先ずは47Bに就いて説明して行きます。
最初にこのフィルターを知ったのはハリー・キャラハンのメジャーな作品シリーズの
テレホンワイヤーに使われていると言う話でした。
それをヒントに水面に移った空の反射を強調したい時などに使っていましたが、
非常に濃度が高い上に拡散率の高い波長のみを透過させる為レンズの性能やハレーション
の状態に非常に注意が必要です。
部分的に共通する場合もありますがもう一つの用途は、錆などの赤い部分がフィルム上では
比較的明るく再現され、見た目のコントラストを失ってしまうのをさける効果があります。
こちらに関してはサンプルがありますので詳しく説明していけると思います。

過去の作品例

水面の反射を強調した作品例です。
この作品の場合フィルムもD-76の原液で10分以上現像し全体のコントラストも
かなり高い状態を維持しています。フィルターを使った事による
効果はハイライト部分のみで意外と少ないかも知れません。

実際の現場での応用例


左側のカラーのイメージは撮影状況を記録する為にデジカメで撮影した物で、撮影日は03年1月、稚内近くの海岸線です。
実際に撮影した事のある方であれば、標準的な感色性のフィルムでもこのようなネガにならない事は予想できると思います。
船の先端部分の赤錆色の部分は大概のフィルムでは感光性が強く肉眼で感じられるコントラストは殆ど失われてしまいます。
全体のガンマを上げて行けば、今度はハイライトの質感や中間調のローカルなコントラストが不快な領域に入ってしまいます。

Final print

上のネガはTP4415、Potaで処理しています。
ウエブ用に柔らかくしてありますが、濃度は2.1以内
全体的に1.2程度のガンマの高い部分を上手く使い
ネガ自体は大変綺麗です。
露出の決定はスポットメーターにダイレクトに
フィルターを取り付けて測光し、感色性の補正は
この場合は必要無いようです。

引き続きもう一点さびた鉄の質感に就いても解説
して行こうと思っています、御期待ください。
update 3/13.03