左の画像の数字はAsahi のスポットメーターの直読値です。
プリントを複写した画像では比較的露光の決定しやすい被写体に
思えるのですが、実際はなかなかゾーンが決めにくくアイビーの緑色
はフイルムの感度でも分光的に不確定な部分です。私自身は経験的に
窓の中の最も明るい12の部分がぎりぎりで再現されるように、かなり
長いゾーンスケールの現像処理を選ぶことにしました。

max white-12-zoneXI 窓の中の最も明るい部分
middle gray-6-zoneV 壁の中のやや暗い部分

この設定で6ステップのハイライトを再現するにはかなり全体に
軟調なイメージになってしまいますのでネガの濃度を2.5〜2.7迄使う
方法を選択し、現像時間はPOTAで12分、感度をASA1.5に想定して
印画紙のグレードは最も低い物を選択することになります。

使用印画紙がイルフォードのマルチグレードの場合フィルターNo.0.5
オリエンタルのニューシーガルの場合はG1〜G2でセレクトールソフト
を1:0.5で使用します。

zone V の濃度はこの場合1.0〜1.2 それでもシャドーのガンマは高く
2ステップ以上暗い部分のテクスチャーは殆ど再現されません。

Camera Linhof Master Techinica45 Fujinon250mmF6.3 orginal vacume filmholder

Exposure

この被写体はこの画面で見るよりも実際は奥行きがありFujinon250mm.ではF32迄絞り込まなければなりませんでした。
スポットメーターでzoneV に設定する壁の上の方を測りF32の状態で15分の露光に決定しました。
この場合の相反則不期はキャリブレーションされたASA感度に含まれているので私の場合は計算する必要はありません。

Color sample

この画像は撮影時に記録の為に被写体の中心部分のみを35mmのカラーポジ
で撮影した物です。使用しているモノクロフィルムの感色性がどの様な物
であるか、ハイライトの状態がどの程度自然に圧縮されているかを調べる
為には興味深い物だと思います。

カラーのポジフィルムはとてもラチチュードが狭く3ステップ以上明るい
部分はトーンさえ再現されません。
広い範囲の被写体に対応できるモノクロームのすばらしさを実感できる
部分でもあると思います。

撮影データ  Contax ST Sonar85mmF2.8 1s. F16 RDPII

下のサンプルはこの時撮影したポジとネガをスキャンしたものです。
フイルムによる再現領域の違いをみてください。

Color sample 2

Color posi RDPII Color nega Kodak RZ25
Color posi
Contax ST
Distagon18mm
F11 1/2s.
Color nega
Contax RTSII
Distagon18mm
F11 2s.

Last update 11/26 .02