソフトで組んでいる、、、逆にブラウザが進化する事に期待しよう。

ページレイアウト、、、home を含めて3ページ程。。。先週まで伊豆高原で、長い時間を過ごした事で、、、作品の見せ方が決まった気がする。まず、興味を持つ、、、次に何を見るか、、、知りたいのは何か、、、そして、、、さらに、作品を楽しむにはどうすれば良いのか、、、、写真を観に来たたくさんの人と過ごし、この人達に見せる、、、そう言う感覚も取り入れて、、、

Webの為に編集したポートフォリオを組み上げている、、、、何度もやり直し、、、とても時間がかかる、、、展覧会で感じた事、、見る事と、創る事の大きな隔たり、、、これは埋まる事はないし、、、埋めるべきものでもない、、、、その間に、本来ならばギャラリーの存在がある、、、その緩衝地帯を取り払い、、、直接接客した事は、少なからず、、、自分を混乱させたように感じる、、もちろん、、今迄の展覧会でも接客はする、、何が違うのか???違うのは訪れる人の気持ち、、、

訪れる人は、確かにさまざまである、、、しかし、ある意味、、、それを決める事ができるのも、自分のギャラリー、Webなら可能だと思う、、、そして、、、訪れた人に、次は何を見せるのか、、、それが、、重要だ。

すこしずつ感じはじめている事は「見せようとする意志」、、自分の意志で、作品を展示し、、見せようとしてここにいる、、その気持ち。。。もちろん、誰にでも、と言う事ではない、、、この作品が好きな人に、、、見せたくて創る、、、そう言う意志を持つようになった、、、気付かずに、、相手を選んでいるのだが、、、その方法を間違えていたのかもしれない、、、、、

伊豆の展示からから戻った直後の気持ちの混乱、、、、、、すこしずつ緩和されて来たのを感じる。

自分の作品を、統括的に見る事、全ての展覧会のインデックスから、Webに適したポートフォリオの為に、すこしずつセレクト、、、、、長い道のりになってしまったが、すこしづつ、、、、


05/21 朝9時頃起床。昨夜遅く伊豆から戻り、あまり眠れなかった。運転の疲れ、会場での接客、、、すこし混乱しているのか、、、、?ネットのニュースで金冠日食の写真を見た。

伊豆の展覧会を終了。作品はしばらくそのまま展示するが一般には公開しない。アートフェスティバルそのものは31日迄だが、それぞれの展示会場で、公開期間はまちまちだ。十分に長かったと思う、、、、

すこし来場者が途絶えると、テラスへ出たり、近くのアーティストのアトリエを訪ねたり、、、適度に息抜きをする。

来場者もさまざまで、説明する内容も都内の展覧会とはまったく違ってくる、、、、時間の流れが緩やかで、、、生活感を感じない人も多い、、、、、見せる側にとっても、珍しい体験だが、来場者にとって、写真を新しい観点から受け止める、きっかけになったのではないだろうか。

「美術としての写真」、、とても古臭い言葉だし、ちょっと歴史をかじった写真通には「今頃何を言っているのか」などといわれそうだが、、、今さらながらそんな話もする、、、写真を美術品として、インテリアとして飾る事、、そんな事があまりにも知られていない、、、、もちろんここにあるものだけが写真ではないのだが、、、

展示会場の前を通り過ぎ、50mほど行った突き当たりには彫刻の重岡さんのアトリエがある。ここの空間が好きで、会期中何度も訪れた。木彫の作品がたくさん保管展示されているのだが制作過程?完成品?どちらともとれる大きな彫刻が、空間を埋め尽くす、、、私の気持ちに強く触れるのは、、そのほとんどが、、同じモチーフである事、、、好きなものを何度も作る、、、同じなのか、進化しているのか、、いつ完成なのか、、見る側には判らない、、、、、

私には、それが、、、とても心地よく感じる、、、、、創る事の喜び。

創る側と、それを見る側、、、ここには、とても大きな隔たりがある。今回の展示でそんな事も考える。これは、、私だけが感じるのかもしれないが、、、(完成した喜びを共有する、、、そう言う感覚もあるのかもしれないが)、、、創る事と、、見る事には、、余りにも大きな隔たりを感じる、、、それが芸術なのか?

創る事は、欲求だ。完成する作品も、その欲求を満たしていく、、結果的に何かが表現されるかもしれないが、、、それは目的ではない。芸術を受け止める側にとっても、それは、欲求を満たす為のもの。評論程無意味なものはない、、、、、

ムンクの絵を高額で落札した人が、作家とその感性を共有しているわけはないのだが、、、このジレンマは何からくるのか、、、自分は、、自然体で、芸術と接しているのか?

会場で自分が接してきた人達、、、感覚の接点は?

これからスタジオに出かけ、しばらくは戻らない。撮影の無い日はWebのデザインをすすめる、、、

何かを探している、、、、、、、、、、、、、、、


05/17朝 あまり眠れなかったが、いくらかスッキリしている。伊豆の展示も最後の週に入った。相変わらず、平日でも来場者は多い。明日の午後伊豆に入り、最後の土、日を会場で過ごす。

ここのところ、印画紙などを買った請求書や、カードの引き落としが続き、経済的にとても厳しい。来月も、交通費や、マットの経費などが引き落とされる、、、先月は撮影を断って暗室にこもっていたりしたので、収入も途絶えがち。、、、、、制作費を気にしていては良いものはできないが、、、、学生の頃から貧乏で、慣れているのだが、、、出費が続くとナーバスになるのは、、、いつまでたっても変わらない、、、

展示から得られるもの。。。本来ならば、新しいWeb サイトは展覧会に向けてオープンするはずだったが、、この展示を経験しながら、すこしづつ方向性を変えている、、、意識する対象も、考え直すようになった。

今のところ、プリント、セールスは無いのだが、、、、、初めての場所や展示会で売るのはとても難しい、、、とにかく、、良い場所で、良いものを見せる、、、それに尽きるわけだから、今後に期待するしか無い、、、安ければ売れる物でも無いし、高ければ売れないと言うものでも無い、、、、とにかく、、来てくれた人に、強い印象を焼きつける、、、そこ迄が仕事、、、その後は、、流れに任せる、、、、、、

展示を楽しむ、、それが、伊豆高原アートフェスティバルのポリシー。明日から出向くが、今回は、食事を用意しようと思う。近くに良い店もあり、外食も良かったが、せっかくの素敵な空間で、食事をするのは、1日を締めくくる上で、とても良いのではないか、、、

今日は、すこし買い物をして、下ごしらえ、、、。現地での買い物も楽しみだ。簡単なもので良い、、夕食は、アトリエで、、、経済的にも!!


05/16 ここ数日は仕事の疲れが残り、何かと調子が悪く、。Web関連の仕事をすこし進めた程度。それも自分のではないが、、、

新しいWebサイトは、いろいろなところがひっかかって進まない、、、、今迄は、、展覧会毎に作品をインデックスとともに掲載し、自分のデータベースとしても使用してきたが、ここ10年の間、けっこうな数の展示があり、同じような掲載方法だと、重複するイメージがあったり、、、また、Webでの写真の見やすさと、展覧会でのセレクトや構成は、鑑賞する意味で大きくずれている、、、、、

考えをあらためて、、Archive と言うくくりを止めて Exhibition index あるいは、Exhibition のみ、、、データベースである事をはっきり区別する、、、作品としてみせるエリアは、Ruin ,Landscape, あるいは作品から受ける印象で括って、わかりやすいタイトルをつける、、、その他は最新作のみを紹介するエリア、、、などと考えはじめ、コンテンツの編成から大きく変更する事になりそうだ。

構成を、今迄と大きく変える事、、ページ上の写真の大きさをいくつにするか、、などの点は、FBから影響を受けた部分が多い。効率的にFBが利用できる、、、相互のリンクをわかりやすくする為には、新たな展開が必要になってきた、、、、

新しくWeb を訪れる人が、何をまず見たいのか、、、そんな事を考えるきっかけが、FBにはあるのかもしれない。これは双方向にアクティブなメディアならではの伝達の早さ、リアルタイムの反響などからくるものなのか、、、、、、、、


05/14 昨夜遅く電車で帰宅した。連休最終日にスタジオに向い、仕事が終わらずそのまま伊豆へ、、そして土日は伊豆高原に滞在し、都内を通過して電車で帰宅。ひさしぶりの御宿。出かけた時よりも気温は低く、肌寒い。伊豆より、すこし寒いのか、、、電車で5時間、陸路では300キロ近く離れている、、、いつもの習慣で小銭をケチって、、普通電車に乗ってしまう、、、これはしかたがない、、、

展覧会も2週目が終了し、残すところ1週間。私は土日だけの滞在だが、訪れる人の多さは、平日もまったく変わらない。そして途切れる事無く、、、朝は10時から、4時終了なのだが、5時になっても人はやってくる。

展示の仕上りはとても良いと思う。前回来た時は悪天候で、自然光の感じが掴めなかったが、、改めて光がさしてみると、、印画紙の柔らかなハイライトが印象的だ。フレームを選びたかったのだが、予算的に厳しくPG2に入れているが、作品の展示間隔を近づけたので、それほどチープな印象は感じない、、

それよりも、、、ガラスは入れない方が良かったかもしれない、、、これは、、、展示場所が廊下だという事を考えると、ムリかもしれないし、訪れる人によっては、手を触れる人もいるので、、、しかたが無い、、、、、

さまざまな人達が訪れる。ほとんどは美術愛好家だが、、先日は写真のグループが訪れたりもした、、、そして、、何より若い人達には、美術としての写真は、新鮮にうつるようだ。メディアの中を流れる、大量消費的な映像だけが、、、写真では無い。

写真家は、テクノロジーに翻弄されている、、、映像芸術として一括りに扱われる中で、常に、、、次の表現を求められる、、、それが、底の浅い、写真の文化を作ってしまった、、メディアが進化するたびに、これで何ができるのか???などと考えるのは芸術家の仕事では無いし、、他のジャンルなら、、、幅広いジャンルの中で、、芸術を解釈し、鑑賞する事は当たり前になっている、、、写真の幼稚さは、なかなか拭えない、、、、

何を話すのか、、、何を聞かれるのか、、、、身構えて疲れるような事は無く、、ただ、そのイメージを何から、、、どのように、、仕上げたかを説明する。

それは、撮影時の光、空気、風、、、感動、、、そして、、、暗室での長い時間。


05/06 連休最終日。夜の電車でスタジオへ向う予定。2日程過ごしたらすぐに戻ってまた伊豆だ。

05/03 1日、2日は伊豆の展示会場で過ごした。2日通して記録的な豪雨。昨日は車からの出入りもできない程強く降ったが、、ふしぎに来客は途切れない。このフェスティバルの意味がすこしづつわかってきたように感じる。。。。

とても快適な時を過ごした。来てくれた人達に、作品の説明をするのに夢中で、相手の話、(何をしている人なのか)、などを聴きそびれる事が多く、とても残念に思う。逆に都内の写真ギャラリーなどは、自分の自慢話をしにやってくる人の方が多かったりするが、、、、美術に関心を持った人達がこんなにたくさん訪れる、、、、都内の展覧会でも、、、こんな事はあまりない、、、、

自分の作品も改めてゆっくりと、、、今のところレイアウトは気にいっている。雨で外が暗く、自然光が入らないのは残念だったが、晴れた日には、、明るいイメージはより明るく、、室内の光で輝く暗闇はよりはっきりと、、、、そんな感じになると思う。

連休中は千葉で過ごすが、次の週末にはまた出かけよう。

千葉迄の帰りの道のりだが、、、今回は、東名高速を使わず、横浜方面を通過して帰ってきた。一部一般道を走るが、空いていればこちらの方が、自分にはあっているかもしれない。単調な高速は、かえって疲れるようだ、。、、時間もそんなに変わらない。。。

明日からは御宿にも友だちが数人遊びに来る。この土地にもすこし慣れてきて、、案内する場所も増えてきた。酒蔵や、美しい海岸、今回は牧場なんかどうかな、、、みな女性だが、とてもくつろげる人達。


04/30 夕方からスタジオへ。明日1日2日は伊豆の展示会場へ。渋滞しなければよいのだが、、、、

昨日、今日、いとこ姉妹と過ごした。私にはいとこが7人(おそらく)全て女性だが、この二人は私の母親の弟の娘で、私とはとても歳が離れている。昨年、展覧会に突然現れて、その時は時間がなく、お茶した程度。今回は2日間いろいろな事を話した。

何を話したかと言う事は、ある意味どうでも良いが、、、、、、ルーツ、、あるいは、、両親から受け継ぐ物は、何かあるのか??そんな事を考える。人は、何かを作ろうとする生き物なのだろうか?子孫を残す目的とは??


04/29朝 身体を休めなければと思っているのだが、、、なかなか雑用で、、暗室や部屋の片付けもけっこう重労働。せめて夜は早く寝て、、、などと思っていても、やはり雑用で、、遅くなる。

ふだんはあまり使わないのだが海側と、山側に、、、昭和の団地らしい小さな和室が2つ。誰かが遊びにくるとこの部屋を使ってもらう。本当に狭い部屋だが、、眺めが良くて気持ちが良い。この季節なら、これまた、とても狭いベランダに椅子を出すのも良い、、、ここの良さは、、自分にぴったりの小さい空間。

それでも、掃除は大変。そろそろ害虫が発生する頃なので、、殺虫剤も用意しなければ、、、

これから、窓をきれいにして、すこし片付ける。今日はいとこ姉妹が、遊びに来る予定。親類との付き合いはほとんど無いので、、この姉妹も、会ったのは昨年の個展が最初。ゆっくり話すのは今回が初めてだ。楽しんでもらえれば良いが、、、、と、言うより、、まだ、、お互いの事をあまり知らない。


04/27朝 伊豆での展示を終えて、昨夜遅く帰宅。もうすぐ始まる。

広い壁面を前に最初は呆然としていたが、、、頭の中を白紙に戻して、床に並べているうちに順番が見えてきた。2点を省き、10点を展示。外からの光が強くなる廊下の奥に行くにしたがって、、イメージは明るいもの、、スケールの大きな風景へと変化するレイアウト。後半の写真には、スポットライトも当てていない。DMのイメージが最後。。。。良い仕事ができた。

反対側の壁面には、土居慶司さんのカーボンプリント。クロムを使った古典技法だが、質感のある紙ではなく、脱銀処理したゼラチンシルバーの印画紙に転写したもの。黒の階調は銀塩よりも、、物質感?のある、力強いもの。高濃度部は立体に見える感覚。この技法には、とても興味があるのだが、毒性の強い重クロムを使う点がハードルになっている、、、

リビングには、春日さんのデジタルプリント。とても大きな物だが、、、このイメージの不思議さは、まったく威圧感がない事。階調も不思議だが、、、、解釈とは無縁の、、、優しさがある。

ダイニングやゲストルームのエントランス、、小さな壁面には、木戸孝子さんのデジタルプリント、、、気持ちよく空間を埋めていく感じ、、、、

最近よく考えるようになった、「写真を飾る」と言う事をとてもすばらしい形で体験できる空間、、、、ギャラリーでの展示ではできなかった感覚。住空間の中の写真。

6時間程かけて御宿迄戻り、、、FBに展示した写真をアップ。まだ車に慣れていないせいか、けっこう疲れる。今度の車は燃費が良い。給油せずに600キロの往復を走った。


04/25朝 すこし眠った。明け方の地震で壁に立て掛けていた額をあわてて押さえた。あるかも、、、と、、思っている事はある物だ。倒れにくくしておいて良かった。

12点の額装を終了。身体のあちこちが痛い、、最もたいへんだったのは使っていなかった額のガラスの清掃。マットカットも、、、、狭い暗室での作業なので何かするたびに全てを片付けなければならないので、、、労働量は多い。

額のサイズが小さい事は残念だが、、この12点。おおまかに3つのグループ。

90年代の廃虚のアーカイブからの作品は90年代のプリントと、2006年のNYの展覧会のものを混ぜてあるが、この違いも面白い。プリントのタイプが違う、、、初期の物の方がち密で完成度が高いように感じる、、NYの個展以降は、ダイナミックな仕上げだ。意識する対象でプリントは変わっていく、、、、

2000年前後の作品からは風景と抽象的パターンの中間的な絵柄、、、そして、、近年の作品からスケール感のある風景。

昨年の個展で地下のフロアで展開したような抽象的な70年代から80年代の感覚は一切含まない。

今夜スタジオに向い、明日昼前には伊豆に着く。いよいよ展示だ。

石元泰博さんのことを考える。「アメリカの写真を知っている」と、言う事。。。アメリカの写真を知っていれば、そう言う風に写真と向き合える。日本人は写真に関して無知で、みな、、、何をやっていいか判らず、模索し続けていた、、、、彼はずるいなあ、、、と、、思う。

H.キャラハンに写真を学べた事は、とてもうらやましい(発想が泉のようにわいてくる)そんな人だ。、、、、彼に写真を学び、、、、写真の次の扉が、どこにつながっているか考える必要性はなかったのだろうか、、、、アメリカ人として?日本人として?、、、そんな事は関係ないと言われそうだが、、、

日本人的な写真家、、、日本には写真家はいない、、、そう思う時もあるが、、日本の文化の中で写真を愛し、、、ともに生きてきた人、、、濱谷浩さん、、とても日本的。


04/24朝 昨夜遅くドライマウントが終了。スポッティングは2組。ガラスを使ってないので余裕だった。今日はオーバーマットを切って額装の予定。

雨が降り、さらに湿度が高くなりマウント作業も気を使った。今回不思議と簡単だったのは、ティッシュをタッキングした後の印画紙のカット。この作業はとても気を使って、やり方にもこだわりを持っているのだが、今回はあっさりサークルカッターで切れてしまった。

印画紙にドライマウントのティッシュをタッキングし余白をきれいに切り落とすのは、なかなか難しい。厚手の印画紙の場合、ギリギリ迄サークルカッターで切り落とし、最後の0.5ミリをカンナをかけるように鋭い刃物で削り落とす。そうしないとカットした印画紙がヒキツレたり、最後の部分が刃に引っ張られて角が丸くなってしまったりする。

ティッシュと同時に切るのは、エッジを正確にそろえる為だが、、、、ティッシュのロウで滑りやすく、カットの途中でずれてしまったり、、、とにかく、、神経を使う作業なのだが、、、今回、、サークルカッターで切ったエッジがあまりにきれいなので、ほとんど修正せずに、サークルカッターだけで、段階的にカット、、、これで終わってしまった。そこそこきれいだ。

サークルカッターは、いつもと同じだが、切れ味があきらかに違い、鋭く、動作も軽い。理由は判らない???近年、マットボードを大量に切る作業があり、面倒なので、このカッターで力を入れて(壊れても良いような気持ちで)、無理に切ったのが、かえって刃に良かったのか?あるいは高い湿度で印画紙が軟らかいのか???いつもうまく行くとは限らないかもしれないが、、、今回は、楽で良かった。

マウントして、ぐっと見栄えは良くなった。スポッティングも良好。少しずつ作品に仕上がっていく。できれば大きい額に飾りたいが、今回はムリ、、、額がない。理想では磨き上げた10ミリぐらいの黒いエッジで、、、24x30インチ。

久しぶりにドライマウントしたが、、やはり、、見栄えはまったく違う。余白を切り落とす事にもこだわりがあるが、、今回のイメージは、、比較的余白の影響を受けないので、この点はどうでも良いのだが、、

遅れていたキャプションと作品リストをチェックして、、今日はマットを切らなければ、、、額装迄仕上げたいが、、、

夜明けには曇っていたが、、、晴れてきた、、、


04/23朝 やっと少し、、疲れがとれてきた。昨日は捗らず、夕方5時に作業を切り上げて風呂に行った。久しぶりだった。今日はスポッティングから。

昨日の作業はフラットニング迄。これだけだと簡単だが、まず暗室の薬品類を片付け、仕上げモードに切り替えなければならない。暗室は狭く、仕上げの時はバットを並べている作業台でマットを切ったり、マウントの当たりをつけたり、大きなボードを扱わなければならない。バット類は流しの中に収納し、シンクも、、板を並べて作業台になる。、、、、、これに半日。

そしてマウントプレスを作業台から引き出してセッティング。クッションボードの湿気を飛ばす為1時間以上余熱する。

湿度計をチェックしながら、フラットニングは2回。最初は低温で圧力をかけずに、水蒸気を飛ばす。その後時間をおいて紙の乾燥を慎重に確認し、圧力をかけて普通にフラットニング。かなり注意していても、レリースペパーに張り付いてしまう。湿度が80%を超えているので慎重に、、、、今回はうまく行った。。。

フラットニングが終わって、やっと完成したイメージが見えてくる。より良くなる物がほとんどだが、、、ざらついた感じの残るイメージも、、、、これは今日のスポッティングで一気に変わる、、、、。

ガラスキャリアを使わなくなって、今回のスポッティングはとても少ない。ネガの平面性も良好で、キャリアを自作した事は30年来の快挙と言える。。。それとは逆に、、フィルムのコンディションはどんどん悪くなるので、ブラックスポットが増えてくる、、、、気になるところは印画紙から削り取る。

今回は久しぶりにドライマウントする。保存性、コレクション、、いろいろな観点を超えて、、まず、見えが良くなければならない!もちろん、ドライマウントしないプリントも用意。


04/22朝 疲れの残る朝。思えば昨日は、午前中はトーニング作業。慌ただしく片付けて車でPGI とスタジオへ、そして戻って乾燥したプリントの片付けと、、車の運転だけでも猶に8時間、、出かけている間は食事もとらず、持ち歩いていたカップのコーヒーだけと言う節約?ぶりだった。小銭をケチって高速を使わなかった事も疲労の要因だが、、、

車の運転も疲れるが、、なんと言ってもトーニングは他の作業よりも緊張の度合いが大きい。昨日は枚数を絞ったが、12点でも連続1時間は作業が止まらない。あまり好きではないが、、決まりごとのような物だ。しかし、、、今回は、トーニングしないフィニッシュのプリントもストックする。比べてみて変化が大きいようなら、トーニングしてない物を展示するかもしれない。

このへんは、時代の流れに逆行しているのか、、、あるいは、、ゼラチンシルバーと言うだけでプレミアムのつく時代だから、それ以上の処理を望まなくても良いではないか??と言う考え方???しかし、、、直射日光のあたるところに何年も飾り続けると、、、ハイライトは褪色するかもしれないが、、、そこは保存性か、、鑑賞か、、、選択する感覚だ。ある意味トーニングしてないプリントは貴重、、、と言う考え方もある。

トーニングの水洗中に暗室の窓からの風景をFBのトップにアップした。ここから見る海は飽きる事がない。何もない岩場や海岸も良いと思うが、、、ここには、生活や営みがある。サーフィンや海水浴、アワビ漁や、イワシ漁、、先日迄はワカメを取る人が多かった、、、、、

PGI では清家さんの展覧会を見た。勉強不足で技法は判らないが、、見た目はデジタルトランスファーのような感じだが、ものすごく質の高い昔のダイトラみたいな質感、、人気の作家で、価格も20万前後とそこそこ。。。

繊細で、、やはり、、独特のスタイル。お金のある人はこういう作品を飾って楽しむのも良いと思う、、、写真に特別な思い入れを持って飾る人が増えれば、、芸術としての視野が少しづつ開けていく、、、いつか、、私の写真に辿り着く人もいるかもしれない、、、、

今日はフラットニングから始めて、レタッチとドライマウント、、、どこ迄できるか、、、なかなか身体が動かない、、、、まずは、暗室の作業台から薬品関係を片付けなければ。


04/21朝 昨日のプリントをチェックし、これでプリントはひとまず終了。昨日作業した2011年のイメージは今回の展覧会では予備だが、どうしても一連の作業でプリントしてみたかった作品。不思議に感じるのは、、、プリントをルーペで見みるとシャープだが、離れてみると少し甘いように感じる。フラットニングすればもう少しスッキリすると思うが、撮影時の光が、微妙に関係しているのか?

たとえば、激しい雪の中で撮っている事、、近距離、、中距離、、遠景、、それぞれ別々に吹雪いており、シャープな空間だが、数秒の露光中に部分的に雪の粒子が通り過ぎている、、微妙なコントラストのブレが、感覚を狂わせるのか、、、、通常の視覚とは違うローカルなコントラストが、吹雪によって作られている?実際には雪は写っていないのだから、、、

今回の展示でずっと悩んでいたのが、トーニングの有無。ハイライトのトーンが自然光で青みを帯びて光るので、自然光の入るアトリエカスガではちょっと見えが良くないのかもしれない、、、タングステンスポットのみののギャラリーではあまり気にならないのだが、、、

今日これからの作業だが、各イメージ1、2点をトーニングし、トーニングしないプリントもフラットニングする。最終的な判断は、マウント時にすれば良い、、、トーニングは久しぶりだ、、作業を終わらせて、昼にはPGI にマットボードを取りに行く。清家さんの展覧会も楽しみだ。


04/20朝 昨日日記を書いた後に、もう一度プリントをチェックしていて、、、どうしても、もう少し強い調子が欲しくなり、、1998年のイメージをやり直す事にした。午前中いっぱいの作業だったが、、いくらかは良くなった。このイメージは難しく、、単独で見ていると良いのだが、周りの写真の黒に影響を受けて、、他の物と一緒に見ているとなんだか弱く感じてくる、、、、、

とにかく、グレード1/2上げて#4でプリント、この1/2は感度の変化が大きく、データも作り直したが、、、その差は、、わずかだ、、、、

特に、昨日一緒に処理した2011年のDMのイメージは黒が強く、これを見た後では判らない、、、生のプリントと言うのは本当に難しい、、、こちらの2011年のイメージはとても良い仕上り、、、昨年のレンブラントのプリントの魅力がが強さだとしたら、、、今回のイルフォードのプリントは、滑らかさを加えた感じだ。この大きさだと、昨年の感覚で仕上げると強すぎる、、、、

今年あらためて多くの作品をレンブラントとイルフォードで見比べているが、、、、レンブラントと言う紙も悪くないのかもしれない。。。ただ、どうしても、、フジと言うメーカーが信用出来ない、、、製品がころころ変わってすぐに廃盤になってしまう。以前、ミュージアムと言う紙があったが、あっという間に無くなってしまった、、、興味のある印画紙だったが、、、イルフォードはアメリカでの支持もあり、それぞれのブランドの息が長い、、、これが使用している理由だが、製品のばらつきはとても大きく、、データに頼ったプリントはできないが、、、、そう言えばフジの印画紙を使いにくい理由は、、その、特有のサイズだ、、、イーゼルがあわない、、、、昨年苦労した。

昨年は、個展のプリントを始めた直後に震災で、それ迄テストに使っていた紙が入荷しなくなった、、、手持ちのいろいろな紙を試したが、それはそれで良い経験だった、、、ただ、、これも試したい、、こういう風なトーンを見てみたい、、と言うような、、バリエーションを試す事ができなかった。このストレスを、、今年は全て解消している。プリントは時間がかかる、、今日仕上げた物も、明日にはやり直し、、、そんな事の繰り返し、、、、積み上げた印画紙の箱がどんどん無くなっていく、、、作業には少し余裕ができてきて、、、、予備水洗中の写真をFBにアップした。

昨日は処理した枚数が多く水洗に時間がかかった。食事の後も妙に落ち着かず、、深夜になってから、ずいぶん旧い映画を見た。寺山修司の、「書を捨てよ、街へ出よ」10年ぶりに見ると、やはり、、忘れているところがたくさんある、、、学生時代、この手の日本のサブカルチャーは、、、すでに、なんだかかっこわるいジャンルだったので、一人でこっそり映画館に見に行った、、、、

ビデオは捨ててしまったが、、HDの中に、、消さずにしまってあった、、、このコンピュータももうすぐ10年、、、これが壊れたら、、、消してしまって、、、もう見ないだろう。長い映画だ。見終わったのは3時過ぎ、、、忘れていた映画館の感覚、、、、、


04/19朝 昨日のプリントをチェック。とりあえず問題なく仕上がっている。ドライダウンの読みにくい絵柄であまり冒険はできない。昨年の展覧会のレンブラントのデータをもとに作業したが、、ずいぶん前のイルフォードの11X14のデータも参考にした。

2000年頃と思っていたが、、データは1998だった。この頃は廃虚シリーズの展覧会が続いていて、風景はなかなか仕上げる機会がなく、展覧会での使用は、昨年のバウハウスが最初。2003年にテストを一度、2004年にプレゼン用のポートフォリオをプリントしている。売れそうな絵柄だと思うが、、何故かバウハウスでは売れなかった、、、、気に入ったイメージだが、、、風景への入り口のような存在、、、

この頃のネガは、恐ろしくシャープだが、手を入れる事が前提に作られている物が多く、プリント作業もとても手が込んでいる、、、「これをこのように仕上げる」、、、と言う強い意志が、画面を支配している感じ。。。デジタルネガのマスクを重ねる物も多かった、、、、フィルムの質も高い。今回の展覧会、、こういう絵柄も加えてみたい、、、サイズも少し大きくなった。

今日は2011年のネガ、昨年のバウハウスのDMの作品を仕上げる予定。昨年のネガからもう一点仕上げたいところだが、、時間的にそろそろ限界か、、、昨日PGIにマットボードを注文した。湿度がいくらか低くなり、ここでカットしても大丈夫との判断。コスト重視。マットは直接車で受け取りに行く。清家さんの展覧会も見たい、、、早ければ明日、、今の作業状況では月曜くらいか、、、

昨日は久しぶりに食料品の買い物に出た。ほぼ毎日豆腐を食べるので、これが無くなると買い物に出る。ここのスーパーは食品が安く、質も良い。安くなっていたイナダの刺身を買ったが、やや小ぶり、イナダと言うよりワカシの感じ、アジにすれば良かったか、、198円だからOKだが、、、1週間分の食材を買っても1000円くらいだ。ねぎ2束100円、、オクラ2パック100円、卵は1パックセール品だと10円!だったりする、、、


04/18朝 久しぶりに朝から天気がよい。洗濯中だが、終わり次第仕事を始めよう。昨日は2点。一点はDMのイメージのやり直し、そしてもう一点は今年の新作の崖の上からのイメージ。

DMのイメージはno.0 でプリントした。予想に反してその差は僅かだったが、、、今のところ良さそうだ。(フラットニングやトーニング、、、仕上げの処理が済まないとハイライトの感覚は解らない)予備として未感光レベルのフラッシング(pre exposure) 処理を部分的に加えた物も1枚。かなり良くなったように感じるが、この手のプリントは、、後で比べてみても、昨日の物と違いが解らず、、どこがまずかったのか、、まったく解らない事もある、、、制作過程では細かいところばかり見て、全体像が把握出来ない為なのか、、

もう一点は今年の新作、崖の上からのイメージは、、、やはり、、、解らない。印象としてOKなのだが、初めて扱うモチーフだから、これでよい、、とはなかなか言い切れない。それなりの、満足感はあるのだが、、、、

今年の1月2日、、車の不調がシリアスになりはじめた頃、霧タップから厚岸に向う途中。鹿を撃つ猟銃の音が近くで響く。気温が0℃迄上がり、強い雨の中、、、APO の360mm、、、10メートルの風が吹き抜けて60秒の露光で、ブレもあるが、コントラストでカバーする。モノクロームの風景で、、特に長玉の遠景は難しい、、、記憶、、意識と、、、まったく違うように写ってしまう、、、、、、いつも失敗だ、、、

このカットは、、珍しく、、いけそうに感じた、、、他にもかなり撮ったが、みな、、ダメだと思う、、、普通の被写体だが、、自分にとってはとても難しい。A.アダムスのすばらしさ、、遠景の中の明暗の配置、、、あの構図は、なかなか生まれない、、、、、、、

今日は2000年頃のネガから1点を予定している。これは昨年の展覧会でレンブラントで伸ばしたが、、、今日はイルフォードで伸ばす。サイズも大きい。

1点ずつが、、それぞれ銀塩の違ったトーンを表現する、、、そんな展覧会にしたい。そんな気持ちから作品をセレクトし、、それぞれのイメージに最適の処理で仕上げている、、、、これをクリアすれば、、、プリントのスキルも、少しは上がるかもしれない、、、、、、、

先日の蛍光灯に続いて、昨日は、セーフライトの電球が切れた、、、引き伸ばし機のランプが切れない事を願いつつ、、、、


04/17朝 昨日はDMのイメージをプリントした。今チェックしているが、、階調は予想した通りに仕上がっているが、、、滑らかさを感じない、、、、新しくなった蛍光灯の影響???消したりつけたりと、、、まだ判断出来ないでいる。昔ならフラットニングして確認するのではっきり解るのだが、最近は、トーニングの処理をまとめて行う為、乾燥した状態でストックしなければならない。印画紙の表面が波打って水面の軟らかさが解らない、、、

ドライダウン、、、そして、マウント後のゼラチンの状態、、、DMのイメージは水面の軟らかさが魅力の一つ、、、まだ少し硬いのか、、今日もう一度プリントする。現贈液をアンスコからアグファに変える?しかし、、、感度や汚染の問題もある、、、現在のグレードは1/2、、、no.0 はあまり使いたくないが、、、フラッシングが必要か?印画紙がやけに白く感じる、、、、A120の処理とは思えない???

銀塩には、、どんなに技術力を上げても支配しきれない部分がある。それを、、、魅力に変えていかなければならない、、、紙の中で自由に現れて、自然に、イメージが生れていく、、、そこに大きな魅力を感じている、、、支配し、全てをコントロールするのではなく、、、ゼラチンのなかの銀が光で自由に画像になっていく感覚、、、

撮影時にも光を銀に焼きつけ、、、最後は暗室で、、、その銀を光で仕上げていく、、、このプロセスの絶対的な魅力は、それかもしれない、、、、銀の粒子はとても美しくイメージを再現する、、、ゼラチンの中で、、、手を加えるのではなく、、手助けする感覚か、、、


04/16朝 昨日のプリントを片付けてこの日記を書く。新作を一点仕上げた。この段階で、完全に作品の価値が判断できるもの、フラットニングや額装を終えてイメージが立ち上がるもの、、いろいろだが、、、このプリントはまだ判断できない、、、おそらく、、曖昧な妥協点の上にある感覚、、何かを犠牲にして何かを表現している、、、それが折衷案だと、、、全てが無意味だ、、、、、

たとえば、、、シャープなら良いと言う物ではないし、、、、シャープさを犠牲にしても、、、現さなければならない物もある、、、

昨日、暗室の蛍光灯が急にちらつき始め急きょホームセンターに買いに行った、数日前に、、安い物を買って色があわず、、台所のを外して代用していたが、、それも、、やはり寿命だったようだ。前回の教訓で、、一番高い物を買ったが、、高価な物には、ちゃんと色温度や明るさ、寿命が記入されている、、、これなら大丈夫と言う事になるが、、、、やはり少し色温度が高く、、、そして、光も強すぎる、、、判断を誤らないように、、注意しなければ、、、、

今回届いた印画紙は悪く無い、、、、どこ迄仕上げられるか、、、、このくらいのサイズは、、ドライダウンが読みにくい、、、つい、、明るく仕上げ過ぎてしまう、、、


04/15朝 珍しく水温が低い。外の気温はどんどん上がって15度を超えているのだが、、、昨日は結局準備のみで終わってしまった。。バキュームのイーゼルの上に黒の厚紙のマスクをかぶせ、、、これは、それぞれのサイズごとに制作して、印画紙の余白を決定する。今回使用するのは16X20インチに対して、余白は2cmしかない。

保存性や作業性、コレクターの嗜好などを考えるとあまりよろしくないが、今回は、展示方法を変え、余白を落としてドライマウントするので、これで十分だ。乾燥迄の作業はシビアだが、、、この画面サイズだから、本来は24X30のフレームに飾りたいが、手持ちがないので20X24にする。せめて1点、、、、フレームに入れてみたいのだが、、、、、うちには額を保管する場所も飾る場所もないのだが、、、、

自然界の造形や現象を写し取って、、美術作品に仕上げられる、、、私にとって、、こんなすばらしい素材、芸術はほかに無い、、ただ、そこに介在するもの、、、、それらは、絵画や、彫刻、、音楽、、、それらと同じように、、感覚に支配された、技術と精神が必要だと思う。


04/13朝 浄水器のフィルターを交換している。本格的なプリントは明日から。

昨日、予備のネガも試したが、、、やはり、今年の新作は2点が限界。昨年の作品を加える。今年は車両の故障で撮影を中断したこともあり、、、ネガの絶対数が少ない。写真を撮る事は、、、相変わらず、むつかしい、、、、そう感じる。

昨年にしても、、北海道は不調で、、1月半ばになって東北に移り、、岩手でなんとかカットを稼いだ。一度の撮影で、1カット撮れれば上等、、それが現状だ。新作は少し頼り無く感じるが、、大きくプリントしてみて、、少しずつ自分の物にしたい。

今回の展覧会は90年代の作品から、今年の新作迄、、全て大きなサイズで展示する。ある意味、、大きく伸ばすようになってからの(大きくプリントする事が効果的な)作品の羅列。自分にとって、、、必ず発見がある。


04/12朝 天気は一気に回復したが海は荒れている。風は穏やかだ。暗室の窓を開け、朝日の中で、昨日の仕事のチェック。3点の仕事をしたが、2点はコントラストを考えなおさなけらばならない。

昨日はとても捗った、、、と言うか、少し集中し過ぎていて、、冷静さを欠いていたようにも感じる、、、

1点はDMの作品。雲の上にいるような軟らかいタッチが出ていない。昨年のデータで作業したが、、岩の質感に惑わされた、、シャープに出そうとしたのが間違いだった。。。、他の作品は、、朝日の中で、、よい印象。。。

ここで仕事をしていると、あまり、、世間の事は気にならない、、、、孤立した星の中にいるような感じもする、、、、、、、、芸術は繰り返している、、同じ世界を廻るサーキットのようだ、、、ある速度に達した時、、、ふっと、、その円から飛び出していく、、、、破壊や、否定から、新しいものは生まれない、、少なくとも私にはそう感じる、、

先日の写大ギャラリー、、、A.Adams のプリントも印象的だった。見なれたポプラだが薄暗い展覧会場で、ひときわ栄える。モノクロームの不思議さを感じる。色彩はなぜ排除されるのか、、、幼稚な表現になるがあのプリントに色をつける事は考えられない、、、、、、いつ見てもハイライトとシャドーの位置関係が最高で、、どの写真も、彼にしか作れないように感じる、、、感覚は全てに優先する。

昨日のやり直しではなく、、、今日は新しいネガで仕事をしよう、、


04/11朝 プリントの準備が一通り終わってこの日記を書く。セレクトが決まり、予備段階の11x14をプリント。イーゼルがバキュームになり、ネガは金属のブレードを張り付けて4方向に引っ張って固定する。この作業はとても緊張するが、ガラスを扱う時のゴミへのストレスを考えればずいぶん楽だ。ガラスがない事は、それだけシャープだが、熱の影響は直接受ける、16x20の時は心配だが、、、、今回初めてだが、、今のところ楽観している、、、

展覧会の他のメンバーは、ギャラリーを廻ってDMを配ったり、木戸さんは17日から他の展覧会が都内で始まる。宣伝に人力いただいていて申し訳ないが、、、私はあまり役にたってない、、、、

せめてもの、、、と、思い、、大学間系に届けようと先日写大ギャラリーに出向いたが、、展覧会の作品を見て考え込んでしまい、、、すっかり忘れて電車に乗ってから思い出す始末、、、メンバーの誰かが写大ギャラリーの展覧会に行く事を願うしかない、、、一応その後、、、日大には、、講師の先生をたずねてDMを預かっていただいた、、、、

微かに雨が降る。このくらいの天気だと集中できそうだ、、、


04/09 4時台の電車で都内を出たが電車の遅れが重なって自宅に戻ったのは8時頃。何度も連絡をいただいた宅急便の方から、やっと印画紙を受け取る。遅れていた作業の事を考るとどうしても今日受け取りたかった。。。ほっとする。

朝から歩き回った1日。写大ギャラリーのモノクロームプリントの展覧会American Heritage は見ごたえがあった。保存性を考慮してだと思うが少し展示会場が暗く、銀塩は階調が良く見えなくて残念。ここで同じコレクションを何度か見ていると思うが、少し劣化が進んできたのも感じる。(劣化と言うわけではないかもしれないがゼラチンシルバーは少しずつ印画紙が焼けてくる)グラビアプリントなんかは、旧い雑誌のようでそれもアジの領域だが。。。。カニンハムはトラストプリント?もう少し旧い物もコレクションしていたように記憶していたが、、、、

いろいろな作家が展示されていたが、、、、作品のセレクトも含めて、、Minor White は期待以上。、、、オリジナルに発見がある。評価以上に不思議な作家だ。

Paul Strand は繊細だが、少し頼り無い感じもする、、、私には代表作の印象が強い、、、繊細な感覚は伝わってくるのだが物足りない、、なぜかな?いろいろなところで話題になったプラチナも一点、、初めて見た。

Wynn Bullock は今迄と違う印象を受ける。セレクトも、クォリティーも問題なく、、、見たいと思っている作品が並んでいるのだが、いつものような強い衝撃を感じない、、、もちろんすばらしいの一言は出るのだが、、最も好きな作家なのだが、、、そして作品も申し分ない。

以前、、96年だと思うが清里迄見に行った時の印象が強すぎるのか???何か違いを感じる、、、これは作品に、、、ではなく今の自分に、、、何かが変わったのかもしれない。彼の存在に対する、、被写体に対するスタンスは最高だと今でも思う、、、、その全てを見せつける超絶的なテクニック、、、

この会場で2時間近く過ごしてしまった。あらためて、、いろいろと考える事があった。

自分の作品の位置。それを考える、、、、Wynn Bullock のプリントのすばらしさ、、、被写体の、、それだけとは思えない、、彼の脳の一部が映像に定着されていくようなすばらしい表現力、、、今でもその憧れは変わらない、、、、

B. Westonの強い黒、プリントから感じるエネルギー、、、被写体ではなく、彼の精神だけが見えてくるようなE. Weston の作品、、、

変化するのは自分の位置、、、修正するべきなのか、、、、


04/06朝 あまり眠れない夜。朝日がさしはじめると、、寝ているのがめんどくさくなって、、朝日の中でプリントを選ぶ。この光で見ると良い物はより良く、、ダメな物はダメだとはっきり見える、、、、日の出も早くなった。

明日は、地元のイベントがあり作業はできないが、今日は夜からその準備の予定。8日9日はスタジオへ、、、しばらく中断するが、、、次にプリントする時は紙を変えて正確にデータを取る。そしてガラスを使わなくなったネガキャリアはネガをブレードに張り付けて引っぱる新しいもの。本格的に使うのは今回が始めて、、最終プリントの16X20で10分以上の露光に耐えられるのか、、、不安はある。

テストプリントは今日が最後だが、、、使用する物はほぼ決まった。おまけ程度の作業だが、、、気楽なプリントだが、、気持ちは、、これもダメ、、、あれもダメ、、、と、、ダメダシの連続で、、けっこうきつかった、、、、、、


04/05 午前中全てのテストプリントを並べてセレクト、さらにその後は昨年の作品をプリント。結果として、、3点、(今後の調整で2点になるかもしれないが)を今年撮影した新作からセレクト、その他は未発表の昨年の作品、残り数点をNYの展覧会用の少し大きいサイズのプリントで、アーカイブから選ぶ。

1月に撮影した中から2点を選べると言うのは、良い事だが、、、希望としては4点くらいは欲しいところ。なかなか撮れないのが現状だ。そして今回のイメージに沿ったもの、、、と言うと、、さらに少なくなる。

伊豆高原の展覧会情報をHPにアップした、、さらに、FBにも告知を出す。アートフェスティバルの規模の大きさは、役所絡みの一期性の物とはまったく違い、この地で20年、作家に支えられてきた歴史(と言うか参加者のプライド?)がある。もちろん参加するアトリエが多すぎて情報段階でのセレクトは重要だが、、

そろそろ作品のプリントに取り掛かるが、まだ印画紙が届かない。もちろん、前段階として11X14にプリントしてデータを作ると言う作業があるので時間はあるが、昨年の震災のトラウマで少し不安。

26日の搬入迄、、、、マットも発注しなければならない、、、今年も、自分で切るべきか悩む。昨年は湿気でうまく刃が進まなかった、、、、季節的には少し湿度が低いようだが、、、、


04/04夜 1日作業した。。。なかなか良いイメージを見つけられない、、、今年の作品から、なんとか2点は選んだが、もう一点くらい加えたいが、、同じようなイメージになってしまう、、、、、明日全てのネガを見直して、、それで全ての作品を決定する。過去の作品もできれば全てプリントする。

今年現像したネガを全てチェックしているが、、、新しく手掛けるイメージは、、、なかなか、一筋縄ではいかない。新しいと言っても自分にとってだが、、写真家はいつも、、過去にうまく言った物からモチーフを探ってしまう、、、私にとって初めてのモチーフは、、、仕上がったネガもなんとも幼稚で、、人に見せられた物ではない、、、、、まあ、、、時間がかかるのが、、私のやり方だから、、、何度も撮って、、、いつか物にできれば良い。

本番のプリント用に印画紙を頼んでいるが、発注済みの連絡後、一向に入荷の連絡がない。1週間ぐらいは普通に待つのだが、、、昨年の震災時に個展のプリントを進めていて、印画紙が手に入らなかったトラウマがある、、、今回はそんな事はないと思うが、、気分がはれない。

04/04朝 昨日の天候の急変には驚いた。穏やかだった海が一気に荒れ狂う、、、昔話にありそうな1日、、、今日は晴れているが海にはシケのなごり。暗室の窓を開けて日記を書いている。今日も新作をチェックする。、、、残りが少ない、、、

昨日も何枚かのネガを試したが、リストに加えられる物はまだ見つからない、、、今日も引き続き、、新しいネガから探す。すでに使用を決めているネガと同じようなモチーフの物はあるのだが、そこそこ大きな作品で、、10点程の展示なので、、一枚ずつ違ったモチーフを、じっくりと見せたい。展示全体をを離れて見た時に、全ての絵の特長が異なる、、、できればそうしたい。つまり写真にありがちなシークエンスと言うような感覚ではなく、完成された物の羅列。

今迄の展覧会とはまったく異なり、、、一つのシリーズではなく、一人の作家の、ゼラチンシルバーの表現力をはっきりと見せたいと思う。ムリかもしれないが、、、


04/03朝 あまり眠れない夜。都内から戻った翌日はなんだか体調がすぐれない、、、夜の電車は特にこたえる。。。身体を動かしているうちに回復すれば良いが、、、風も穏やかで良い天気。作業が続いていた暗室の窓をひさしぶりに開けて空気を入れ替えている。海は穏やかで、、春の陽気。ウグイスも鳴いている、、、音楽を切ってこの日記を書く。

昨日は、1日だけ都内で過ごした。朝の電車で出かけ、昼前からスタジオでデータ処理、その後は、先日展覧会に使用する事を決めた2枚のテストプリントをデジカメで複写、、FBにアップ。戻る前に東京駅で写真家の土居慶司さんに会ってDMを受け取り1時間程話をする。

DMは2000枚印刷し、私はとりあえず300枚いただいた。広報活動はあまり得意でない。仕上りは満足の行くもの。4人のイメージはそれぞれだがスッキリおさまった。デザインの重要性、、、Webもこうでなければならない、、、、デザイナーでなければなかなかできない、、、、

展覧会の作品だが、、、今年の新作をどうしても加えたい、、そんな思いからネガをチェックしているが、やっと2点だけ決定した。、、、カラーで撮るような風景、、漠然としたテーマだが、、モノクロームの難しさは、そこにあり、、すばらしさに、、それを加えていきたい、、、なぜ、、モノクロなのか、、、私もそれが解らない。

作品は、10点はそろえるつもりだが、、未発表の新作を半分、以前の代表作から半分、、、全て新作で、と言う気持ちもあるが、、今回は、、、他の作家の作品と、自分のゼラチンシルバーを比較する事に、、とても興味を持っているので、、、自分の中の、、、ゼラチンシルバーの、、、いろいろな部分を見せてみたい。

春日広隆さんのデジタルファインプリントは独特な表現力を持っている、、、、、作品の隅々迄、、細部迄、感性に支配されている感覚、、、

そろそろ窓を閉めて、、、室温を上げて作業をはじめなければ、、、、


04/01朝 昨日は気乗りがしないスタートだったが、2点の写真の使用を決めた。10点から8点の展示を考え、、、2部にわけるように、少しイメージの違うセットで構成する予定、、、、銀塩の魅力を、限界迄、、出し切る。

コンタクトプリントの感覚で8x10の紙にプリントしているが、テストなので階調の良くない(気に入らないので使わなくなった)紙を使用している、、、本番のプリントとのデータの関連性はなく、あく迄写真を選ぶ為、、、その後、実際に使用する印画紙の小さいサイズ(11X14)に、本格的にプリントし、、、最終的にプリントでータが決まってから、、16X20の印画紙にプリントする。このへんの手間は、、、デジタルプリントよりも簡単だと思う。デジタルの階調は、拡大率で大きく変化するので、、、、そう言う印象がある、、、、モノクロは、、、やはり、銀塩が簡単だと感じる、、、、サイズが変わっても階調の変化を感じにくい。、、、そして、プリントが大きいほど新たな階調を見せてくれる、、、このへんは懐の広さだ、、、、


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