2010年4月
作者近況2010 2010年3月 2010年2月 2009年2月

06/30 今回忙しい中、御宿迄戻った理由の一つに硝子工房のWebの更新があった。硝子屋福は7月8月と、2つの展覧会を控えており、それぞれのDMが刷り上がり、告知を出さなければならない。

とにかく、この作業が辛い。旧式のMacで作業している為ソフトはすぐクラッシュするし、けっこうな待ち時間もある。自分のWeb用にはWinのソフトも用意してあるのだが、こちらは簡単だと思って、MacのOS9で始めてしまった事が運のつきである。騙し騙し作業してまる1日。明日スタジオへ出掛けたらまたしばらく戻れそうに無い、、、どうしても終わらせなければならない。

Webの作業をしていると、自分のWebのこともプレッシャーを感じる。先日から新しいソフトを購入し、サーバーを用意し、ドメインを新調し、作業に取り掛かる準備は整ったのだが、10年ぶりのリニューアルと言う事もありなかなか腰が重い。制作当時はダイアルアップが基本だったので1ページ当たりの容量はとても軽く作ってある。今なら画像ももっと綺麗に、そして解りやすく作れると思うのだが、、、、


06/28 何とか仕事の切れ間を作り深夜に帰宅。雨の中ここを出て何日経ったのだろう、、、随分長く感じる。御宿は霧に包まれていて、少し先の街灯も見えない。

ハードな撮影が続いた。特に昨日は1日中ライブハウスで過ごし、20ギガ近く撮影した。バックアップも時間がかかる。ただ、現場の雰囲気がとても好意的で良い絵が撮れた感触。いつもの事だが、自分の感覚で仕事を進められるのは嬉しい。

中目黒で過ごした数日の間、1日だけ自由になる日があり、横浜に撮影に出掛けた。期待した被写体には出会えずかなり悔しい思いをしたが、毎日のスケジュールが詰まっている方が気持ちは落ち着いているように感じる。時間を作って茨木の方で撮影するのが良いかも知れない。

最近、自分の記憶が分散して、途切れているのを感じる。御宿にいる時は、中目黒の事は思い出さないし、中目黒にいる時は、御宿の事は他人事のように意識に入ってこない。二足のわらじが進化して二人の意識に分裂してしまったようだ。、重ならない世界を生きている。ここには中目黒の自分は、感覚的にも存在しない。


06/23 午前中に先週のロケで使った三脚を修理。足の先端のコルクが折れてしまった。この部分はゴムでは無くシャンパンのコルクを差し込んであって、これがとても都合がよい。スパイクの代わりにはならないが、濡れている地面などはゴムよりも滑りにくい。折れた部分をコルクオープナーで引き抜き、ストックしてあったブーブクリコの栓を叩き込んで完成。

午後からは久し振りにスタジオへ。届いていない宅急便が気になるがしばらくは撮影が続きそうだ。三脚やカメラなど荷物が多く、雨の日は辛い。


06/22 ここ1週間ほど暗室で作業を続けて、かなり環境は良くなった。歩くだびに剥がれて引っ掛かっていたカーペットを床にしっかり接着したり、、、、

ここ数日の間の改良は、バキュームイーゼルのスイッチを作業しやすい位置に増設。バリポイントのトランスを操作しやすい位置へ移動。二台のダーストにLedの複露光器を設置。新しく二次光源を使用しない複露光機のセッティング(これはなかなか難しく設置はしたがまだまだテスト段階)。大型の暗室時計の設置。とにかく現在のレイアウトに合わせて使いやすいように整えている感じだ。

生活環境も、この1ヶ月で随分良くなった。なかなか手に入らなかったパンを手に入れる為にホームベーカリーを買った。これはかなりのヒット、パン屋の無い田舎では必需品だ。それから圧力なべ。これも、地元の食材を調理するのにとても都合がよい。


06/21 最近、散光ヘッドに改造したDevere504のコンデンサーハウジングのふたをやすりで削る。かなり長い時間、、、ほぼ半日。

このヘッドはネガキャリアをランプハウスで圧着するタイプ。散光への改造に伴い、ランプハウスの重量が軽くなり、少し歪んでネガキャリアを押しているようだ。もちろん、バランサー(スプリング)との調整の為のウェイトはのせてある(これが無いと軽すぎてロックを外しただけで跳ね上がってしまう)、、、

改造直後から気になってはいたが、ネガが傾くと言うほどでは無かったのでそのままになっていた。しかし、改造したヘッドは、もともとコンデンサーハウジングだった部分にフィルターポケットを設置した為、プリントの途中でこのカバーを開く事が結構ある。つまり、キャリアと接触していると、マルチグレードのフィルターを入れ替えた時にキャリアに干渉する。

作業を終えてみると、結果は良好。ふたの開閉は問題ないが少し締まりが悪くなった。以前はマグネットのキャッチがついていたが、取り外した事が原因か?しかしあまり力がかかっても困るわけだし、、、、しばらく様子を見る事にする。

そろそろ印画紙を注文しなければ、、、古い紙ばかりでは気持ちもスッキリしない。


06/20 気持ちがすぐれないまま古いネガをチェックしていて、恐ろしく変質しているフィルムを発見した。

今迄シートフィルムが変質すると言うトラブルはあまり経験していなかったが、何よりその変質ぶりがすごい。中心のフィルムベースを軸にして両面の乳剤が収縮し、和紙のようにシワだらけ。質の悪い海苔のような感じにベロベロだ。

変質したフィルムはイルフォード。HP4かFP4の4x5シート。記憶では当時のこれらのフィルムはコードノッチが同じで処理のデータが判別し難い状況だが撮影内容からはHP4の可能性が高い。30年以上昔の物だが、クローズアップのソラリゼーションの実験をしていたネガなので耐候性を考えた処理をしていないのは確かだが、ここ迄乳剤が破壊されるのは納得がいかない。気になって他のイルフォードのネガを探してチェックしてみたが、恐らくこの頃のHP4だけが変質している。

あまり気にしていなかったが、ネガの乳剤が変質してしまう事はこれからも十分あり得る。特にフィルムの入手が難しくなり、東ヨーロッパや、様々なメーカーのフィルムを使う昨今の状況を考えると、今迄のようないい加減な処理や保存方法ではダメなのかも知れない。

以前、発売直後のローライのR3のシートフィルムをテストして、あきらかに乳剤に異常があったのを何度も輸入元に問い合わせたが、釈然とした原因を伝えられないまま結局フィルムそのものが製造中止になってしまった事がある。この世界に詳しい人間はいないのだろうか?


06/16 3件の撮影が続いた後久しぶりに御宿に戻る。撮影に出かける前、接着してあった部品をさらにレンズボードに接着する。

この接着剤は非常に強力だが24時間放置しないと必要な強度が得られない。先を焦ると失敗してしまう。次の作業は明日以降か。最近技術的な事に関しては次々と良いアイデアが浮かぶのだが、次にどの写真を仕上げるのかと言う事になると妙に空々しくその場を逃れてしまう感じがする。

自分だけでなく誰かに見てもらう事も刺激になるのかも知れない。誰と言うあても無いし、だからどうだと言う事は無いのだけれど、、選ぶ写真について気分がすぐれない。特に自分では新しい感覚の物を目指しているつもりなのだが、同じ世界を廻っているような感覚に取り憑かれる。。。困った物だ、、、さぼる口実なのか。

機械の方はかなりの進化を遂げた。感覚的に行き詰まるとつい機械のせいにして鉾先を買えてしまうからだが、、、、本当は何であれプリントし続ける事が大事なのは自分でもわかっているのだがとにかく気が進まない。明日は何とかしよう。

通販で注文してあった黒糖焼酎が届いたので南高梅を買ってきて梅酒を仕込む。


06/05 昨日から、新しいネガを一点。先週プリントしたネガから2点を繰り返しプリント。うまくいかない。

ネガも今一つ、いや、一つのイメージに二点のネガがあり、このカットに関してはフレームもいくらか違っている。私の気に入っている方のフレームには正体不明の気泡状の黒点があり、なかなかごまかすのが難しい。これに疲れてしまった。同じような予備のフレーム。僅かな違いだが、どうしてもこれでは無い。明日は気持ちを落ち着けて、違うネガで仕事をしよう。

自然界をモチーフにした作品を手掛けている。最近は野付半島の白骨林。抽象的な被写体を抽象的に表現する、、、、そう言う手法では無く、、、モチーフの中に感情的なエッセンスを通過する、、、生半可な匂いを加えた作品、、、。うまく表現出来ないのだが、より、日本人的な感覚と、言うような物なのだが、、、、


06/03 またしても撮影の後スタジオに長居してしまったのだが、東急ハンズで細かい部品を何点か購入して戻る。これで全ての引伸し機に複露光機が取り付けられる。いろいろと他の方法も考えたのだが、取りあえず、今迄の方法で対応する事となる。

二次的な光源を使った方法。数年前から使っているLedの光源をそのまま使用する。最近は、二次光源を使用しないアイデアが頭の中で渦巻いているのだが、実用にはもう少し時間がかかりそうだ。それにしてもそれぞれを使い分ける事になるので、今のシステムも無駄になる事はないだろう。


05/30 最近使用頻度の多くなったダーストの138に複露光器を取り付ける。付属していたセーフティーフィルターに取り付けようとしたのだが、かなり曇っていたので、アルコールで清掃しようとして、ダメにしてしまった。かなり遠い記憶だが、以前も同じ失敗をしたような気がする。材質はわからないが、この赤い色のフィルターはアルコールで拭くと表面が溶解し、曇ってしまって使えなくなってしまう。バカな事をしてしまった。

しかたがないので、ステーを共有する事にし、Dovereに取り付けてあったホルダーを仮止めして使用する事にした。

複露光器。フラッシング露光。これは印画紙のハイライトの部分の感度を上げる為の作業で、本来は印画紙全面に微弱な露光を与える。つまり、カブらせるわけだが、臨界点迄露光しごく僅かな光でハイライトが感広域に達するようにする事。そこに達しない領域は最大のの白を維持する。これが基本である。

しかし、実際に印画紙をかぶらせてみると、微妙なハイライトの濃度は無視され、すぐに全体がカブってしまい最大の白の領域は失われてしまう。それを防ぐ為に部分的な復露光を効率的にかける仕組みが必要になって来る。これがなかなか難しい。

ネガ上の画像を見ながら、必要の無い部分は、露光しない、、、、、マスキングしたように、同じ作業も要求されるわけだし、、、

印画紙のセーフティーフィルターの代わりに今回はコダックのSCフィルターを装着してみた。No.25の赤いフィルターだが、これは印画紙に対してどうなのだろう?いつも理論的に、、、、、と言う事だけではうまく行かないのだが、、、、、


05/28 日帰りのつもりで出掛けたスタジオでの撮影だったが、雑用が続き、1週間滞在する事になる。

週末の撮影が終わって毎日のように微妙な雑用が続いた。まずはリサイクルPCの引き取り、これは役所絡みで日にちが限られる。続いてインターネット回線の切り替え、そしてモデムの交換、EMS、粗大ゴミの引き取り、、、、それぞれは大して時間のかからない事ばかりなので、その間にサーバーのメンテナンスをしたり、底が剥がれてしまった靴を買いに行ったり、床屋に行ったり、はたまた、剥がれてしまった靴の底を修理してみたり、、東急ハンズでも長い時間を過ごした。ペンキを買ったおかげでスタジオも少しきれいになった。つまり撮影がないと言う事なのだが、、、、、、

そして久しぶりに、PGIへ。入り口が変わっていて少し戸惑ったが、、、、1階がショップと言う割り切ったレイアウト。何を売っている店なのかが解りやすくなったのを感じる。ギャラリーとの方向性もコントロールしやすいのでは、、、、

1週間ぶりに戻った御宿では机の上のコーヒーにすっかりカビが生えていた。注文してあったコダックのフィルターが届いている。


05/21 昨日から一気に気分を切り替えて、集散光のダースト138で作業を進めている。先日迄は、散光のヘッドを試す意味でdevereを使っていたのだが、今年撮影した赤外フィルムなどは濃度が低く、ゾーン7辺りで0.8〜0.9ぐらいしかない。これはフィルムのレンジ上しかたがないのだが、、、やっぱりシャープな機械でないと繊細な仕上りが望めない。1台で全てをこなす技を身に付けたいとも思ったが、、まずは紙、次は光源。

少しカブリぎみが気になっていたフジのレンブラントG2も新しいロットになって一気に白さが増した気がする。この紙を最終的なプリントに使う可能性は低いが、最近テストプリントには良い結果を感じる。感度が高く作業も早い。フジは不思議な紙が多く、以前のミュージアムも、白の濃度が独特だった。そしてレンブラントG2、G3、、、継続して長く作ってくれれば、うまい使い方を考えるのだが、、すでにG3は終息し、、、今一つ信用出来ない。何処のメーカーも同じなのだが、、、、、経済的なのは助かる。

フィルム固有のガンマ、濃度のレンジと言うような物は、なかなか現像だけで変えられる物ではない。それぞれ、特定の濃度域に独特なカーブを持っている。もちろんそれをシフトしながら自分の機械にあったネガを作るわけだが、たとえばTP4415、、このフィルムは1.8程度迄濃度を上げて始めてその特性を発揮する。このフィルムで軟らかいハイライトを表現しようと思えば、現像液ではなく、散光の光源が必要になって来る。あくまで私感だが、、、

1週間以上暗室作業を続けていたが、明日は珍しくスタジオで撮影。(土曜だが)朝の高速バスで中目黒へ。できれば明日中に戻ってきたい。


05/19 3台の引き伸し機の調整。実際に使ってみて色々な不具合に気付く。朝からの作業は、ちょっと調整して続けてプリント、、、と言ったつもりだったが、気がつけば暗くなり。いつのまにか雨。

長らく集散光の機械で作業していたせいかも知れないが、散光のヘッドはとてもあまく感じる。使いはじめてその領域がすぐに把握できるはずもなくどのコントラスト、どのレンジ、、、ドライダウンを考慮するとまったく露光が決められない。もちろん、その為のネガがあるわけだが、、、、、、、憂鬱は感じないが、、全ての作業に時間をかけたい。

いろいろ考えた末、ダーストの138にはフジのフィルターを組み込んだ。L1200にはイルフォード。LedヘッドのDovere504もイルフォード。これでしばらくは様子を見る。平行調整も一様は終了。イーゼルのプリントマスクもやっと昨日完成した。これは使ってみなければなんとも言えない。印画紙の白を相殺する為、余白をグレーにするマスク。全ての階調は相対的な感覚の中に存在する、、、、

先日、春日広隆さんのアトリエで「ファインプリント」、と言う言葉についての会話。これは英語ではなく日本語の造語、ファインアートフォトグラフィ、プリントあたりから派生した物か??アンセルアダムスに起源を汲むシャープなプリントのみをささなくても良いのでは???それは同感。起源は作り手の意識の中にあるのでは、、ただ、受け止める側は、オリジナルプリントと言う言葉と同様いつも混乱させられる。。。。

色々な古典技法が次々と紹介される最近のウェットプロセスの世界だが、何故オルタネィティブの技法ばかりが取りざたされるのか?技術的に、感覚的に優れた作家ならば、今こそゼラチンシルバーの表現領域の広さを伝えるべきではないのか?確かにオルタネェイティブの技法は興味をそそる、、、だが、聞きたい。この、ケミカルの技法は、まだ、未完成ではないのか?頂点とも言えるゼラチンシルバーを本当に極めたのか????私には、、、まず光り、そこに形がある。まだここから出られない。


05/17 伊豆高原から戻り、本格的に新しい光源の引き伸し機で作業を進めている。新しい世界を少しずつ自分の物にしていきたい。春日さんのアトリエはとても刺激になった。私自身スタジオでは全てデジタルだが、伊豆から戻り、こうして御宿の暗室で作業を続けていると逆に銀塩の手軽さを感じる。なぜ????

実際に使いはじめたLED光源の引き伸し機だが、完全散光、今迄に使ってきた物とはまったく感触が違う。物理的に、散光率がとても高い、これはネガキャリアのフィルム面から暗室中に光がもれる事でも実感できる。そしてピント。ネガによっては粒子が見えず、今迄のようにネガ上の全てでチェックしてもなんとも曖昧な感じである。これが幾ら絞っても変わらないのだから、感覚的には微妙。つまり、ローカルのコントラストが異様に低い。まあそれを求めているのだが、、、

そのような、感触の中で、今迄伸ばせなかったネガをプリントしている。ふと思うが、、グレーと白が、初めてつながったのを感じる。もちろんこれは輝きの喪失でもあるのだが、、、、

色々なネガをプリントしながら特に感じるのは印画紙の質が良くない事。保管している間にどんどん白さを失って来る。在庫している紙はしかたがないが、、、調色した作品に仕上げればまだ使えるのか???という感じで捨てられずにいるのだが、、、美しく白い紙が使いたい。


05/13.14 夕方の5時頃、伊豆高原を後にし、一気に走り切って御宿迄戻る。家を出てから30時間、すごく長い1日を感じる。600キロ近く走った。以前に春日広隆さんのアトリエを訪れたのは昨年の10月。その時お聞きしたアートフェスティバルの時期に来る事ができてよかった。

様々なフィルムを使ったカーボンピグメントとの組み合わせ、今迄のモノクロームの世界では表現出来なかった世界がそこにはある。いつも思うが、ドラムスキャナーでの読み込みは光学系を介さない。写真の呪縛から一気に開放される。この世界に触れていると、印画紙が無くなっても、いつかはどのような表現も可能になるのだろうと、、希望を感じる。バライタの白も、ゼラチンの透明感も、、、紙に焼きつける事ができる日が来るのではないのだろうか、、、、

写真には常に人柄があらわれる。他の芸術もそうなのかも知れないが、、、その作品はとてもおおらかで、見る者に安らぎを与える。豊かな空間を、より豊かな環境へ、、、その作品を飾る事によって空間は美しく着飾っていくように感じる。インテリアイズムとでも言うような、、、、

私の作品はどうなのだろう?年令を重ねるにつれ、作風は穏やかになってきたとは感じるが、空間を演出する、、と言う表現とはかけ離れている。写真の表現力は多彩で、それはNYのギャラリーを廻っているとだんだん憂鬱になって来る理由なのかもしれないが、、、以前から、何かもう一つのエッセンス、、それをずっと考えている。春日氏の世界とは違うのだが、、、、、、それぞれのアイデンティティー。


05/12 久しぶりにドライマウントプレスを出してコンタクトプリントをフラットニング。けっこうな枚数がたまっていたので時間がかかる。プレス機がさめるのを待つ間にこの日記を書く。

暗室のプレス機は2台のスキャナーの下に収納されており、使う時は作業台ごと引き出すのだがあまり見た目の良い収納方法とは言えない。この機械は本当に場所を取る。次のポートフォリオは台紙にマウントしない状態で展開したいと思っているのだが、それにしても完全ななフラットニングが前提だ。余白をカットし、ドライマウントされたプリントは鑑賞と言う意味では最高なのだが、最近のギャラリーではコレクターに敬遠されて評判が良くない。それだけで価格に影響してしまう。まあ、コレクションする人間の事も考えなければならないのも事実。

少しずつ、希少性と言う意味においても絵画的な展開を余儀なくされる銀塩のプリントだが、可能な限り、自分にできる限りの表現方法で、、、作風を維持していきたい。

今日の夜遅く御宿を発ち、明日は何伊豆高原の春日広隆さんのアトリエを訪ねる。御宿から伊豆、意外と遠く複雑な道のり、、、、春日さんのプリントは、昨年12月の銀座の個展でもすばらしかったが、伊豆のアトリエで見るのが最高だと思う。今月はアートフェスティバルの会期中でアトリエをギャラリーとして開放しているとお聞きした。とにかくすばらしいところだ。

そしてプリントのすばらしさ。技法の介在を感じない。とても素直だ。


05/06 連休が終った。

ガラス工房と御宿とを毎日のように往復、御宿のマンションもほとんど毎日来客があり、多い時は5人と一匹が宿泊。中目黒で暮らしていた頃と変わらない。不思議な感覚。初対面の相手と明け方迄酒を飲んだり、、頂き物のとても良いワイン、こちらでは売ってない硬いパンや薫製などなど、、うちが提供する物はごく普通の料理、、カツオだったり、イワシだったり、タケノコだったり、、意外と良いバランスなのかも知れない。今でも仕事中は中目黒にいるのだし、、、、

来客の少なかった30日、工房に置いてある古いイギリス車を修理した。電気系統の故障で1年近く動かしていなかったが半日ほど格闘し、連休の最終日には工房の周りを元気よく走り回った。この車は1速ミッションがノンシンクロ。客人の運転にちょっとギアが鳴ったが、、やはり気を使う。入手して2年、こちらに引っ越すきっかけは意外とこんなところかも知れない。

朝の9時頃迄はガラス工房の片付け、御宿に戻ってからは自宅の片付け。明日からは天候がくずれるようなので時間に追われながら洗濯など、、、、自分がやらなければならない仕事の事などを考えながら、、、もうすぐ夜があける。最近はあまり眠らない。


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