2012年09月
2013年01月
作者近況2013 2013年03月 2012年11月

05/29 夜明けに御宿の自宅に到着。伊豆の展示を撤収してから南に向い、伊豆半島を見て廻った。どこか撮影できる場所があればもう少し滞在して、、、そう思っていろいろな場所を見たが、今の感覚には噛み合わない。あまりにも日本的と言うか、、、そして、穏やかで、やさしすぎる。日本の原風景、それも良いのだが、展覧会を終えて、もっと、シャープな物、新しい道が見えるような、ドラマチックと言うのではないのだが、、、少なくとも、もっと刺激的な物が欲しかった。

光線、空間は、見る物の感覚で変化するのだから、私自身がもう少し何かを求めていれば、見える物も違うのかもしれないが、おそらく、とても疲れているのだと思う。

今回の展覧会。2月の横浜に続いて、6人のメンバーの合同展だが、この空間であらためてその存在感を認識できたのは、ピーターの作品。。。芸術と、写真とのかかわり方を、原点から認識させてくれた。ある意味、、、他の作品が私も含めて古臭く感じる。。。

これを感じ取る事は難しく、2月の横浜の展覧会では、もう一つ、大事な何かが見えてなかったように感じる。芸術は情報ではなく、物体として、その空間に存在し、初めて完成する。情報ではない、、、そして、もちろん複製では魂は伝わらない。

サブジェクトも重要だ。表現できそうにない空間が?物質として新たにその存在を完成させる??何か、ある種の匂いのような物??今迄いろいろなオルタネィティブの作品に接してきたのだが、初期のプラチナのような完成された感覚、、、、、サブジェクトと技法、感性、そして物体としての作品。

では、銀塩は?デジタルは?精密な描写と、被写体の情報を全て表現する、この、現代的な手法は、どうやって芸術のスピリットを維持するのか???原点は見る事なのだと思う。私にしか見えない物を全て出し切る事。。。それが出来れば、必ず、芸術が生まれる。

私自身が、何か物足りなく感じている感覚、、廃虚や抽象的なサブジェクトを扱っている時は、とても満足した感覚に包まれているのだが、風景の中には、何か自分自身の感覚が見出せない??もちろん、、まったく無いわけではない。もう一つのところ、、、芸術として存在する為のなにか、、、

写真家は、入り口と出口、つまり、被写体に接する時と、完成された作品に接する時、その間のプロセスの上に存在している。それは物の見方を極める事であり、新しい存在を生み出す創造的感覚にも支配されている、、、

芸術としての写真、、、考える事、語る事ではなくて、生み出す事が重要なのだと思う。。。まだ生まれていない物がある。日本は、写真の文化の発展に於いて、ある意味特殊な位置付けで進んできたと思う。これを全て否定する感覚は私にはない。。。その上に立って作品を作りたい。

これは必ずしも日本人に限った事ではないが、、、被写体の情報は絶対的で、一般の人はその先にある物を汲み取る事は不可能だと、、、そして、物質的な存在感のあるオルタネィティブな技法の作品は、彼らにとって、とても解りやすい、、、それは、100年前からの写真の芸術論の繰り返し、、、


05/21 伊豆に出かける準備を終えた。明日、午後に出発し、途中で1泊、朝には会場へ。特に問い合わせがあるわけではないのだが、ビューイングができるように、20点程の作品をケースに入れた。都内のギャラリーとは違って、自由な空間。訪ねてくれた人に、何かできれば、、そんな事を考える。会場に展示されているのは今年の新作だが、やはり、展示空間に合わせたセレクトになっている。他のもの、、、何か、、暗い影を放つ、私のイメージも少し用意した。

そして、去年もそうだったが、他のメンバーと過ごす大事な時間を、、、そう思って、何か料理ができるように、調理器具や食材なども持ち込もう。明日は途中で買い出しをして、クーラーボックスを一杯にして、、、

そして、撮影の機材も用意を進めている。展示が終了した26日以降は、少し伊豆を廻って撮影する。これが私の考えるスケジュール。。。あくまで理想だが。


05/20朝 昨夜、空いている道を車で帰宅。途中車を取りに戻ったが、ほぼ一週間のスタジオ。体力的にもそこそこハード。前半はアーティストの取材など、後半は、会社役員のポートレイトや、この時期ならではのバラのイベントの取材など。走り回り、そして日焼け。

とにかく交通費以外はまったくお金を使わない。逆に言えば、交通費がもっとも大きな出費。ガソリンと駐車場代を節約すれば、支出は少なくなる。その為、格安のコインパーキングを探してさまよったり、交通量の少ない時間帯に移動するなど、、貧乏暇なし的に、時間には追われている。。。

そして、今週は伊豆の展示に出かける。なんとも情けない話だが、名刺の在庫がまったく無い。スタジオで、作品リストを兼ねた、イントロダクションカードを印刷。50枚程持ち帰ったが、これも、あわてて購入した紙がなんともペラペラで、情けない。

伊豆は4週間の展示だが、今週で最後になる。そして、私が出向くのは初めて。ずっと他のメンバーが接客してくれたわけだが、1日に100人以上の来場者の相手をするのはとにかくたいへんで、食事ができない事もあったのではないかと思う。最後の週も、たくさんの人が来てくれる事を願う。

特別のエディションを出した事。価格の事もあるのだが、今のところ2点を販売している。滞在しているメンバーには、感謝するところが大きい。

今日は、伊豆でビューイングできるように、他の作品を準備している。他の新作も、特別のエディション、価格で販売できるように、、、


05/16朝 昨日混んだ電車で帰宅。今日は夕方に車でスタジオに戻らなければならない。

ひさしぶりに髪を切った。長かった頃を思い出すくらい、、伸びはじめていた。ギリギリの感覚。髪は、、何か人の気持ちにも影響を与えていると思う。短くすると、あまり余計な事は考えなくなる。何かを振払う感覚。

大学に行くのかさえ気持ちが定まらず浪人していた10代の頃。文京区の小日向に住んでいた頃がある。最近の記事で啄木終焉の地がその近くだと知った。それからなのか、ふと、何かあるごとに、まったく忘れていた啄木の歌を思い出す。。。ああこれもそうだ、、そんな感じで、歩きながらふっと、、、透明な混沌。


05/12 やっと天候が回復。宅急便の到着を待ってスタジオに出かける予定。届くのは古いタイプの押切のカッター。ネガのブレードに使う、金属板のカットに良いかも、と思ってオークションで購入。押切なら、平面を保ったままきれいな直線が切れるのではないかと思う。

昨日は少しのんびりするはずだったが、PCにインストールするソフトの関係でとてもたいへんな1日になった。

グラフや簡単な図表を製作する為のソフトを探していたのだが、ちょうど良い物をフリーソフトで見つけてダウンロードしたら、ほとんどウイルスの悪質なソフトがたくさん付いて来る。これがブラインドで動作してブラウザがなんとも使えなくなってしまった。最近のダウンロード事情は、まったく油断出来ない。

アドオンと言う認識でウィルスではない扱いなのか?プログラムファイルにも、アドオンにも表示されず、結局はシステムを復元してやっと削除。その後は他のソフトを探す物の、ちょうど良い物が見つからない。ウィルスヌキで何とかダウンロードしようとするのだが、そうすると、機能が簡略化されて使えないスタンダードバージョンになってしまうと言う、たちの悪さ。。。

基本的に、ブラウザに寄生するらしく、あらわれるのは広告や、ダウンロードサイン。他のブラウザにすると現れないので、よっぽどブラウザを変えてしまおうかと思った程。。。

結局、制作者のサイトからダウンロードし、規約の中にある、付属ソフトを全て外し、、それでもインストールされるスパムは、システムを復元せずに何とか削除した。まだ何となく不安は残るが、表示されない、削除出来ないと言うのは困りもの。いろいろなダウンロードサイトを試したのだが、名前が違っていろいろなスパムが付いて来る。おかげで。アドオンに少し詳しくなった。

このソフト、使いやすくとても優れている。ずっと手書きだったトーンカーブを、簡単に作成して、いつでも比較できる。そして、画像データもすぐに作れるし、、、しかし、ダウンロード出来ないのでは、誰にも進められない。。。とにかく、、、一日中、、PCの復元とインストールの繰り返し。

そしてやっとカーブがかけるようになった。いつも使っていた方眼用紙のトーンカーブを少しづつPCに取り込まなければならない。

少し、キャリブレーションの事は忘れて、、、そう、、撮影に出かける為に進めている。

ここ迄書いていたら、宅急便でカッターが届いた。本当に古めかしい押切で、写真館で使っていた物。取っ手のハンドルはすり減り、木製を銀色に塗装した、見かけの割に異様に軽い本体。すり減った木の足。。。思いどうりにすばらしく、、、金属のカットには、申し訳ないようにも感じるが、、、とりあえず紙を切ってみよう。発送元は北海道、夕張。

そう言えば、20年以上前、初めて夕張に行った時、とてもたくさんの写真館があるのにびっくりした。みな立派な看板。そしてどんな小さな町にも。もちろんみんな閉店していたのだが。。私が来るのを待っていたみたいに、目の前で看板の文字ががたっと外れた事を思い出す。


05/10 キャリブレーションのフィルムの現像を終了。この作業は本当に辛い。まだ、濃度を測ったり、カーブを作ったり、実際の露光の為のプランはこれから。

何故だろう、とにかく、クリエイティブでない作業、そう言ってしまうと語弊があるが、センシトメトリーに関する、機械的な作業は嫌いだ。とても辛い。特にそれが、、、あまり期待出来ない素材だったり、なにか仕方なしに、、何かの代用だったりするとことさら、、、、。フィルムの性能を客観的に把握する、、、そう言ってしまうと、、その言葉さえ嫌いで、、少し理由がわかる気もするのだが、、、、、

子どもの頃から勉強が嫌いで、、、、、そんな感覚。。直接、、結果を生む。そう言う事しか、気持ちが動かない。。。行く事もない、現実に、見た事もない国の言葉を、一生懸命覚えさせられるような感覚。。。。しかし、、、日本人には、、そう言う事が好きな人が多いように感じる。どんな満足が得られるのか私にはまったくわからない。。。

センシトメトリーもそうだ。現像液の種類や科学的な手法。いくらでも研究者はいるのだが、それで何ができるのか?と言うと、、モデルの横に花瓶をおいたバカ臭い写真だったり、まったく必要を感じない無関係なモチーフが添えられていたりする。つまり、、目的ではなく、、研究そのものが好きなのだと思う。

この2つのタイプを融合させる人間は、日本人には見当たらない。それもなんだか、、、寂しい。

とにかく、とても疲れた。新しい素材に興味がわいて、次から次に新しい事を試して、、、と、言う感覚ではなく、無くなって行くフィルムの代換えをただ一生懸命さがしている、、、このフィルムとてもうすぐ無くなるのだと思うと、時間ばかり急かされて、ただ不幸な時を過ごしているように感じてしまう。

自分自身にとって、写真の中の一つの表現においても、、、これは時間との戦いなのだと思う。

消え去るまえに、、、先に進まなければならない。。


05/08 暗室を片付け、再びフィルムの処理ができるようになった。光線の状態を確認し、、正午頃からベランダで40枚程のフィルムを露光。先月届いた、efke PL25 とATO 2.1 のリスフィルム。

そろそろスタジオで画像処理や撮影に取り掛かるはずなのだが、連休明けのスケジュールはまったく動かず。しばらく時間が止まっている。少しぼーっとしていたのだが実はやらなければならない事はたくさんあった。先月 LA から届いたフィルムのキャリブレーション。

ここのところ自分のネガと格闘していたので、機械的に進めるキャリブレーションは、すっかり頭の中から消えていた。写真家には、意外と、こういう機械的な下準備が必要で、、、少なくとも、私の場合、当てずっぽうに進んでも、まったく良い結果は得られない。時間の許す限り、作業を進めよう。

伊豆の展覧会は一周目が終了し、私のセールスは今のところ1点。週末になんとか顔を出そうと思っていたが、仕事の進み具合がまったく見えなくて今週も辞退する事にした。都内のギャラリーでの写真展と違ってとてもたくさんの人達がやってくる。写真だけでなくいろいろな美術の愛好家が多く、そこで過ごすひとときは魅力的だが、あまりにも、伊豆は遠い。そして、、、新作を、と。集中していた時間が長く、たくさんの人にあう事に、何か重たい物を感じる。もう少し、自分の中で、自分の事を考えたい。

2種類の人間。服従する為の人達、そしてそれを破壊する事のできる人。そして、凡人でありながら、非凡人であると思い込む人。。。誰もが芸術家ではない。しかし、みな、それを語る。どれだけ、そんな事に惑わされて来たのか。

芸術はとてもすばらしいもの。これほどすばらしい人間の魂を、お金で買う事ができる。どんな人であっても、

自分は先に進めるのか?もう一つの扉が、見つからない。媚びているわけではないが、昔より、、なんだか弱気、、、、、、ラスコリニコフ


05/06 カメラを修理した。ほぼ。1日仕事。今は接着剤が乾くのをまっている、明日は、撮影に出かけられる。ずっと気になっていた仕事が一つ終わった。自分の為の大事な時を過ごした気がする。

このカメラを手に入れたのは20年以上前。マルクが安くなった時に、ドイツ仕様を新品で購入した。おそらく、日本に在る中古より、その時は、安かったと思う。それからずっと、このカメラだけを使っている。

風の強い場所での撮影。何度となく転倒し、その都度修理。近年、日本海側で撮影する事が多くなり、一気にくたびれてしまった。塩を含んだ雪は、金属の奥深く迄浸透し、見えない部分に腐食が広がっている。

おそらく、、、私は、カメラなど愛していないのだと思う。もし、大事にしていたらこんな使い方はしない。。。何ケ所もあけられた固定の為の穴。全て剥がされた装飾用の皮。そして、内側も、画面を少しでも広くする為に、何度もヤスリで削って、あまりにも痛々しく金属が露出している。このカメラの愛好家には、とても見せられない。ただ、、、私のからだと同じように、これこそが私なのだと、思う。

これを手に入れるまえの15年間。。。それまでも、ただ1台のカメラを使っていた。それは木製で、17歳の時に手に入れた、、、いや、、実際には手許に届いたのは18になってから。日本の石井さんと言う方に作っていただいた組み立て暗箱。これはサクラの木で出来ていて、とても美しい。このカメラを加工したのは一度だけ、US 仕様のホルダーが装填できるように、フィルムゲートを少し削った。。。。いや、、ほんとは、木の地肌に、、、、大事な言葉が彫り込まれている。当時私は18歳だった。

そして、この、昔の木製のカメラはとても美しいまま、私の手許にある。これを使わなくなったのは、廃虚の中での1時間に及ぶ長時間露光の撮影に、真空装置を装着しても、軟らかい木製の本体が、少し動いてしまう、、、そんな事が、きっかけだった。

時折、二人の自分を感じる。美しいままの、この木製のカメラのような感覚。そして、、サイボーグののように、加工された、この、ドイツのカメラ。

とった写真も大きく違う。美しいカメラから生み出されたのは、全てを突き放すとてもストイックな抽象のイメージだけ、ある意味これは本当のアメリカの感覚なのかもしれない。そして、今使っている金属のカメラ。。。どこ迄も、何かと融合し、解け合う事、混ざりあう事を探し続けている。

この国で、心の中に、、何かを残したい。だれに、、、?それはわからない、、、、


05/01 5月になった。雨が上がり、天気は回復に向っている。伊豆の展覧会の初日。

確か去年は初日にも顔を出したたが、今年はメンバーが多く、伊豆の遠さに、とりあえず連休中は辞退。最後の週に顔を出す事にしているが、できれば来週あたり見に行きたい、、、展示した時はWynn さんの作品はまだ届いていなかったし、、、全てが飾られた空間を早く見たい。。

千葉に戻ったが、作品の整理や、Webの続きを進めなければならない。スタジオのPCの方が作業性が良く、1週間の作業で新作や、昨年の展覧会の作品が全て見れるようになった。さしあたって、作品のデータベースを仕上げているが、、、これは、「画像をきれいに見せられる」と言う事だけなので、新しいサイトと言うにはまだ入り口、、、、本当に必要なコンテンツはこれから少しづつ、、、

ある程度の確信は持っているのだが、しっかりとした方向性?それを考えながら、、、考えながら、、そして、、、やり直すので、、、限り無く時間がかかってしまう。。。ある意味人には頼めない、、経済的にも。。。

別に、デジタル、、銀塩、と言うしきりの中で物事を考えているわけではないのだが、一般の人がデジタルの写真に触れるようになって、写真と言う芸術は一気に振り出し迄引き戻された。絵画から分離し、アメリカで独自の発展を遂げた事など、、もうだれも覚えていないのか??などと思ってみたりもする。

客体を芸術に導く物の見方は、とても否客観的な世界観に根ざしている。自由に、リアルに加工できる、、と言う事が、「物の見方を極める」と言うせっかくの写真の特性を、なんだか。安っぽい、ドラマの世界や、ありきたりの言葉に、置き換えられているようで、せつなくなる。。

あり得ないような存在感、それ一枚で空間をいつまでも浄化するような、、そんな物を作りたい。ただ一点でも良いから。。。

生まれてからずっとせつない思いを抱いている。それを満たす物がなんなのかは今でもわからない。

そして、ある時から、、、死の刺に、侵され、何度もそれを振払って抜きさろうとしてきたが、いま、その刺は抜くのではなく、体内に深く挿すべきだと気付いている。二度と抜ける事はなく、痛みは快感に変わって行く。


04/30 暗くなる直前、そんな曖昧な時間に御宿の駅に着いた。2、3日のつもりでスタジオに出かけたが1週間以上の滞在になってしまった。伊豆の展示の前に、、、そう思っていたWeb サイトの更新、その他、いろいろな準備を終わらせた。

ふと、気付いてみると名刺が一枚もない。これは、そのうち何とかしなければならないが、取り急ぎ、伊豆の展示用のネームカードを作ったりもした。名刺に関しては、ソフトとプリンターで作るのは容易だが、長らくデザイナーと仕事を共にしていると、あまりにもヘナチョコな感じがして、印刷にまわさないと気が進まない、、、お金がかかるからそんな考えは捨てなければならないかも、、、

取り急ぎ、伊豆の展示用のweb の更新、。それだけだったが、あまりにもたいへんだった。複写した作品の画像でータの現像に2日、その後、細かいタグを修正しつつ100ページほどを更新。あまりにも細かい作業で肩の神経がおかしくなってしまった。、、、どんな事であれ、一人で進めるのはたいへんな事だ。いや、、、自分の能力に、、あまりにもあわない作業。。。

Web の為に作業を進めていると、また、違った発見もある。2日掛かりで、全ての作品の複写データを現像した。

ある意味、ネガからのプリント作業に近い感覚があり、2日間で30年以上の作品を一度にプリントした感覚がある。もちろん、プリントの複写だから、ネガからの作業のように道筋に迷う事はないのだが、、、とても疲れる仕事だった。。

そしてページの制作更新、、これもたいへんで、、先日エンコーディングをunicode に変更したのも大変だったが、その後、見てみると、unicode では、英文中の¥の表示ができない事が判明、、、、などなど、、、やり直しがあまりにも多い。


04/23朝 あまり眠れないまま朝になった。それでもいくらか体調は良い。昨日、気になっていたベランダの掃除を済ませ、やっとゴキブリ除けのタブレットを配置。これを忘れているとたいへんな事になる。ここ数年の効果で、昨年はほとんど見る事がなかったが、近隣の住民が入れ代わったので、今年は油断出来ない。

ベランダの掃除と言うのは、先日の嵐で、いろいろな植物が飛んできて、草刈りをしたあとのような状態だった為。1年ぶりにホースを出して水をかける。

頼まれたWebの更新で一日中 Mac に向わなければならなかったが、少し散歩もした。家の中は寒く、日のあたる浜辺の方が暖かい。先日伊豆に出かけて思ったが、いつも、車の中だと、良く眠れる。そして、朝も気持ちがよい。

ずっと写真の事ばかりを考えている。そして記憶のプログラム。車で移動する長い時間もまったく音楽を聞かなくなった。逆に言うと、考えに集中して、運転も苦にならない。なんだかあっと言う間に目的地に着いてしまう。

たとえば、仕上げられなかった作品。全て仕上がっていたら、どんな感覚なのか?そして銀塩と他の技法の比較。雑誌のようなメディアの世界では比較と言えば馬鹿げたスペックの優劣かもしれないが、、、、それはその世界には芸術を理解する感性がないから。

自分はいろいろな技法を、いつも比較している。できる事なら、最も美意識に響く技法で仕上げたいと思う。そして、、、それができるのが写真。今回、伊豆の6人の展覧会は、全員の技法が違う。

スタジオに出かけなければならないのだが、あまりに天気が良くて気が進まない。もうすこし、ここにいたい。


04/21 伊豆高原の展示を終了しそのまま千葉迄戻る予定だったが、あまりの疲労でスタジオへ。メールや事務処理もあり、程よいワンクッション。

伊豆迄普通に走ると、高速料金だけでも往復1万円を超えてしまう。そして600キロの道のりでガソリン代もほぼ1万円。これを圧縮すべく、一般道を走っている。深夜であれば全ての道を。。。。この場合8時間近くかかる。それでも、渋滞のガソリンを差し引いても、かなり節約できている。ちなみに、高速を使わない方が50キロ程距離も短い。

伊豆には現地でセレクトできるように8点を持ち込み、5点を展示した。全て新作。「過去との対比で1980年のイメージを展示する」と言う事も考えていたが、展示場所がプレーンな平面なら、同じシリーズの方がスッキリと見れる。

今回は、明るいリビング。隣の壁面には春日さんの大きなイメージが3点。このコントラストはすばらしい。そして反対側はテラスを超えて大きな窓から雑木林。今迄経験した展示の中でこれほどすばらしい物はない。

持ち込む前にさんざん悩んでいた事だが、作品のエディションは全てno.1/20 にした。

エディションno.1 を展示、販売するのは4年前の青山のギャラリー以来。その時は全て販売してしまったが、今回はどうだろう、、、このエディションno.1 には特別な意味がある。

その作品を最初に評価して購入したと言う事。そのイメージの最も新しいプリント。全てはそこから始まる。ある意味、私のところにもスタートラインは残らない。そして価格。これも自由に付けられる。

他のメンバーの作品とのバランス、写真の価値、いろいろ、考える事はあるのだが、スタンダードなプライスとは別にASK の設定。伊豆迄見に来た人への、何らかの特典を考えたいと思う。本当に欲しいと思ってくれる人には安く譲りたい。販売履歴のないno.1 なら、それも可能。。。

昨日千葉に戻ったのだが、さすがにまったく体が動かない。暗室の片付けもあるのだが、今日はHPの作業を進めている。昨年からWin で組むようになったのだが、先日アメリカ人のタブレットで自分のサイトをチェックして、英語が文字化けしている事に気付いた。ソフトが変わり、unicode の設定になっていなかった。早く気付いて良かったとも言えるが、、、とにかく、その作業。

そして、今回の展示、昨年の展示のインデックス。今週はこの作業。自分のペースで進めて、体調を取り戻したい。


04/18 これから伊豆へ。明日は朝から展示の準備。

04/17 今、やっとオーバーマットを切り終えた。昨日は結局体調不良で寝込んでしまった。やる気がないのか、と、自分を攻めてみたが、なんとも体が動かなかった。

いくらかゆっくり眠ったのか、、休みながらだが、今日は作業を進めた。明日は全て仕上がる。

フィニッシュワークは、、、とても辛い作業で、それまでの苦労が、僅かなミスでダメになってしまう。作業スペースが狭い事もその一因。身動きのとれない狭い空間で、大きな物を慎重に、何度も移動させなければならない。そして、うまくいって、当たり前。期待以上に美しくなるわけではない。

今日はドライマウントから始めた。最近の展覧会では、マウントしない事が普通だが、そのあたりの考え方は、経験とともにはっきりと固まった気がする。見せるならば、最良の方法で。保存するならば、それに適した方法がある。展示には、見えの良い方法を選ぶ。コレクターが求める物は別の方法で仕上げれば良い。細かな、文句を言うやからに、ムリに買ってもらわなくてよいわけだ。。。。保存性など、考える必要はない。、、、保存したくなる物を作る事の方が大事だと、、、


04/16朝 昨夜遅くスタジオから帰宅。PGI でマットボードを受取ったので今日からマッティング作業、そして額装。先日から、あるいは、、ずっとなのかもしれないが、とても疲れている。特に朝は動けない。。。

今回伊豆で展示する作品は、5点程だから、そんなにたいへん?と言う感じだが、まず、暗室を片付けてマットの切れる作業台を確保しなければならない事、そして、ドライマウントや諸々の作業をするにあたって、今回展示する物以外に、昨年販売した作品の補充分を仕上げたり、ついでに?進めなければならない作業がたまっていてこれが大変。

まずは、暗室からプリントケースを運び出さなければならない。。。まだ、からだが動かない。もう少ししてから。コーヒーでも飲むか、、動きたくない。


04/14夕方 レタッチを何とか終えた。あまりにも疲れていて、目の焦点があわない。何度も飲んだパブロンのせいか、手が震えてたいへんな作業だった。

これから車でスタジオに向う。明日は一件の撮影と、今回の作品の複写。そして、PGIでマットボードを受け取って帰る予定。道の空いている夜のうちに走れば、いくらかガソリンの節約にもなる。朝の渋滞は辛い。

04/14朝 昨日予定していたプリント作業を終えた。想像以上にうまくいった物が一点。それ以外はほぼ予想道理。

昨夜は早く休んだのだが、ほとんど眠れず、全身に疲れと、異様な緊張感が残る。これからフラットニング。そしてレタッチ。この疲れは異常だ、、、眠りたいのだがまったく眠れない、、、


04/11朝 昨日のプリントをチェック。16x20のプリントの1点目だが、何とか使えそう。初めて手掛けるイメージは、最後まで結果が読めない。逆光の太陽と雲、そして海岸の砂の反射、、、、あまりにも、普通の風景で、これを自分の世界として仕上げるのはかなり抵抗がある。。。ある意味、富士山の写真みたい、、、

自分の見る世界、それを貫く事が良い結果を生む。。。と思っていても、まだ、何かが見えてこないような不安はどこ迄も。。新しいサブジェクトだと、今迄見た事の無い映像に、とまどいもある。不自然なのか???そんな不安。。

それぞれのスタイル、、ある意味、それを超えて行くわけだが、超えてしまえば逆に、、、今迄の物と同じ世界を持ち、、、一つのスタイルに統合されて行く。。。

今日も、初めての試み。不安と期待。


04/09午後 まだ3時を過ぎたくらいだが、ビール。そしてわずかだけストックしているシングルモルト。重くのしかかっているもの、なんだか判らないが、振払ってスッキリと過ごす。2時にテストプリントを終了し。明日からのシケジュールを組みなおす。

昨日でテストは終了して、大きなサイズに取り掛かる予定だったが、スタジオでの仕事もなかなか動き出さないので、余裕を見て、もう1日作業した。そして伊豆の展覧会のプラン。大きなサイズであれば、5、6点もあれば十分だが、全て新作で、と言うのはまあ、できればといいたところ。展覧会の方向性からすれば、はっきりと個性を表現できて、しかも、去年の印象をいくらか引き継ぐもの。そう思うと、マスターピースから、いくらか選んだ方がよいとの考えもある。

16X20のプリントは、手間としては大した事は無いのだが紙の在庫が少ない事や、コンデンサーの調整などを考えると、大きな気もちの切り替えが必要、、、特にコンデンサーを調整するのが、ストレス、、、これは単に光量が均等に、と言う事で無く、、集光率をどのくらいにするかと言う問題、、、

今回特に、新作に不安を感じるのは、その階調が特殊な物が多い事。。。。PMKで処理したネガはあまりにも滑らかで、拡大率による質感の変化が見当がつかない。

しかし、、、数点、仕上げれば良いのだと思うと、気持ちに余裕がわいてきた。好きな物を、出来る迄やってみようと思う。きっとうまく行く。

そんな気がする。いくらか酒が入っているので、、、少なくとも今はそう思う。。


04/08朝 ひさしぶりにシーツの洗濯をしながらこの日記を書く。穏やかに晴れている。海はまだシケのなごり。

昨日の、と言うか、ここ数日のテストプリントをチェックしている。ここ迄は、黒を基調にする画面の物を試してきた。黒い画面と、白い画面では使用する現像液が根本的に違う。理想を言えば、印画紙も、、、

今一つピンと来ない感じで進んでいるが、その理由にやっと気付いた。つまり、画面は、「最初に、階調ありき」なのだと思う。構図やディティールよりも全体の階調、光の感じが再現されていないと気分が乗ってこない。記録を辿る足掛かりが掴めない、、、そんな感じ。

特に、今回使ったっ現像液。PMKが難しい。全ての課題はこれから。それ以外の処理のネガを足掛かりに、その特長を生かせる使い方を模索しなければならない。

四国の小さな町に生まれ、写真を始める迄はまったく良い事など無かった。写真を始めたのはその町だが、、そこから少しづつ遠ざかり、写真に近付くにつれて、少しづつ幸せに、人間らしく、生きて来れたように感じる。

今日からは白いイメージを試す。咽をうるおす物が無い。あまりにも乾いている。早く何かに辿り着きたい。。。


04/07朝 昨夜は凄まじい嵐になった。海はまだ荒れている。ベランダは、飛んできた小枝や引きちぎられた木の葉。台風のあととはまた違う。新芽の時期だから、、ガラス窓もにも木々の新芽がバラバラになってたくさん張り付いている。何か、動物の仕業のような痕跡。

湿度が高く、昨日のプリントも乾きが悪い。少しでも可能性のあるネガを試しているが、、最後の仕上りが見えてこない。細かい欠点に妨げられているのか、あるいは色彩の記憶?もう一つのところから先に進まない。ただの幼稚な風景写真に見えてしまう、、、、、、

たとえば、、こんな時、、マチエリのある紙や、絵画的な調子の技法で仕上げた作品は、想像できるのだが、、、より現実的に、、感情を突き放して、撮影した空間を威厳とともに、描きあげる事は、、、まったく、、できない。。。A. アダムスのイメージには、にはそれがある。

ゼラチンシルバーと言う技法。そこで見出せるもの。その頂点。技法的な意味では無く、感性、光り。

少し違うネガを試してみよう。


04/06朝 おそらく、これから天気は崩れると思うが、今は、暖かく、気持ちの良い風が吹いている。湿度が少し高い。

昨日はあまりにもハードで、体調はすっかり悪くなった。あきらかに限界を超えているのはわかっていたが、飲まず食わずで一日中仕事。とにかく終わらせたので、、今日からプリントを再開する、、、と言っても、、掃除機をかけただけだが、倒れそうだ。

少し気持ちをスッキリさせて、階調のキャリブレーションをしようと思う。気持ちに余裕が無くなると、プリントのトーンはどんどんチープになって行く。ナラワラの林をうまく空に馴染ませる、、そして自然な質感、、、去年もこれができなかった、、、今日は現像液も2種類。

私の見た物にはまったく近付かない、、、まだコーヒーも飲んでいない。


04/05朝 昨日は明るい時間に電車で戻ったが、全身の疲労感で8時には寝てしまった。今週はハードだ。

特に神戸に出かけた日。土砂降りの雨で体力的にも、機材にもかなりのダメージ。筋肉痛は、、そのなごり。ストロボ2セットを持って一人で新幹線、、、50代なかばにはこたえる。

神戸ではフランス人のフルート奏者を撮影。ホテルが借りられたのでとても良い雰囲気の写真。偶然だが、求めたイメージにぴったしの空間だった。クライアントの手配も万全。。。その後、食事もせずにスタジオに戻り、画像のチェック。

ふと思うが、海外のアーティストの撮影で、東京以外と言うのはめったに無い。これは時間的に、利便的に、、、東京と言う街は、持ち運べる物なら、世界中のいろんな物が集まってくる。たいがいの仕事はできるわけだ。

それ以外、、地方に出かける事。これは、その土地の物を撮りに行く事が多い。アーティストなら、「その土地で、」と、空間が限定される場合、、物ならば、そこでしか見れないもの、、などかな。

情報としての映像を提供する仕事。広告、エディトリアル、必ずしも、客観的な物では無い。

今日は別件で忙しく、プリントは明日から。テストプリントはあと3日。その後は、大きなサイズに取り掛かる予定。日にちが少なくなった。とにかく、ギリギリ迄作業する。

ここ数日はもらった猪の肉を食べる。これは先日古民家に持参した物の残り。頂き物だが、この土地で罠にかかったもの。脂肪の厚さからするとかなり大物.。


04/01朝 これからスタジオに出かけて午後からの撮影に備える。天気が良くて暖かい。今週は、3日には日帰りで神戸に取材、など、ハードなスケジュールが続いている。次にテストプリントを再開するのは週末か。

昨日迄の2日間は茨木の古民家で過ごした。もともとプリントで体調を崩していて、片道4時間の運転はかなり疲れたが、映画を見るように、暖かい空気の気分転換。あまりにも、うまくいかない写真の事を少しだけ忘れられた気がする。。。そうして今戻ってみると、、、少しだが、先日のプリントもましなように見える。そんなに悪く無いかもしれない、、、何とかなるかもしれない、そんな気持ちになってみたり。。。

さまざまな人に会う。日常、非日常、、私を追い詰める人。写真の世界に、もっと突き詰めた何かを見い出さなければダメだと、別れたあとで息苦しくなる。あるいは、とてもやさしい気持ちにしてくれる人。これで良いのだから、一度深呼吸して空を見て、、、

作り続ける事は終わりが無い。

「書き換えられない記憶など無い。、、、、、」あるいは、、ソラリスの海、、、、記憶、そして恥の感覚とは?今生み出す世界も、自分の都合の良いように書き換えた記憶に支配されているのか?

疲れているのだが、今日は、少しゆっくり呼吸する。


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