これは私がゾーンル−ラ−を作る為にNDフィルターを使って製作した45のカメラ用の
セパレートマスクです。当初カメラはカルダンカラーだったので現在のL45にはやや大きめ
ですがなんとか装着する事ができます。これを使用する事によって一度に4ステップの
露光をテクスチュアのあるターゲットに対して行う事ができます。

4x5のフィルムの場合ゾーンルーラーを作る作業で、何段階もの露出を一定の条件で
行う為には、大変多くのフィルムを使用する事になってしまいます。
時間的にもカメラの機構的にも、多くのステップを同じ条件で露光する事は難しく、
NDフィルターを使用しながら迅速な作業が要求されます

このマスクは厚手のプラスティック板に穴を開け、さらに薄手のプラスティック板を
左の写真のような形に加工して張り合わせて塗装してあります。
4箇所の穴にはそれぞれNDフィルターの0.3/0.6/0.9を貼り付け、残りの一ケ所は
空洞のままにしておきます。フィルムホルダーが装着されて引き蓋が引かれた時に、
加工されたプラスティック板のテンションでマスクがフィルム面に完全に密着するように
慎重に何度も調整します。圧力が強すぎると引き蓋を引いた後、戻す事ができなくなり
弱すぎると引き蓋を引いてもフィルム面迄密着できません。
調整が完全であればやや引き蓋が重い程度で迅速に次々に露光できます。注意が必要な点は
フィルムに接する側をできるだけ滑らかに加工する点です。

このようにネガには4ステップの露光が行われ、わずかな枚数のフィルムで多くの段階の
ルーラーを作る事ができます。
また、低露光部分のネガのマスキングされている部分はかぶり濃度の測定や印画紙への
露光時間の決定などにも使用できますので穴の部分の大きさを決定する時はその点も
考慮に入れると重宝します。ただ実際に印画紙に露光する場合、この部分は完全に
マスキングする事が必要ですので注意して下さい。

このマスクを製作する前にフィルムホルダーの引き蓋に穴を開けて何回か露光できるようにしたマスクを試作したのですが
穴を開けた時点で、挿入時に光線漏れが発生し方法を模索しなおす事になってしまいました。
実際の撮影条件に近い状態でテストする方法としては今の所ベストだと思っています。
ターゲットにはキャンバスを張り付けた物を使用しています。適度のテクスチュアと高い反射率がちょうど良く、コットンの
ミュージアムボードよりは暗いですがルーラーにやや質感の残る感じはいい判断材料になります。

update 1/28.03